看護の日はナイチンゲールの生誕であり、看護師の象徴となった理由

看護の日看護の日

看護の日はナイチンゲールの生誕であり、看護師の象徴となった理由

「看護の日」とは近代看護教育の母と呼ばれるフローレンス・ナイチンゲールの誕生日であるため、国際的にも制定された日にもなります。

日本での看護の日制定のきっかけは、市民および有識者による「看護の日の制定を願う会」の運動でした。その趣旨は「看護の心をみんなの心に」というものです。

21世紀の高齢社会を支えていくためには、看護の心、助け合いの心を老若男女問わず国民一人ひとりが分かち合うことが必要であると考え、そうした心を育むきっかけとなるようにと願うもので、看護の日の根底にある考え方となっています。

ナイチンゲールは2年半しか看護現場に従事をしていませんが、戦死者・疾病者に関する膨大なデータを分析しました。彼らの多くが戦闘で受けた傷そのものではなく、傷を負った後の治療や病院の衛生状態が十分ではないことが原因で死亡したことを明らかにしました。その結果を各国でバラバラにならないように統計データにまとめたことで、医療業界に及ぼした影響も大きいため、世界各国で看護師の象徴として崇められています。この記事を読めば、ナイチンゲールの誕生日をなぜ看護の日と制定され各地でイベントが行われているかがわかります。

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1 5月12日「看護の日」はナイチンゲールの誕生日

フローレンス・ナイチンゲールの誕生日が5月12日であり、国際看護師協会により1965年に「国際看護師の日(International Nurses Day)」と定められています。日本国内では1990年に旧厚生省により「看護の日」として制定されました。

21世紀の高齢化社会を支えていくためには、看護の心、ケアの心、助け合いの心を、私たち一人一人が分かち合うことが必要です。こうした心を、老若男女を問わずだれもが育むきっかけとなるよう、「看護の日」が制定されました。

2020年は、ナイチンゲール生誕200年の日であり、「看護の日」として日本で制定されてちょうど30周年の年でした。日本看護協会でポスターやチラシの販売を行ったり、各都道府県の看護協会では様々なイベントが企画されました。


2 ナイチンゲールは世界中で看護師の象徴

クリミア戦争下の野戦病院などの過酷な状況で、看護師として献身的に負傷した兵士の看護にあたった彼女の功績は、世界中に広く知れ渡りました。日本でも子供時代に誰でも、授業や伝記などで彼女に触れ、現代の看護師の礎を築いた偉大な人物というイメージで、私自身も看護師=ナイチンゲールをイメージします。しかし実際、世界中で看護師の象徴となる彼女は意外にも現場ではなく、統計学で多くの命を救っていたのです。

2-1 看護師のキャリアはたった2年半

ナイチンゲールは、イギリス・フランス・トルコを中心とする同盟軍とロシアが戦ったクリミア戦争に派遣されると「白衣の天使」として活躍します。実は看護師として従事した期間はたった2年半の期間になります。その間にイギリス軍の戦死者・疾病者に関する膨大なデータを分析し、彼らの多くが戦闘で受けた傷そのものではなく、傷を負った後の治療や病院の衛生状態が十分ではないことが原因で死亡したことを明らかにしました。

2-2 統計データをプレゼン

「近代看護教育の生みの親」と呼ばれるナイチンゲールは看護師としての活躍ではなく、自身の経験を元に統計データをなじみの薄い国会議員や役人にわかりやすく説明したことが画期的でした。「極地グラフ」あるいは「ナイチンゲールのパラグラフ」と呼ばれる円グラフを、統一的な病院統計のためのモデル形式として用いました。

2-3 ナイチンゲールは統計学の先駆者

ナイチンゲールは、統計の取り方がバラバラであっては、有効な比較分析に支障をきたし、医療技術の向上にも繋がらないと考えました。その提案は国を跨いでの統計調査の形式や集計方法を標準化する結果を生みました。このような活躍によって、ナイチンゲールは1859年に女性として初めて王位統計協会の女性会員に選ばれ、その16年後には米国統計学会の名誉会員にもなっています。


3 看護週間は5月12日を含む週の日曜日から土曜日

2020年の「看護週間」は5月10日(日)から5月16日(土)になります。メインテーマは「看護の心をみんなの心に」です。

  • 1日まちの保健室
  • ふれあい看護体験

上記のイベントが全国各地で行われています。

3⁻1 健康チェックができる「まちの保健室」

都道府県看護協会や商業施設の一角で健康チェックや血管年齢測定、がんの相談などを行えます。例えば兵庫県であれば兵庫県看護協会内で実施される予定です。<参考:公益社団法人「兵庫県看護協会」看護の日週間イベント・看護フェア>

都道府県によって開催場所は違いますので、「まちの保健室」スペース「都道府県」「市区町村」で検索を是非してみて下さい!

3⁻2 看護の仕事を知れる「ふれあい看護体験」

医療福祉施設が地域住民に門出を開き、施設見学や看護体験、関係者との交流が行えるのが「ふれあい看護体験」となります。病院や施設、訪問看護ステーションがそれぞれにユニークな企画を考えて実施しています。市民が保険福祉医療に関して知るきっかけになったり、従事者が地域とのコミュニケーションを図る貴重な場になります。

参加者は中学生、高校生などの学生が多くなりますが、主婦や会社員、定年後の方などの参加もあります。基本事前申請になります。日本看護協会のホームページにまとめがありますので、是非参考にしてみて下さい。<引用:公益社団法人「日本看護協会」ふれあい看護体験>


4 まとめ

看護の日は看護師の礎を築いてくれた、ナイチンゲールの生誕の日であり、世界的にも重要な日になります。多くの方がその意味を知り、考える習慣となります。現在世界的にコロナウィルスの影響により、自粛ムードとなっております。イベントは中止や延期の場所が多いですが、この機会に今一度看護の在り方を考える機会になれば幸いです。

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