どっちに行くべき!?病院とクリニックの違いを徹底解説!

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どっちに行くべき!?病院とクリニックの違いを徹底解説!

病院とクリニックの違いを知っていますか?

こう聞かれて筆者の頭の中は「まぁ、なんとなく大きい小さい?」と思い浮かべました。

「急に高熱が出た」「体の不調が続いているため医師に相談したい」など、さまざまな理由から医療機関の受診を考えている方もいるでしょう。しかし、かかりつけ医が定まっていない方や、普段の受診内容とは異なる内容で診察を受けたい方の中には、病院に行くかクリニック(診療所)に行くか迷っているという方もいるのではないでしょうか。

「病院」「クリニック」という言葉は医療機関の総称のように使われることもありますが、厳密に言うと規模などに違いがあり、担うことが期待されている機能も異なります。これらの違いから、患者さんは病院とクリニックどちらを受診すべきか、また、働き手の看護師はどちらで働くのが良いのかが見えてきます。

この記事では、病院とクリニックの定義を確認した上で、それぞれの特徴や留意点、各施設で働く看護師の仕事内容などを解説します。

先に受診すべき医療機関や、信頼できるクリニックの探し方も併せて確認し、万が一病気やケガをしてしまった際にスムーズに受診できるよう、病院とクリニックの違いをしっかり押さえておきましょう。

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1 「病院」「クリニック」の定義は?入院ベッド数で呼び名が変わる

日常生活において、「病院」「クリニック」という言葉を、医療機関の総称として使っている方も多いでしょう。

しかし、病院やクリニックは病床数や経営上のルールなど、異なる点も複数あります。万が一の際にスムーズに受診するためにも、まずはそれぞれのポイントにおける「病院」「クリニック」の定義を確認しましょう。

1-1 入院できるベッド20床以上が病院 vs 20床未満がクリニック

病院とクリニックの最大の違いの1つは、その医療機関がもつ「病床数」です。病床数とは、入院施設(病棟)にあるベッドの数であり、一度に入院できる人数のことを指しています。病院とクリニックは、病床数によって次のように定義されています。

■病院とクリニックの病床数の違い

  • 病院…20床以上
  • クリニック…19床以下

なお、病院は病床数の規模によってさらに次のように分類されることもあります。

  • 小病院…20~99床
  • 中病院…100~499床
  • 大病院…500床以上

また、クリニックの場合、1~19床の入院設備がある医療機関もありますが、入院設備がないクリニック(無床診療所)も珍しくありません。入院が必要かどうかという点も、受診する医療機関を判断する基準となるでしょう。

1-2 経営上のルール(最低医師数等)

病院とクリニックでは、経営上のルールにも違いが見られます。病院に一般病棟で比べてみましょう。

病院

クリニック

法人格

必要

不要

最低医師数

3名以上

1名以上

当直義務

有り

無し

看護師の配置基準

入院患者3名に対して1人

入院患者3名に対して1人

病院はクリニックと比べると規模が大きくなるため、医師が3名以上必要であり、当直の義務も発生します。医療法人などの法人格も必要であることや、看護師などの医療スタッフの人員配置基準があることもポイントです。

一方、クリニックの場合、常勤する医師が1名以上在籍していれば、医師本人だけでなく、医師ではない方が開設することも可能です。無床診療所の場合、看護師の配置は不要なので、医師が1名いれば法律上問題ありません。


2 クリニックの特徴・留意点

病院やクリニックの定義、相違点について確認してきましたが、病院とクリニックにはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、患者さん視点から見たクリニックの特徴や、受診を考える際の留意点について解説します。

2-1 クリニックの特徴

クリニックは病院に比べると規模が小さく、入院施設を備えていない(無床診療所)か、19床以下の小規模な入院施設をもっている(有床診療所)かの2つに分けることができます。病院よりも規模が小さいため、クリニックでは大学病院などのような高度な医療を受けることは難しいでしょう。

一方、クリニックには、軽度のケガや軽い症状の病気など高度な治療を必要としない場合や、健康のことについて相談したい場合に気軽に受診できるというメリットがあります。地域密着型のクリニックも多く、患者さんを長期間診ることができることも多いため、症状が落ち着いているものの継続して治療が必要な方も安心して通院することができるでしょう。

2-2 クリニックの受診を考える際の留意点

クリニックは医師が1名以上いれば開設可能であるため、医師や看護師が少数しかいない施設も珍しくありません。

勤務するクリニックに医療スタッフが少なくても、自分で情報収集を行い、医療に関する情報をアップデートする医師・看護師も多くいる一方で、仲間でもありライバルでもある同僚から受ける刺激が少ないため、最新の医療に関してそれほど明るくない方もいることに注意しましょう。クリニックのスタッフが医学の進歩についていけているかどうかを、クリニックのサイトや地域の方の口コミなどから判断することも重要です。


3 病院の特徴・留意点

クリニックは軽度な病気・ケガをした方や、緊急性が高くない疾患の方が受診するのに適した医療機関であることを紹介しました。では、比較的大きな病院には、クリニックと比べてどのような特徴があるのでしょうか。

ここでは、患者さんから見た病院の特徴や、受診を考える際の留意点などについて紹介します。病院における看護師の仕事内容や働き方についても併せて確認し、看護師視点から見た病院の特徴や気を付けるべきポイントについてチェックしていきましょう。

3-1 病院の特徴

病院では、急に発症し症状が急速に悪化するような疾患の患者さんや、高度な治療を必要とする患者さん、MRIやCTなどを利用した精密検査が必要な方などの診療を行います。

比較的軽度な症状を示す患者さんや、慢性的な疾患で自宅療養などをしている患者さんを主に診療するクリニックとは対照的ですね。

規模の大きな病院では複数の診療科目を設けているところも多くありますが、病院によって得意とする診療分野が異なっていることも珍しくありません。また、一般的な病院では治療が難しい疾患に対する医療を提供している「特定機能病院」や、地域に根差した医療に取り組む「地域医療支援病院」など、それぞれの病院が持っている機能が異なることも把握しておきましょう。事前にインターネットで確認し、自分の症状や病状に合った病院・診療科を選ぶことが大切です。

3-2 病院の受診を考える際の留意点

大きな病院では「外来の待合スペースで数時間待たないと受診できない」といった現象が多く見られるので、要注意です。

日本ではかかりつけ医の紹介がなくても、大きな病院を受診することができるため、比較的軽い症状の病気やケガでも、最新の医療機器が整っていることが多い病院の外来を受診する方も珍しくありません。そのため、数時間待たされるということが頻繁に起こるのです。

数時間待ったにも関わらず、症状が軽度な病気やケガの場合は、診察にかかる時間はクリニックと同様に数分程度である場合がほとんどです。病院は待ち時間が長いわりに診察時間が短いため、病気やケガの内容や症状の重さによって、病院とクリニックを使い分けるとよいでしょう。


4 看護師向け!病院とクリニックの働き方の違いとは?

第4章は働く看護師向けに病院とクリニックの働き方の違いを紹介します。簡単に表にまとめると以下の通りです。

病院

クリニック

ワークライフバランス

×

スキルアップ

×

それでは詳細を見ていきましょう!

患者さんはクリニックや病院の裏事情が垣間見えるかもしれません…!

4-1 クリニック勤務の看護師の役割・仕事内容 

クリニックに勤務する看護師は、問診やバイタルの測定、採血、治療の補助といった業務をはじめとして、医療器具の洗浄や発注、施設の清掃、患者の受付や電話応対といった業務など、幅広い業務に対応しなければなりません。1名~数名でさまざまな業務をこなす必要があるため、即戦力となる人材が求められるでしょう。

クリニックに勤務する看護師の業務は多岐にわたりますが、入院施設を持たないクリニックの場合などでは夜勤や休日出勤はほぼなく、休診日がそのままスタッフの休日となるため、家庭と仕事を両立したい方も働きやすい勤務環境といえます。また、かかりつけ医として受診する患者さんも多く、地域の方々の健康を守ることができるという点にやりがいを感じられる勤務先ともいえるでしょう。

4-2 病院勤務の看護師の役割・仕事内容

病院は入院施設の病床数がクリニックよりも多く、看護師はシフト制勤務で夜勤があることがほとんどであり、施設によっては休日出勤や緊急呼び出しの回数が多い場合もあります。また、高度な医療を提供していることが多いことから、医療ミスを起こさないことへのプレッシャーを感じることも多い職場でもあることに留意しましょう。

一方、病院は最新の医療技術にふれたり他の同僚からの刺激をもらえたりと、成長の機会が多い職場でもあります。勤務する看護師の数も多いため、先輩看護師が新人看護師を1対1で指導する「プリセプター制度」など、教育制度も整っていることが多いこともポイントです。

看護師としてのスキルを高めたい方や、キャリアアップを狙いたい方はもちろん、将来的にはクリニックなど病院以外の職場で働きたいと考えている方も、一度は病院勤務を経験しておくとよいでしょう。


5 病院は紹介状が無い場合特別料金5,000円

病院でもクリニックでも診察や検査の内容が同じであれば、医療機関の規模を問わず、本人が負担する医療費はほぼ同じ金額となります。しかし、20床以上の大きな病院を受診する場合はクリニックの紹介状が無いと次のような特別な料金がかかるケースがあることに注意しましょう。

■クリニックなどの紹介状なしで大きな病院を受診する際の特別料金

・初診…5,000円以上(歯科の場合は3,000円以上)

・再診…2,500円以上(歯科の場合は1,500円以上)

紹介状がない場合に加算される特別な料金の金額は、各病院で決めることができます。紹介状なしに大きな病院を受診する場合には、事前に金額を確認しておくことをおすすめします。(参照:政府広報オンライン


6 病気になったら病院とクリニックのどっちに行けば良い?

症状が重くなかったり緊急性がそれほど高くなかったりする場合は、まずは信頼のおけるクリニックで診察を受けましょう。症状が比較的軽い場合、症状に合ったクリニックを受診すれば、クリニックでも適切な処置をしてもらうことが可能です。

病気にかかったりケガをしたりしたときには、病気やケガへの不安から、大きな病院にかかりたいと考える方も多いでしょう。しかし、クリニックや中小病院にかからず、直接大きな病院を受診すると、診てもらうまでの待ち時間が長くなってしまったり、特別な料金がかかってしまったりすることがあります。

クリニックで対処が難しい場合は、クリニックの医師の指示に従い、作成してもらった紹介状を持って適切な治療が期待できる病院を受診しましょう。クリニックと病院は連携していることが多く、病院での治療が終了して症状が落ち着いてきた後は、クリニックで継続して様子を見てもらうこともできます。体調不良の内容や症状によって、上手にクリニックと病院を使い分けましょう。


7 信頼のおけるクリニックの探し方

まずは、自分が住んでいる地域にどのようなクリニックがあり、どのような医師がいるのかをチェックすることが大切です。クリニックのサイトに掲載されている「医師のあいさつ」を確認したり、地域の方やネット上での口コミを参考にしたりしながら、自分に合いそうなクリニック・医師をピックアップしましょう。

病気やケガをしてから病院やクリニックを慌てて探すといった事態を防ぐためにも、普段から信頼できるクリニック・かかりつけ医を探しておくことが重要です。

クリニックや医師をピックアップできたら、軽い風邪やケガ、予防接種などでクリニックを受診してみましょう。受診時には次に挙げるポイントを確認することをおすすめします。

7-1 信頼のおけるクリニックの医師探しの6つのポイント


①自宅から通いやすいところにあるか

②自分の話をよく聞いてくれるか

③相性が合い、気軽に話せるか

④症状や疑問に感じたことに対して納得できる回答をしてくれるか

⑤一般市民にもわかりやすい言葉で説明してくれるか

⑥必要に応じて他の医療機関に快く紹介してくれるか

信頼のおけるクリニックを探しておくことは病気やケガになったときに最初に頼ることとなるため重要です。信頼できるクリニックを見つけ、万が一の際に慌てないように備えておきましょう。


8 まとめ:まずはクリニックで診てもらおう

病院とクリニックは病床数や医師の数によって定義されており、大きな病院では高度医療の提供、クリニックや中小病院では比較的軽い症状の病気・ケガの診療や慢性疾患の経過観察などといったように主な役割も異なります。誰もが適切な診療を受けるためにも、症状が軽い場合は、まずはクリニックを受診し、必要に応じて大きな病院で診てもらうようにしましょう。

 また、大きな病気やケガをしてから慌てて自分に合った医療機関を探すことは難しいため、健康なうちにかかりつけ医を探しておくことが重要です。紹介したポイントを参考にしながら、信頼できるクリニック・医師を見つけておき、大きな病気やケガをした際に慌てず受診できるようにしておきましょう。

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