新人看護師は【ブラック病院】に要注意!今すぐ逃げるべき理由
「新人看護師として就職した病院がヤバすぎる…」
「こんなにブラックな病院と思わなかった…今すぐ辞めたい!」
。。。こんな辛い思いをしていませんか?
新卒看護師では病院の実情が分からず、あまり深く考えずに就職してまうことが多いです。
しかし、いざ働いてみると実は看護師が働きにくい「ブラック病院」だった、なんてこともあります。とくに新しい仕事に就いて覚えることも多く、人間関係にも悩みがちな新人看護師は無理をしてブラック病院で働き続けているといずれ心身の不調をきたします。
うつ病になって退職せざるをえない辛い結末を避けるには、はじめからブラック病院に就職や転職をしないことが大切です。
ただし、ブラック病院と一言でいってもその実情は様々で、ブラック病院の見分け方が分からない人もいますよね。そこで今回はブラック病院の特徴や見極め方など説明していきます。
1 要注意!ブラック病院の特徴とは
はじめにブラック病院の全体的な特徴を見てみましょう。
1-1 待遇面:給料や福利厚生など悪条件が揃っている
ブラック病院の待遇面の特徴はやはり給与の安さや不安定さ、各種手当てが無い、もしくは手当の支給が少ないなどが目立ちます。さらに休日が取りにくい、サービス残業が当たり前で、残業代の申請もしにくい状況がよく見られます。
また経営側の人材を大切にする意識が低いため福利厚生も充実していないところも多いです。
全体的に看護師に対する待遇が悪く、いくら働いても一向に給与も待遇も改善されないため、看護師は徐々に疲弊して辞めていくケースが後を断ちません。
1-2 人間関係:多忙で人を気遣う余裕がない
病院・病棟内の人間関係が悪い傾向が強いのもブラック病院に見られる特徴です。
一般的に看護師の仕事は忙しく、普通の病院で働いていてもきつく感じることも多々あります。そんな看護師の働く状況に加えて待遇面も悪く、病院から人材として大切に扱われていないと感じれば、いくら看護に情熱を持っていても次第に心がギスギスして対人関係が悪くなっていくのは当然です。
さらに職場で弱い立場にある新人看護師に辛く当たる上司や先輩も多く、新人や経験年数の浅い看護師がいつも萎縮しながら働いている様子もブラック病院でよく見られる光景といえます。
2 今の職場は大丈夫?ブラック病院の見極め方
ブラック病院の特徴を知ると気になるのが、今勤務している病院がブラック病院かどうかということです。そこで、ブラック病院の特徴を解説していきます。
2-1 明らかに高圧的で威圧的な上司や先輩がいる
高圧的で威圧的な上司や先輩には看護部長、看護師長、看護リーダー、プリセプターなどが当てはまります。看護観が偏っている、人の好き嫌いが激しい、理不尽な指導が日常的にあるといった特徴も見られます。
しかし、今あなたは環境に慣れてしまい、上司や先輩が他と比べて高圧的と言えるのかどうか判断が難しいかもしれません。そんな場合は、下記列挙した項目に該当があれば高圧的または威圧的な上司だと判断して差支えないでしょう。
- 仕事内容ではなく、自分の個人的な怒りをぶつけてくる
- 自分に非があっても謝らない
- 間違っていても周りが誰も指摘しない
2-2 入職前後で勤務条件が明らかに異なる
入職前に見た求人票や面接で確認した勤務条件と現状があまりに違うこともブラック病院によくありがちです。
特に下記列挙する項目に当てはまるものがあれば、ブラック病院に勤務していると思って差支えないでしょう。
・月45時間以上勤務が年3回以上ある(残業時間が多い)*1
(時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間で月45時間を超えられるのは年6ヶ月までです)
・勤務体制が4週7休制で祝日休みなし、長期連休も取れない
・夜勤回数や日数が多い(2交替制5回以上、3交替制8日以上)*2
(2019年度夜勤実態調査では2交代制平均夜勤回数は4.09回、3交代制は7.64日です)
・年次有給休暇が取りにくい*3
(年10日以上の有給休暇がある場合、年5日は取得する義務があります)
・患者さんや地元住民からの評価や口コミが異様に低い
2-3 サービス残業が毎月20時間を超える
サービス残業が当たり前なのも当然ブラックです。
下記に挙げるような雰囲気がある場合も同じです。
- 残業申請がしづらく残業手当も一部出ないことがある
- サービス残業が当たり前な職場の雰囲気がある
特にここに挙げた残業時間や休暇の取得義務に関する項目は労働基準法に違反するレベルです。1つでも当てはまればブラック病院の可能性が高く、今後も同じ病院で働き続けるかどうか見直すことをおすすめします。
・入職前後で勤務条件が明らかに異なる
・サービス残業が毎月20時間を超える不安に思われる方は、まず上記に該当するかを見直してみましょう。
3 ブラック病院を今すぐ辞めるべき4つの理由
ブラック病院だとわかったら、なるべく早く辞めることをおすすめします。その理由を挙げていきます。
3-1 理由1:勉強時間が確保できずスキルアップが遅れる
ブラック病院では勤務時間が長い傾向があり、仕事以外のプライベート時間が十分確保できません。
スキルアップのための研修会や学会参加、認定や専門看護師の資格取得時間も取れずに自己成長が遅れる可能性があります。
3-2 理由2:患者さんよりも上司や先輩、同僚に気を遣い看護観に悪影響を及ぼす
ブラック化している上司や先輩、同僚に必要以上に気を遣ってしまい、意識を集中すべき患者さんへのケアが後回しになります。
これが習慣化するとこれまで築いてきた本来持つべき看護観にも悪影響を及ぼしかねません。
3-3 理由3:知らぬ間に自分がブラック看護師になっていく
「郷に入らば郷に従え」でブラック病院で働くうちに職場に慣れてしまい、周りの上司や先輩、同僚の悪い態度や看護観に影響されいつの間にか自分がブラック看護師になることもあります。
一度身についたブラック看護師の立ち振る舞いは簡単に修正できない可能性もあります。
3-4 理由4:病院業績が悪くなり将来の給与が下がる可能性がある
人材を大切にしないブラック病院は退職率も高く常に人員不足のところが多いです。そのため、休みも十分取れず仕事もハードで次第に職員の心の余裕もなくなります。すると医療や看護の質も下がり、患者さんからの病院評価も落ちて患者数が減り、経営難に陥ることも少なくありません。
病院業績が下がれば必然的に給与も下がる可能性があります。
ブラック病院を今すぐやめるべき理由は以下の4つ
・勉強時間が確保できずスキルアップが遅れる
・患者さんよりも上司や先輩、同僚に気を遣い看護観に悪影響を及ぼす
・知らぬ間に自分がブラック看護師になっていく
・病院業績が悪くなり将来の給与が下がる可能性がある
理想の看護師を目指すためにも、すぐにやめるべきでしょう。
4 ブラック病院を見極めるために就職・転職前にすべき5つのこと
ブラック病院と知らずに就職・転職して後悔しないためにも、入職前にブラック病院であるかどうかを見極めることが大切です。見極めるポイントを説明していきます。
4-1 求人票の内容や出方を把握する
病院を探す時に求人票の内容や出方を以下の点に注意して隅々までチェックしてください。
求人票の内容や出し方に関するチェック項目
□ 看護師募集の求人が常時出ている
□ 色々な求人情報誌にやたらと求人を出している
□ 看護師の募集人数が病院ベッド数に比べて極端に多い
※上記3つは退職率がとても高い(=ブラック病院)可能性があります。
□ 給与や賞与の詳しい記載がない
□ 明らかに休日が少ない
□ 残業や夜勤手当などに関する記載が曖昧、またはない
※上記3つは入職前後で勤務条件が異なる(=ブラック病院)可能性があります。
□ 「楽しくて働きやすい職場」などポジティブな言葉が多用されている
※ポジティブな面しかない病院はありません。ネガティブな面をとにかく避ける(=ネガティブな面が多い)可能性があります。
これらの項目1つ1つはブラック病院とは言えない側面もあります。
複数項目に当てはまる場合、目安としては当てはまることが3つ以上あれば「もしかしたらブラック病院かも?」と疑ってもいいかもしれません。
4-2 職場見学で雰囲気や看護師の様子をチェックする
面接前には必ず日中に職場を見学して雰囲気や働く看護師の様子をチェックしましょう。以下の視点で見るとブラック病院かを見極める手助けになります。
職場見学でのチェック項目【看護師編】
□ 看護師や関連スタッフが生き生きと働いているか
※働きやすい、働き甲斐のある職場であれば、明るい表情や笑い声など、生き生きとした雰囲気を感じられます。
□ 医師や看護師の患者さんへの対応が丁寧か
□ 看護師の身だしなみが清潔で整っているか
□ 病院見学者に対してスタッフが挨拶してくれるか
※上記3つは、心と時間に余裕をもって仕事に従事できているか、教育・指導は行き届いているかの判断基準になります。
□ 看護師の年齢層が偏っていないか
□ 案内する看護師の態度が好意的で適切か
□ 医師や看護師による誰かを叱責する声が聞こえてこないか
□ 新人や若い看護師が萎縮して働いていないか
□ 電話連絡の対応が横柄でないか
※上記5つは、高圧的または威圧的な上司・先輩が多い可能性が高い項目です。
職場見学でのチェック項目【環境編】
□ 病棟や外来の掃除が行き届いているか
□ ナースステーション内や倉庫などが整理整頓されているか
□ スタッフ用の喫煙場所がいくつも設置されていないか
□ 病棟や外来施設が老朽化し過ぎてないか
基本的には以上のようなポイントで職場をチェックし、看護師や医師の印象や職場に流れる雰囲気をネガティブに感じるかどうかなど、自身が感じる素直な直感を大切にするとよいでしょう。
4-3 面接官の話す内容や態度を観察する
面接では面接官の話す内容や態度もブラック病院かどうかを見極める判断材料になります。例えば以下の項目が見られれば、たとえ面接で合格しても就職辞退を考慮すべきです。
面接でのチェック項目
□ 面接官の態度が露骨に横柄で威圧的である
□ 面接官が極端に馴れ馴れしい
□ すぐにでも働いてほしいと迫ってくる
※上記2つは、上司・先輩が高圧的または威圧的である職場の可能性が高いです。
□ 病院や職場の良い面を聞いてもいないのにやたらと話す
□ 「良い職場」「楽しい職場」「辞める人は少ない」などポジティブ面を強調する
□ 残業は一切ないと言い切る
※上記3つはたくさんのネガティブ面が裏に控えている可能性が高いです。
面接官の話す内容や態度を見れば、人員不足で看護師が足りずに今すぐにでも人材を確保したい状況なのかなど推測できます。
4-4 勤務している看護師や関係者から病院の内情を聞いてみる
実際に病院で働いている看護師やその知人、他職種の関係者から直接病院の情報を聞いてみるのもおすすめです。
もちろん職員や患者さんに関わる個人情報などを聞き出すのはNGですが、看護師業務がハード過ぎていないか、どんなシフト体制か、残業はあるか、休日は取りやすいかなど求人票に書かれていることと現状がかけ離れ過ぎていないか確認して下さい。
今ではインターネット上でも看護師が書いた病院の口コミも多く掲載されているので、それらを参考にするのもよいでしょう。
4-5 患者さんや地元住民からの口コミ評価をチェックする
患者さんや地元住民からの評価が極端に悪ければ、医療や看護の質が低い可能性が高くブラック病院である確率も高くなります。
病院内部者とは違う、外部者である患者さんや地元住民の口コミ評価はときに病院の内情を良く反映し的を射ていることも多いです。
インターネットでよく見る病院口コミサイトなどに対象の病院が掲載されていれば、その内容をチェックしてみると病院や病棟の雰囲気、医療の質、患者さんへの対応の良し悪しなどが分かるはずです。
・求人票の内容や出方を把握する
・職場見学で雰囲気や看護師の様子をチェックする
・面接官の話す内容や態度を観察する
・勤務している看護師や関係者から病院の内情を聞いてみる
・患者さんや地元住民からの口コミ評価をチェックする
一度入ってしまうと、なかなか辞められないこともあります。失敗しないためにも、上記は時間をかけてでも必ず確認していきましょう!!
5 まとめ
新人看護師の場合は臨床経験がほとんどないため、新卒入職でブラック病院かどうかを見極めるのは正直難しいです。ただし実習先の病院として関わったことがあれば、何となく病院や看護師の雰囲気も把握でき、それが就職するときの判断材料になります。
病院という一般企業とは違う特殊な職場であるからこそ、閉鎖的であり長年の時間を経てブラック病院が形成されているケースも少なくありません。
一度ブラック病院に就職してしまうと長時間労働や嫌な人間関係で無駄に心身を消耗させてしまい、ストレスから最悪うつ病になって転職せざるをえない状況に至ることも多いです。看護師としてキャリアを築き始める大切な新人看護師時代を有意義なものにするためにも、ブラック病院を避けて入職することが何より重要だといえるでしょう。
今回紹介したブラック病院の特徴や見極め方を参考に、たとえ新卒入職であっても周りの同期に流されず自分に合った働きやすい病院を根気よく探すことをおすすめします。
<参考文献>
*1 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
(https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf)
*2 日本医療労働組合連合会「2019年夜勤実態調査〜報告集〜」医療労働 (11),No.628,2019
(http://irouren.or.jp/news/fde432d9881abcb2a76c0b12bc0a35f54c6c8604.pdf)
*3 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」(https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf)
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