訪問看護を目指すあなたに!訪問看護のプロがおすすめする書籍5選
訪問看護師として働き始めて6年、未経験でスタートした訪問看護、日々勉強を続けていますが、特に『私を変えた本5選!』といえるおすすめの本を紹介したいと思います。
訪問看護の需要が高まっていることや訪問看護師として働くことに多くのメリットがあることから、訪問看護に興味をもっている看護師の方も多いのではないでしょうか。また、現在訪問看護師と働いている方でも、より深く訪問看護について知りたいという方も少なくないでしょう。
そこで今回は「訪問看護について深く知りたい・勉強したい」という方におすすめの本を目的別にご紹介します。訪問看護に関する知識を深めるためにぜひ参考にしてください!
目次
1 訪問看護実践の基本をおさえたい場合のおすすめはこれ『現場で使える 訪問看護便利帖』
訪問看護師として働くことを検討している方や訪問看護師として働き始めて間もない方のなかには、訪問看護の現場ではどのようなことが行われているかを具体的に知りたいという方も多いでしょう。また、ベテランの訪問看護師でも訪問看護の基本を確認したいと感じる機会もあると思います。
このように訪問看護現場の基本をおさえたい場合におすすめなのが、『現場で使える 訪問看護便利帖』という書籍です。
■『現場で使える 訪問看護便利帖』
こちらの本は訪問看護師の役割や一連の仕事の流れ、ケアマネージャーなどの他の職種との連携や訪問看護ステーションの事業内容といった訪問看護の現場を理解するための基礎知識から、在宅ケアで行われることが多い医療行為や訪問看護で接することの多い疾患の基礎知識といった実践に役立つ知識まで幅広く網羅しています。
利用者さんのご家族の方への対応や看取りに関することなど、訪問看護を考える上で避けては通れない内容についても掲載されているため、困ったときの力強い味方となってくれるでしょう。
ページ構成も要点が箇条書きになっていたりイラストが随所にあったりと、とても見やすくなっています。多忙極まる看護師業務をこなしている方でも気軽に読めるため、訪問看護について効率よく知ることができるでしょう。
・タイトル:『現場で使える 訪問看護便利帖』
・出版元:翔泳社
・著者・編集:介護と医療研究会 著 河村雅明 著 山岡栄里 著
・価格:2,200円+消費税
2 基礎知識は備わっているレベルの人はこれがおすすめ『訪問看護実務相談Q&A 令和元年版』
訪問看護の基礎知識が備わっている方には困った時にピンポイントで回答を得られるQ&A形式の書籍がおすすめです。
■『訪問看護実務相談Q&A 令和4年版』
『訪問看護実務相談Q&A 令和4年版』は出版される時期は異なるものの毎年改訂されており、その年の最新情報が掲載されています。過去の報酬改定のポイントも収録されており、最新の情報だけでなく報酬改定の経緯などを学ぶことができるため、診療報酬や介護報酬についてより深く理解することができるでしょう。
また訪問看護の算定例や500項目以上にもおよぶQ&Aも掲載されているなど、より具体的で実践的な内容となっています。主に診療報酬や介護報酬の基礎知識をもっている方向けですが、訪問看護師として働き始めたばかりの方も所持しておいて損はない1冊といえるでしょう。
・出版元:中央法規出版
・著者・編集:一般社団法人全国訪問看護事業協会 著
・価格:3,600円+消費税
3 保険の基礎知識を学ぶなら『訪問看護師のための診療報酬&介護報酬のしくみと基本 2022(令和4)年度診療報酬:図解でスイスイわかる』
訪問看護師として働き始めたばかりという方や訪問看護に関する診療報酬や介護報酬について基本的な内容を知りたいという方におすすめなのが『訪問看護師のための診療報酬&介護報酬のしくみと基本2022(令和4)年度診療報酬:図解でスイスイわかる』という本です。
■『訪問看護師のための診療報酬&介護報酬のしくみと基本 2022(令和4)年度診療報酬:図解でスイスイわかる』
こちらの本では診療報酬や介護報酬に関する複雑なしくみや制度について、1つ1つわかりやすく図解しています。ページ構成は黒とマゼンタの2色刷りで視認性もよく、理解しておきたいポイントがしっかりまとまっているため、仕事の合間や自宅でも読みやすいでしょう。
最新版は2022年版となっていますが、診療報酬や介護報酬に関する大きな改定があればこちらの本も改訂されて出版されます。訪問看護師として働き始めたばかりの方だけでなく、長く訪問看護に従事している方でも改定部分を効率よく学ぶのに役立つでしょう。
・タイトル:『図解でスイスイわかる訪問看護師のための診療報酬&介護報酬のしくみと基本 2022(令和4)年度診療報酬・2021(令和3)年度介護報酬改定対応版』
・出版元:メディカ出版
・著者・編集:一般社団法人だんだん会理事長 宮崎和加子 編著/一般社団法人全国訪問看護事業協会技術参与 清崎由美子 編著
・価格:2,700円+消費税
日本看護協会によると、訪問看護ステーションにおけるレセプトの件数は年々増加しており、1事業所あたりのレセプトの件数も多くなってきています。特に小規模な訪問看護ステーションでは、訪問看護師がレセプト作成業務を行う機会も多いです。
訪問看護では医療保険が適用されるケースもあれば介護保険を利用するケースもあり、利用者さんの方に費用を請求する業務も煩雑になりがちです。これらの制度はレセプト作成業務を行う方は理解しておかなければならないものです。
また、訪問看護の場合、レセプト作成業務を行わない場合でも新規の利用者さんと契約を締結する役割を担っている場合など、利用者さんから費用について質問を受けることも少なくありません。レセプト作成業務を日常的に行わないという訪問看護師の方でも基本的な内容は抑えておくとよいでしょう。
4 開設から実践まで経営者・管理者向けの本でおすすめはこれ『訪問看護業務の手引』
このように訪問看護ステーションの開設を考えている方や実際に開業している方、現在訪問看護ステーションで働いていて管理者などさらに上のポジションを目指したい方に特におすすめなのが『訪問看護業務の手引』という本です。
訪問看護ステーションは看護師が常勤換算で2.5人以上集まれば独立開業できます。看護師が独立して経営者になるための主な方法といって差し支えないでしょう。
独立開業や管理者として看護技術以外のステーション運営を志す方の助けとなるのがこの本です。
■『訪問看護業務の手引』
『訪問看護業務の手引』は「社会保険研究所」から毎年6月に発行されている書籍です。介護保険や医療保険にもとづいた訪問看護業務について網羅しており「訪問看護ステーションの開設」「訪問看護業務の実施」「レセプトの作成」など訪問看護ステーションの運営・マネジメントに欠かせない内容を詳しく解説しています。
訪問看護に深く関係している制度にかかわる法律や通知の原文、様式なども掲載されており、訪問看護ステーションを経営する方や管理職を目指す方の必須の本といえます。訪問看護に関する幅広い内容が書かれているため、訪問看護に興味がある方や独立は考えていないという訪問看護師の方も持っておくと何かと勉強になるでしょう。
・タイトル:『訪問看護業務の手引』
・出版元:社会保険研究所
・価格:3,800円+消費税
5 行政への質問回答に備えて用意しておいたほうがよい本『介護報酬の解釈』
訪問看護師として働いていると福祉保健局などといった行政側の窓口とやり取りすることも少なくありません。行政側への質問をする際や行政側からの回答をもらう際には『介護報酬の解釈』があると便利です。
■『介護報酬の解釈3 QA・法令編』
『介護報酬の解釈』には青い表紙の『介護報酬の解釈1 単位数表編』、赤い表紙の『介護報酬の解釈2 指定基準編』、緑の表紙の『介護報酬の解釈3 QA・法令編』の3つがあります。行政側とのやり取りという点では『介護報酬の解釈3 QA・法令編』があれば十分でしょう。
訪問看護の内容については『訪問看護実務相談Q&A』と重複することも多く、訪問看護以外の介護サービスに関する記載も多いため、探しやすさという観点ではそれほどメリットを感じないかもしれません。
しかし、福祉保健局に問い合わせを行うと回答とともにその根拠として「『介護報酬の解釈3 QA・法令編』の何ページ」と教えてくれることもあるため、手元においておくと重宝します。訪問看護ステーションに1冊は欲しい本といえるでしょう。
・タイトル:『介護報酬の解釈3 QA・法令編』
・出版社:社会保険研究所
・価格:4,500円+消費税
6 まとめ:これらのおすすめ書籍で、訪問看護のエキスパートへの道を歩み始めよう!
訪問看護は比較的新しい形態の医療ケアということもあり、業務に関する基本的な内容から実践的な内容まで網羅された情報源が足りないと感じる方も多いでしょう。
「もっと訪問看護について知りたい」と考えている方はまず関連する本を読むことをおすすめします。書籍の場合、さまざまな情報が体系的にまとめられていたり図でわかりやすく解説されていたりと、忙しい業務の合間でも効率的に学ぶことができます。
今回ご紹介した本を参考に、訪問看護についてより一層理解を深めましょう!
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