3年目看護師が転職すべきでない3つの理由と3つのメリット

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3年目看護師が転職すべきでない3つの理由と3つのメリット

事例① 循環器病棟で働いていたキャリア志向の高い看護師
石の上にも3年という言葉がありますが、看護師3年目にもなると、色々と周りが見えてくる時期かと思います。

色々と周りが見えてくるが故に、辞めたいと思い悩む方も少なくありません。

実は3年目に看護師を辞めることは、あなたのキャリアにとって一番損する選択肢です。なぜなら、最初の就業先で3年間続けた場合とそうでない場合では雲泥の差があるからです。

給与の差額が50万円以上出てしまったり、転職の幅が狭まるなどが生じます。

では、いつがいいか。

私が思う一番ベストなタイミングは5年目の7月だと考えています。

本稿では、看護師が最初の就業先で3年間続けるべき理由とメリットをお伝えしていきます。読み終えれば今はぐっとこらえて頑張ろう、そして、私がおすすめする5年目の7月というベストなタイミングを検討頂けると思います。

採用情報

1. 3年目看護師が転職すべきでない3つの理由

日本看護協会の調査によると看護師の10%以上が毎年転職しており、3年目の看護師も例外ではありません。仕事に少し慣れてきた時期でもあり、周囲の就業環境と比べる機会も多くなります。

しかし、3年目まで頑張った看護師が絶対に転職すべきでない理由が3つあります。

1-1. 3年間やりきった場合と3年目で転職した場合では月給2.5万円も差がある。

看護師1〜3年目の月給平均は29.8万円になります。そして4年目の看護師の月給平均は32.2万円になっています。その差は月給だけで2.5万円になります。単純計算で年収30万円の差が生まれます。その他残業手当、夜勤手当、賞与なども影響するため50万円以上の差が生じます。

なぜその違いが生まれるのか?

それはプリセプター経験の有無と、看護師は3年間業務をしたという経験が1人前の一つの区切りになるからです。3年目で転職した場合、この4年目の給与に該当しなくなります。どうしても経験が浅い看護師という評価となり、損をしてしまうことになります。

1-2 .退職金規定が3年以上勤務の病院が多い

多くの病院では3年以上の勤務から退職金規程を定めています。額は病院によって様々ですが、せっかく頑張って働いた結果として、もらえるものをもらった方が得策です。看護師3年目ですと、まだ預貯金も多くはないかと思います。転職に際しても、資金面で、いくらかゆとりを持てるといいかと思います。

1-3. 3年目で転職した場合、その後の転職で苦労する確率が上がります。

3年目で転職後、再度転職を試みた場合求人数が半分以下に減少することが大きな理由です。そして、転職をして成功だったという看護師は実は45%しかいません。

転職1年後の感想

比率

転職してよかった・満足している

25%

転職はまぁまぁ成功した

20%

転職したが、前職と変わらず失敗した

30%

転職したが、再度転職した

25%      

(看護師100人のヒアリング・大手紹介会社5社のヒアリング統計)


55%の看護師が転職に失敗をして、その内の25%は再度転職活動を行っています。

その場合3年未満の経験で2回目の転職は幅がグッと狭まってしまいます。

一つの職場での勤務が短い場合は、採用する病院や施設で、採用自体を躊躇してしまう要因になってしまいます。

看護師が他の職種で働こうとする方は非常に少ないです。看護師としてのキャリアや可能性を拡げるためにも3年間最初の病院で働くという選択が最も重要になります。


2. 3年間看護師として働き続ける3つのメリット

就職した病院で3年間看護師として働くことのメリットは大きく分けて3つあります。

  • プリセプター経験が積める
  • 3年間働くと看護師としての最低限のスキルが身に付く
  • リーダー業務の経験が積める

プリセプターやリーダー業務は、実際に嫌がる看護師が多いと思いますが、経験があるかないかは今後のあなたの看護キャリアに重要です。一つずつ説明していきます。

2-1. プリセプター経験は生涯の財産、スキル・人間性が格段に上がります!

プリセプターを行うことで、教える技術が身に着くと共に自身のスキルアップになります。転職した場合は、プリセプター経験ができないことが多いため、絶対経験したほうが人間性、看護観の向上に繋がります。そして転職の際にも有利な経験になります。

看護師3年目は必ずプリセプター業務を行います。

多くの看護師はプリセプター業務の印象を

「人に教えるのは大変だし、面倒」

「〇〇先輩のように教える自信がない」

「プリセプティと性格が合わなかったらどうしよう」

と考えてしまいます。

ではプリセプターを実践した看護師はどうか、私の事例を含めて記載しました。

事例① 循環器病棟で働いていたキャリア志向の高い看護師
徐々に患者さんの看護ができるようになってきました。私もまだ3年目であり知識や技術が乏しい中、プリセプティへ十分な指導が行えるか不安でしたが、教えることで復習にもなり自信にもなりました。共に成長することができました。疾患への理解が深まったと共に、循環器への興味がより一層沸き、もっと専門性を高めようと心臓外科も対応している病院への転職を行いました。
事例② 消化器外科病棟で働いていた当社看護師
プリセプターという役割を担うようになり、教えることの難しさと自分の未熟さを痛感しました。プリセプティと共に成長する機会であり日々の学びを大事にしました。不安と緊張でいっぱいだった新人の頃を思い出し、精神的なサポートも行うことができ、1年間充実することができました。自分が学んだ2年間とは比べ物にならない成長となりました。外科病棟で素早く、丁寧にが重視される中で、教えることで復習のいい機会にもなりました。3年間頑張った自分に自信がもてて、不安ではありましたが訪問看護という目標に進もうと考えるきっかけになりました。
事例③ 手術室看護師3年目であった私
自分のプリセプティ時代を振り返り、どのように教えたら理解しやすいだろうかと日々考えました。手術室看護師として、患者さんが安心して手術を受けるための援助や、手術が円滑に行えるための知識・技術を考え直すいい機会になりました。自分が行うことと、教えることの違いを学び、かけがえのない時間でした。プリセプターとプリセプティの関係ではありますが、一生の仲間としての関係が構築できました。今は別々の場所では働くことになりましたが、連絡などは取り合う関係は続いています。看護師として自分に自信が持てませんでしたが、この経験で自信を持ち、仕事を続けることができました。

プリセプターを経験した90%以上の看護師は、上記のような感想をもっています。

また看護師としての次のキャリアに繋がったり、転職にも大きなプラスになっています。看護師として多くの学びと、貴重な経験ができるのもこの3年目になりますので、必ずプリセプター経験を経ていきましょう。

2-2. 看護師としてのスキルが最低限つく

3年間働いた多くの看護師は自信があります。その理由は最低限の看護師としてのスキルが身についていることが理由になります。

  • 入退院の対応やクレーム処理
  • 点滴や採血、内服薬の管理
  • リスクマネイジメント
  • 医師への報告・連絡・相談
  • 褥瘡管理や環境整備
  • 呼吸器管理やモニター管理などの医療機器の理解

これら看護師としてのスキルを3年目には持ち合わせる状況になります。

今後使わないとしても、経験とスキルは絶対の自信となり、看護師人生のプラスになります。

2-3. リーダー業務を行うか考える時間ができる

看護師としてリーダー業務は非常に重要になります。なぜなら看護師としてのスキルも上がり、リーダーシップが身に着くからです。

多くの病院が4年目以降に課される業務であり、経験としては大切になります。自身が業務に従事するにおいても、リーダー経験を積むことで円滑にこなせることが多いです。そして、転職や異動した際にも必ずプラス要因になります。

但し、リーダー業務は向き、不向きがあります。3年間業務を行い、上司の動きをみながら自身が経験するべきかを考える貴重な期間になります。

メリットは多くありますが、リーダー業務をすることで、上司の期待も多く退職することが難しくなります。また精神的負荷も大きい業務ではあるため、3年目にしっかり考える貴重な時間になります。

3年目という時期に得られるものは大きいです。何度も言いますが3年目は上記理由から、頑張って続けることが望ましい時期となります。


3. 一番最適で最短な転職時期は5年目の7月

3年目は転職しないことが理想とわかったけど、実際いつ転職すべきでしょうか?

私は5年目の7月を強くオススメします。

この章では、その理由を細かく説明します。

3-1. 7月の転職をおすすめするの理由

4月や12月の転職を検討される方が多いのかと思います。

しかしながら、4月は新入職者が多くて病棟が忙しいこと、12月は年末休みなども重なり、有給休暇の取得が難しいことが少なくありません。退職することへのハードルも上がりがちです。

一方の7月は夏の賞与がもらえるタイミングでもあり、4月や12月と比較して有給休暇も取得しやすい状況にあります。そのため、転職するなら7月をおすすめします。

3-2. 5年目の転職をおすすめする理由

看護師5年目ともなると、一通りの看護技術も身に着き、プリセプター業務やリーダー業務など一通りの業務をこなせるようになっています。

4年目ではリーダー経験をしない病院もありますが、5年目では90%以上の看護師がリーダーを経験していると思います。だからこそ、5年目を迎えた看護師はどの転職先も喉から手が出るほど欲しい人材であるといえます。

転職にも有利になるため、転職に失敗する可能性も低くなるでしょう。

また5年目の転職は「看護師5年目転職すべき2つの理由、転職にまつわる5つの悩みと解決策」に理由も詳しく書いてありますので、是非参考にしてみてください。

参考記事:看護師5年目は転職すべき?転職すべき理由は90%以上同じであった


4. 実は同じ病院で働き続けるのが一番の得策!

3章までは、転職することを前提に説明してきましたが、実は同じ病院で働き続けるのが一番良いです。

看護師は現在「売り手市場」です。どの病院や施設も人材不足に陥っています。だからといって転職するのは時期尚早です。

転職のデメリットは

  • 人間関係を1から構築しないといけない
  • 住宅ローンなどの審査が通りにくくなる
  • 転職直後は給与が下がることが多い
  • 新たに覚えることが多くなる

など割と多くあります。

実際1つの職場で働いたほうが、管理職になりやすかったり、給与が一定で昇給したり、前述の退職金が増えたりとメリットが多くあります。

理想は新卒での病院でのキャリア形成が一番です。人間関係で悩む看護師が多いですが、異動という手を見逃しがちです。学びたい診療科がないことや、病院以外で働きたいなどの要望があれば別ですが、それ以外で解決できることがあれば努力して、継続することが一番になります。


4. どうしても3年目で辞めたい方へのアドバイス

これまで説明してきた通り、基本的には3年目は辞めるべきではありません。それは3年目というのが、あなたの看護師キャリアにとって、大事な経験を積めるタイミングであることや、その経験によって、その後の給与面、また転職先での評価も変わってくるからです。

でも、どうしても人間関係の悩みや、学びたいことがある場合は3年目での転職も決して間違いではありません。

看護師の転職先は無数にある一方で、1章2章で説明したように、転職は55%の看護師が失敗しています。

その際に注意するポイントがあります。それは安易に転職先を決めないことです。

3年目は「売り手市場」のこともあり、転職先は容易に見つかります。面倒だからといって、考えないで決めると現在と同じような状況になります。

そのためには、可能なら面接だけでなく、体験や病院見学や施設見学を行いましょう。採用担当者は面接のプロです。内部の実情を理解しないまま入職してしまうことはリスクになります。可能な限り情報収集すると共に1つではなく複数から選択するようにしましょう。

転職は精神的にも、肉体的にも負荷が大きいです。同じことを繰り返さないためにも1回で済むようにできる限りの努力を行うようにしましょう。

さいごに繰り返しになりますが、看護師3年目は踏ん張って頑張るべき時期になります。

ここでの数か月は将来に大きく関わる期間でもあるためです。給与でもキャリアでも今後の看護師人生でも重要な時期でもあります。

5年目7月という最高の瞬間、あるいは今の病院でキャリアを積むという重要な選択を是非して下さい!

 

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