整形外科の看護師の仕事とは?転職前に知るべき整形外科看護師の全て
診療科の中でも、整形外科は馴染みのある診療科の一つかもしれません。
実際に、「整形外科」と聞くと骨折治療をイメージする人が多いかもしれませんが、それ以外にもさまざまな疾患や部位が治療の対象になります。具体的には、骨・関節などの骨格系から、筋肉や神経系からなる「運動器」に対する治療をメインに行います。
馴染みがある一方、看護師として整形外科病棟で働くことを想像した時に、意外にも具体的な仕事内容などはイメージできない人が多いのではないでしょうか?
整形外科に転職・就職を考えている看護師にとっては、まずは整形外科看護師の仕事内容や、やりがい、悩み、自分が向いているのどうかなど色々と知りたいところだと思います。
一口に整形外科看護師といっても、働く場所が大きく2つに別れます。一つは、総合病院などでの病棟勤務、もう一つはクリニックなどでの外来勤務です。外来勤務については、整形外科看護師として処置内容以外は、働き方やその他の仕事内容が一般的な外来看護師と同じです。(参考記事:病棟勤務と何が違う?外来看護師の仕事内容・悩みなど徹底紹介)
そのため、本稿では、主に病棟勤務での整形外科看護師の仕事内容や役割、やりがい、悩みなどについて解説していきます。本稿を全て読めば、整形外科看護師として転職・就職すべきか判断できるようになるかと思います。
目次
1 整形外科看護師の仕事内容・役割
まずは整形外科看護師の仕事内容や役割が知りたいところだと思います。
整形外科の対象とする年齢層は、全体的には高齢者の割合が高いものの、他の内科疾患とは違い、比較的若年層の入院もあります。内科疾患は若い世代はほとんどならない一方で、整形外科が対応する交通事故などでの外傷は全世代共通に起こるためです。スポーツ整形を行っている病院であれば、学生の入院もあります。
そのため、比較的幅広い年代の方と接することが多いでしょう。
整形外科看護師の仕事内容・役割は以下の5つです。
- 患者さんのケアや処置
- 日常生活動作改善のための病棟リハビリや転倒予防
- 患者さんの疼痛管理サポート
- 予定入院・検査入院・緊急入院の対応
- オペ出し・オペ迎え
それでは紹介していきます。
1-1 患者さんのケアや処置
患者さんのケアや処置が仕事内容の一つに挙げられます。
他の科でも行う、着替えの介助や清拭、食事介助といった日常生活部分での介助は、整形外科看護師も同じように実施しますが、それ以外で整形外科看護師特有の看護ケアの一つが、シーネ固定、包帯固定です。
シーネや包帯の交換の際は、創部が炎症を起こしていないか、などを観察し清潔ケアを行います。特に、創部周辺の皮膚は褥瘡の発生リスクが高いため、皮膚状態の観察は特に重要です。
弾性ストッキングの着用や、コルセットなどの装具着用など、その他にも整形外科疾患に合わせての看護ケアが存在します。
1-2 日常生活動作改善のための病棟リハビリ
日常生活動作改善(以下ADL)のための病棟リハビリも整形外科看護師の役割の一つです。
リハビリは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職が中心に行いますが、整形外科看護師もリハビリに参加することで患者さんの回復が促進されます。
整形外科看護師が主に関わるのはご高齢の患者さんの廃用症候群に対する病棟リハビリです。例えば、寝たきりを予防するために、離床を促したり、歩行介助でトイレ誘導したりなど、日常生活の介助を通して体を動かしてもらいます。リハビリ専門職のように、例えば、ベッド上での関節可動域練習や筋力強化練習などは行いません。
ご高齢者の場合は、術後せん妄といった認知機能低下の合併症が発生するリスクもあり、認知機能低下予防のために、早期離床や病棟での関わりが非常に重要です。
早期離床を図るためになるべくトイレで排泄することや、リハビリの進捗具合を確認しながら歩行介助で移動してもらうなどの工夫が必要です。そのため、リハビリ専門職とは今どんなリハビリをやっていて、どこまでADLが改善しているのかなど、密にコミュニケーションをとっていく必要があります。
とは言っても、看護師がどうリハビリに関わったら良いかはまだイメージがつかないかもしれません。具体的に知りたい方は下記記事を参考にして頂ければより理解が進むと思います。
参考記事:看護師がリハビリに関与する範囲と臨床に活かすための3つのアプローチ
1-3 患者さんの疼痛管理サポート
整形外科の患者さんで必ず問題となってくるのが、術前・術後の疼痛。この疼痛管理のサポートをしていくのが整形外科看護師の大事な役割の一つです。
鎮痛薬の処方は医師が行いますが、医師はより多くの患者さんに関わったり、多くの手術をこなすため、患者さん一人一人の疼痛状況を細かく把握はできません。また、患者さん自身が痛みに関して上手く医師に伝えきれないことも多いです。
整形外科看護師は、痛みの状態をまめにアセスメントをして、処方されている鎮痛薬で十分なのかどうか、病棟生活に支障がないかを確認して、必要に応じて医師に相談します。また、状況に応じて処方されている頓用薬を使うタイミングを調整します。特に痛みが原因でリハビリが進まないケースも少なくないため、リハビリの開始前に鎮痛薬を内服することも多々あります。
また、疼痛の緩和は、薬だけではなく他の方法でも可能です。体位交換やクッションの利用で痛みが緩和されたりする場合もあるため、そういった気配りも大事です。
他にも、炎症箇所のクーリングを実施する、精神的な不安が強い方には話を傾聴したりして安心感を与える、などでも疼痛緩和は図れたりしますので、整形外科看護師としてやれることはたくさんあると思った方が良いでしょう。
1-4 予定入院・検査入院・緊急入院の対応
予定入院や検査入院、また病院によっては緊急入院の対応などが整形外科看護師の役割です。
整形外科病棟は、その多くが急性期病院のため、入退院のサイクルが速いのが特徴の一つです。
病院としては、とにかく手術件数が多い方が収益が良いため、在院日数短縮はどこの急性期病院も取り組んでいます。入院から退院までのサイクルは、速いところだと平均2週間程度で行われる病院もあるため、入院の患者さんの受け入れなどは、めまぐるしく行われます。
救急病院の整形外科病棟では、緊急入院も多くあるため、突発的な仕事に柔軟かつテキパキと仕事がこなせる能力が必要です。
1-5 オペ出し・オペ迎え
オペ出し・オペ迎えは整形外科看護師の大事な役割の一つです。
整形外科のオペ出し・オペ迎えは、外傷を伴うため装具や必要器具が多いのが特徴です。オペ迎えのためのベッド周りの必要物品を揃えるのも意外と時間がかかります。
オペ後は、合併症予防のために、しっかりと病状確認をする必要があります。合併症としては、せん妄や感染症、深部静脈血栓症などが挙げられ、整形外科看護師はこういった症状がないか、常に観察が求められます。
1つ目は転倒や交通外傷などによる骨折での入院、2つ目は関節の摩耗などによる変性疾患に対する予定手術での入院です。
<骨折の場合>
・脊椎圧迫骨折・・・背骨の骨折。コルセットをつけて保存療法。
・橈骨遠位端骨折・・・手首の骨折。転倒で手をついた時に受傷することが多い
・大腿骨頚部骨折・・・股関節の骨折。ご高齢に多くADLが著しく低下する。
<予定手術の場合>
・変形性膝関節症・・・中高年の女性に多い。人口の膝関節を入れます。
・変形性股関節症・・・中高年の女性に多い。人工の股関節を入れます。
他にも多くの疾患がありますし、勤める病院によっても違う部分がありますが、一般的な整形外科病棟で考えると上記疾患の患者さんを見るケースが多いと言えるでしょう。
2 整形外科看護師の勤務形態と1日のスケジュール
整形外科看護師の勤務形態や1日のスケジュールを知ることで、より一層働いた時のイメージができるようになると思います。
ここでは勤務形態と1日のスケジュールを紹介します。
2-1 夜勤ありのシフト制
整形外科病棟勤務の場合、基本的に夜勤ありのシフト制になります。
シフト制については、二交代もしくは三交代で日勤も夜勤もあります。二交代か三交代で働き方は違うため、気になる方は下記記事を参考にして頂けたらと思います。
参考記事:【二交代制>三交代制】あなたに合った働き方が見つかるチェックリスト付き
夜勤については、急変する患者さんがあまりいないので、夜勤帯で命に関わるような精神的なプレッシャーはありません。その点では、他の内科病棟の方が比較的大変だと思います。
また、救急の受け入れがない病院では、ほとんど予定入院での手術になります。より状態的に安定した患者さんの入院になりますので、平穏な夜勤が多くなります。
一方で、救急病院の整形外科病棟では、交通事故などで夜間に緊急手術がある場合もあり、緊急患者さんの受け入れなどで大変な時もあります。患者さんの層でご高齢者の割合が多い場合は、夜間せん妄などの症状を呈するケースもありますので、夜勤については勤める病院の特性で異なってくると考えておいた方が良いでしょう。
2-2 1日のスケジュール
1日の仕事の流れを知ることは大事です。整形外科看護師の日勤帯ののスケジュール例を以下に示します。
整形外科は内科病棟よりも重症患者や急変する患者の扱いが少ないことから、容体急変による残業が発生することはほとんどありません。
救急の受け入れがない病院では、手術はほとんど予定入院で実施されるので、予定外のことが起きづらいため、残業もほとんどなく落ち着いて仕事ができます。
一方で、救急病院の整形外科は、交通事故などで救急搬送された患者さんを受け入れるため、緊急手術が多くあります。緊急手術やベッドの受け入れなどがあり、他の病棟と同じで急な残業が発生することもあります。
2-1の夜勤帯のことも含めて、急な対応や残業などはあまりしたくないようば方は救急病院の整形外科は避けた方が良いかもしれません。
3 整形外科看護師のやりがい5選
整形外科看護師のやりがいを知ることで、より一層チャレンジしたいという気持ちも湧いてくると思います。
整形外科看護師のやりがいは以下の5つです。
- 患者さんの回復していく姿を見れる
- 大多数の患者さんが回復していく
- 他職種と連携してチームで患者さんを治す喜び
- 患者さんとコミュニケーションを通して深い関係性が作れる
- 幅広い年齢層の患者さんと関われる
それでは紹介していきます。
3-1 患者さんの回復していく姿を見れる
患者さんが怪我から回復してできることが増えていく姿を見ることは大きなやりがいの一つです。
整形外科看護師は術前の最も患者さんが大変な時期から、術後のケア、そしてリハビリと、退院、もしくはリハビリ病院への転院まで関わる中で、患者さんの大きな変化を最も近くで見ることができます。
内科と違って整形外科は比較的回復が早い患者さんが多く、しかも回復度合いが日に日にわかるので患者さんとともに喜びを分かち合えるでしょう。
自分のケアを通じて回復していくのがダイレクトに感じることができ、仕事する上でのモチベーションの一つになります。
3-2 大多数の患者さんが回復していく
整形外科の特徴として、他の科と比較して生命にかかわる事態に立ち会う機会が少なく、大多数の患者さんが基本的には改善していくため、やりがいに繋がります。
科によっては、病気は治るものの、ADLが下がってしまう高齢患者や、重症度によっては亡くなるケースもあります。整形外科ではそのように患者さんが亡くなるケースはほとんどありません。
整形外科の看護師はそういった辛い場面ではなく、患者さんが笑顔になっていく場面が多いため、精神的な辛さやプレッシャーが他の科よりは少ないとも言えます。
3-3 他職種と連携してチームで患者さんを治す喜び
他職種と連携してチームで患者さんを治す喜びが整形外科看護師のやりがいの一つです。
他の科でも、他職種と連携してのチーム医療を実践することは一般的ですが、整形外科では、主治医・PT・OT・ST、技師装具士、栄養士、放射線技師、ソーシャルワーカーなど他職種と連携して仕事をする機会が多くなります。
他職種の視点からの意見も、看護師だけでは気づかない部分もあるため、より患者さんのためになっていることや、看護師自身のスキルアップにも繋がります。
3-4 患者さんとコミュニケーションを通して深い関係性が作れる
整形外科ではリハビリなども行うため、同じ患者さんと長期間にわたってコミュニケーションをとる機会が多いことも特徴です。
コミュニケーションがしっかり取れる患者さんが多いため、患者さんとの会話が楽しい!!! なんていう方もいらっしゃいます。
私の知り合いの看護師も整形外科病棟で勤めてた時に、大学生の患者さんと親密になりすぎて、最終的に結婚されたそうです。これは、ちょっと親密になりすぎた例でしたが、整形外科自体は、患者さんとしっかり関係性を作ってケアをしていきたい方にとってはすごくやりがいに感じられるでしょう。
3-5 幅広い年齢層の患者さんと関われる
幅広い年齢層の患者さんと関われるのは整形外科看護師の魅力の一つです。
他の科ではご高齢者が多かったりなど、特定の年齢層の方が多いですが、整形外科の対象とする患者さん層は、学生から、働き世代、ご高齢者と様々な年代の方です。
その分、様々な話を聞く機会もあったり、看護師としてのコミュニケーションスキルも磨く機会になるでしょう。
4 整形外科看護師になる前に知っておきたいこと
3章では整形外科看護師のやりがいを紹介しましたが、実際に働いた場合にはポジティブなことばかりではありません。
他の科にはない整形外科看護師特有の悩みも存在しますので、就職・転職を考える前に知っておいた方が良いでしょう。
- 患者さんの介助で体力を使う
- 内科に関する知識が身に付きづらい
- 急変時の対応に対してあまり自信が持てない
- 常に時間に追われる大変さがある
それでは解説していきます。
4-1 患者さんの介助で体力を使う
整形外科看護師は患者さんの介助でかなり体力を使うことが多いです。
患者さんは、手術後は著しくADLが低下してしまいます。日に日に改善はしていくものの、最初は痛みや機能低下により、当然できないことが多く、介助量も多くなります。
また、骨折の手術の後は、治療経過に合わせて、どれ位動かしていいのか、またどれ位荷重をしていいのかが医師の指示で決まってきます。
例えば、右足の手術の場合は全く荷重してはいけない完全免荷や、骨盤の骨折であればギャッジアップ45°まで、などなど、怪我や手術の状態によってに決められています。
患者さんにとっては制限が多くなるために、ご自身で動けないケースが多く、必然的に介助量が多くなります。
あなたも、片足で移動して下さいと言われて100%安全に移動できる自信はないかと思います。
介助で一番多いのがトイレ介助です。日中は、トイレ介助のナースコールが多いため大変です。
身体介助が多くなる関係で、腰痛を患う看護師もいますので、体力面や腰痛などの健康面で不安がない方のほうが良いでしょう。
4-2 内科に関する知識が身に付きづらい
内科に関する知識が身に付きづらいことは整形外科看護師の悩みの一つかもしれません。
整形外科病棟では、内科的な処置や、点滴、注射などは少なく、内科疾患へアセスメントや対応に苦手意識を持っている整形外科看護師は少なくありません。
整形外科看護師として極めたいという方にとっては不要な悩みかもしれませんが、ある程度の内科疾患にも適切な看護を提供できるようになりたいと思っている看護師にとっては、整形外科病棟で長くキャリアを積むことは悩みになってしまうかもしれません。
一方で、当たり前ですが、骨格系の解剖生理や急性期から回復期までの管理に関しては、内科病棟の看護師は身につけることはできません。整形外科看護師には整形外科看護師としての強みがあることは自信を持って良いかもしれません。
4-3 急変時の対応に対してあまり自信が持てない
急変時の対応に対してあまり自信が持てないのも悩みの一つ。
整形外科の特徴として、整形外科は内科病棟よりも重症患者や急変する患者さんの扱いが少ないことを挙げて、その分落ち着いて仕事ができることを紹介していましたが、一方で、そういった経験がないことを不安に思う看護師も少なくありません。
実際に、急変対応はやはり数をこなせるかどうかで、落ち着いてその場の適切な対応ができるかが違ってきます。整形外科看護師として働いた場合、こういった場数をあまり踏むことがなく、看護師として経験年数を重ねていくことになります。
何かあった時に、最初に頼りにされるのは身近にいる看護師だからこそ、看護師の専門職として急変対応スキルを持っていないことをネガティブに感じてしまうのでしょう。
急変時の対応もできる整形外科看護師を目指す場合は、以下の二つがおすすめです。
一つ目は、より重症患者を受け持つ救急病院の整形外科病棟で勤めることです。一般の病院と比較して急変に関わるケースも出てきます。
二つ目は、最初は内科系病棟での経験を積んでから、異動や転職で整形外科看護師を目指すことです。こちらは、整形外科看護師には遠回りのように感じるかもしれませんが、整形外科病棟では内科疾患に強い看護師は多くはないため、しっかりとした内科疾患の知識がある看護師は重宝されます。
4-4 常に時間に追われる大変さがある
整形外科看護師は、やらなければならない仕事が多く常に時間に追われるような大変さがあります。
入退院のサイクルが早いこと、オペ出し・オペ迎え、その合間に入院・退院オリエンテーションや入院時アナムネ聴取、病棟説明などの業務をこなさなければなりません。
他にも、点滴の交換やリハビリテーションに加え、各種検査の時間を考慮して動いていかないといけません。
4-1でもトイレ介助のナースコールが多いことを紹介しましたが、そういった患者さんの対応も重なるとより一層忙しく感じるかと思います。
5 整形外科看護師に向いている人の4つの特徴
ここでは整形外科看護師に向いている人の特徴を紹介します。
整形外科看護師に向いている人の特徴は以下の4つです。
- コミュニケーション能力がある方
- フットワークが軽くテキパキと仕事ができる方
- 力仕事ができる・体力がある方
- 他職種と協調性を持って仕事ができる方
それでは解説していきます。
5-1 コミュニケーション能力がある方
整形外科看護師には、幅広い世代の患者さんとしっかりコミュニケーションが取れる能力が必要です。
4-1でも述べましたが、整形外科の場合は、治療経過に合わせて、どれ位動かしていいのか、またどれ位荷重をしていいのかが医師の指示が決まってきます。その医師指示が守れないと治療が上手くいきません。しかしながら、必ずしも全ての患者さんが理解して守れるとは限りません。
その患者さんに合わせて理解、納得していただけるような説明力が必要です。
また、整形外科疾患は基本的に痛みを伴います。リハビリも痛みを抱えながら行うケースが多く、時にはリハビリを拒否してしまう患者さんもいます。
そんな患者さんを励まして説得できるような力も整形外科看護師には必要になってきます。
5-2 フットワークが軽くテキパキと仕事ができる方
フットワークが軽くテキパキと仕事ができる方が向いています。
整形外科病棟は、入退院のサイクルも早く、数多くの手術があるため、その仕事の量からも優先順位を考えつつ迅速に対処する能力が必要です。
5-3 力仕事ができる・体力がある方
整形外科看護師の業務は力仕事を伴うことがとても多いので体力を要します。
特に患者さんの身体介助をする機会が多いため、体力に自信がある方が良いでしょう。
一方で、今は自信がない方は、最初は大変な思いをするかもしれませんが、仕事をしていくうちに体力はつくもの。特にひどい腰痛や怪我持ちでできない、そんな場合を除いては、ほとんどの場合で慣れてくることかと思います。
5-4 他職種と協調性を持って仕事ができる方
他職種と協調性を持って仕事ができる方が向いています。
3-3でも紹介しましたが、整形外科では、主治医・PT・OT・ST、技師装具士、栄養士、放射線技師、ソーシャルワーカーなど他職種と連携して仕事をする機会が多くなります。
積極的に、他職種とコミュニケーションをとっていくことが、患者さんの回復のためにも大事です。
内気でなかなか関わることに積極的になれない。。。そんな方は、苦労するでしょう。逆に、自分を変えるきっかけとして、整形外科病棟で働くのもありだと思います。
6 整形外科看護師についてのQ&A
この章では、今まで説明できなかった整形外科看護師についての細かな疑問をQ&Aで説明していきます。
2019年の看護師の年収は平均483万円で、整形外科看護師の年収もほぼ同じと考えて良いかと思います。(参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 平成30年度」)
夜勤の数が多い場合は、もっと多いことも考えられます。
ケアや移動の介助が力仕事になります。そのため体力も必要になりますので、他の病棟よりも男性看護師が多いことが特徴的です。
整形外科病棟は、病院にもよりますが比較的雰囲気は明るいかと思います。働いているスタッフも、体育会系で体力に自信があるタイプでサバサバした性格の方が多い印象です。
整形外科では、他の科と比較して生命にかかわる事態に立ち会う機会が少なく、精神的なプレッシャーが少ないことも雰囲気には影響しているかもしれません。
7 まとめ
整形外科看護師の仕事は、やらなければならない仕事が多く、力仕事や体力が必要なため、決して楽な職場ではありません。
一方で、他の科と比較して生命にかかわる事態に立ち会う機会が少なく、そういった意味での精神的な負担感は少なく、大多数の患者さんが基本的には改善していくため、そういったことがモチベーションに繋がります。
整形外科看護師は、幅広い世代の患者さんとコミュニケーションが取れることや、入退院のサイクルが早いためテキパキと仕事ができる人が向いていますので、記事を読んでより一層働いてみたいと思われる方はぜひチャレンジしてみてください。
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