看護師が老健を辞めたいと思ったときの対処法とおすすめ転職先7選
老健で働いている看護師さんの中には、職場を辞めたい……と考えている人もいるのではないでしょうか?医療と在宅への橋渡し的な存在の老健。利用者様を思うと辞めたいけど辞めたくないという方もいるのではないでしょうか?
数ある職種の中でも転職しやすい看護師ならではの、選択肢が多い事による悩み、、、
この記事では、老健を辞めたいと思ったときの対処法とおすすめの転職先について紹介します。
1.老健の看護師を辞めたいと思ったら…希望別のおすすめ転職先7選
老健を辞めたいと考えている看護師さんの中には、悩みを抱えている人もいるでしょう。看護師は転職しやすい職種であるため、資格があれば自分の希望に合った働き方ができます。まずは、希望の働き方別の看護師のおすすめの転職先について紹介します。
1-1.看護師に重い医療的判断が求められることが少ない美容クリニック
老健の中には医師が常駐していない施設もあります。医師が不在のときは、看護師がリーダー的な存在となって医療的判断をすることも。
責任のある医療的な判断に疲れてしまった人におすすめなのが、美容クリニックへの転職です。
美容クリニックでも、手術や処置は行われますが、日帰りで行われることがほとんどで、入院になることはあまりありません。美容クリニックの仕事内容は、あくまで医師の補佐で、外来の看護師業務と似ています。
緊急時の医療的な判断に負担を感じている人は、美容クリニックへの転職を検討してみるのもよいでしょう。
1-2.不規則な老健看護師でもワークライフバランスが取りやすいクリニック
体力のある若いころは乗り越えられても、年齢を重ねるにつれて辛くなるのが残業や夜勤です。老健はオンコールではなく、一般の病院と同じように夜勤のシフトがあります。
老健での残業や夜勤で疲れてしまった人におすすめなのが、クリニックの勤務です。
規模が小さく、入院用ベッドのないクリニックなら、残業もほとんどなく夜勤がありません。クリニックの看護師によっては、仲間同士でシフトを組めるので、ワークライフバランスを重視した働き方ができるでしょう。
ただ、クリニックの中には、忙しいのにもかかわらず、看護師の配置が少ないところも。
ワークライフバランスを重視するために、クリニックへの転職を考えている人は、看護師数もチェックしましょう。
1-3.コミュニケーション問題が少ない企業看護師
職場の同僚や患者さんとのやり取りが苦手な人もいるかもしれません。コミュニケーションが苦手な人におすすめなのが企業看護師です。
企業看護師は、会社に配属されている看護師で、産業医の指示の下で、従業員の健康相談や健康診断のサポートを行います。
企業看護師は、病院と異なり、同僚スタッフは少人数なので、派閥ができることはほとんどありません。
また、少ない人数の看護師で会社の従業員全員をカバーする必要があるので、病院の患者さんのように深い関係を作り上げることもそう多くはないでしょう。
そのため、企業看護師は仕事のやり取りがメインになります。自分以外の人とのコミュニケーションを最小限にしたい人は、企業看護師の転職を検討するのもよいでしょう。
(参照:企業に勤めたい看護師必見!オススメ転職先と今日からできる転職準備)
1-4.やっぱり看護キャリアを追求したい人は病院
看護師として知識や技術を磨きたいのなら、やはりおすすめなのが病院です。
老健でも看護業務がありますが、バイタルサインの測定や身体介助など基本的な看護技術がメインになります。入居者の容態も安定していることが多く、同じ毎日の繰り返しに飽きてしまう人もいるでしょう。
診療科の多い病院なら、数年おきのローテンションにより、幅広い看護業務を学ぶことができます。特に、若いうちは潰しが効くように、病院での看護師業務を経験しておくのがおすすめです。
病院で看護師として働ければ、専門看護師や認定看護師などのキャリアアップや、訪問看護に必要な基礎的な看護技術を取得することができます。
1-5.看護師としての幅を広げたい人は訪問看護
老健の代わり映えのない毎日に飽きてしまった人におすすめなのが、訪問看護です。
訪問看護は、在宅で医療や看護が必要な利用者をサポートします。利用者によって必要な医療処置や看護は異なりますが、老健での看護業務内容をフルに活用できます。
訪問看護が必要な利用者の中には、過去に老健の患者さんもいます。
訪問看護の仕事は、患者さんの在宅での様子がみれるので、新たなやりがいを感じることができるかもしれません。
1-6.比較的疾患の軽いデイサービス
他の多くの職種のように、朝から夕方まで働きたい人は、デイサービスへの転職を検討するのもよいでしょう。
デイサービスは通所介護ともいって、利用者様が通う場所であるため、比較的疾患の軽い方が多く、難しい臨床技術が問われることは少ないです。
デイサービスの看護師業務は、介護の必要な高齢者が、食事や入浴、レクリエーションを受けるにあたり、服薬指導やインスリン注射、爪切りや傷口の処置、健康のチェックなどを行います。デイサービスは日中を中心に利用者の受け入れを行います。
看護師の方で、夜勤が苦手な人はデイサービスへの転職がおすすめです。
(参照:デイサービスへの転職を考えている看護師へ!役割・仕事内容、1日の流れを徹底解説)
1-7.ちょっともう看護師自体疲れた場合は健診センター
老健では、経管栄養や痰の吸引など看護技術だけでなく、入浴介助や食事介助などが必要な患者さんが多くいます。多岐にわたる看護師の仕事そのものに疲れてしまった人は、健康センターを転職先に選ぶのがおすすめです。
健康センターの看護師の主な業務は、各種検査の実施や補助です。特化した看護技術は採血で、ルーチンワークが好きな方におすすめです。
看護師の仕事そのものに疲れた人は健康センターへの転職を検討するとよいでしょう。
(参照:健診センターへ転職したい看護師必見!転職前に知っておくべき23個のことを徹底解説!)
2.老健の看護師を辞めない方が良い3つの場合と対処法
老健で看護師として働いていると、「辞めたい……」と考えている人は多くいます。
日々転職を考えていても、利用者様のためにも辞めない方が良いケースもあります。
ここでは、老健の看護師を辞めない方がいい例についてみていきます。
2-1.看護師の責任が重く感じる場合は周りを頼る
老健は看護師の配置数が少なく、責任を重く感じることがあります。緊急時の医療判断に心の負担を感じている人は、経験のある看護師や医師などスタッフに頼りましょう。
緊急時の対応について、ケーススタディなど勉強会をして、チームで対応できる能力を高めるのもおすすめです。
2-2.体力的に厳しいと感じたらしっかり休む
入浴介助や歩行介助など、患者さんの日常生活行動の介助が必要な場面が多い老健は、体力の限界を感じている人もいるでしょう。
力仕事も多い看護師の業務ですが、仕事とプライぺートのメリハリがはっきりしていないと、疲れを感じやすくなります。
体力的に厳しいために老健を辞めたいと考えている人は、まずは休暇を取るのがおすすめです。
中期的な休暇により、気持ちがリフレッシュして仕事への意欲が増す可能性もあります。退職を申し出るまでに、休暇の希望を伝えてみましょう。
2-3.人間関係がつらい場合はコーチングを勉強してみる
老健では、医師だけでなく、栄養士、リハビリの専門職など他職種連携が求められます。患者さんの状態を知るにあたって、他の職種とのコミュニケーションも必要になることもあるでしょう。
とはいえ、病院の病棟のように、看護師による女の園ではないので、関係作りがかなり難しいというわけではありません。
老健の人間関係は、他職種との自分のコミュニケーションスキルを高めることで改善することができます。まずはそこに取り組みましょう。
(参照:【コーチング】看護師にとって身に着けるべきコミュニケーションスキル)
3.老健の看護師を辞める際の4つの判断基準
老健の看護師を辞めたいと考えている人は、一時的な気持ちで行動するのではなく、本当に辞めるべきか判断することが大切です。
ここでは老健の看護師を辞めるかどうかを冷静に判断するための4つの基準についてみていきます。
【判断基準①】ブラックな組織かどうか
ブラックな組織だと思ったら、辞めることを考えても良いでしょう。
世間でも話題になっているブラックな組織ですが、待遇や人間関係が悪いブラック老健があります。ブラック老健の特徴は、上司や先輩が威張っている・勤務時間や給与などが公表しているものと違う・サービス残業が当たり前などの特徴があります。
老健はスタッフの勤務年数が長い人も多く、上司でなくても、職場で強い立場である人がいることもあります。
また、看護師は残業が多い職種ですが、手当が付かずに、不満を抱くこともあります。
【判断基準②】老健で働く4つのメリットが無い
老健で働くメリットとして以下の4つが挙げられますが、この4つのメリットを享受できない場合は辞めることを考えても良いでしょうか。
・体力を使う業務が少ない
・イレギュラーな業務が少ない
・退院後の継続的な看護ができる
・入居者の在宅復帰を応援できる
ある程度経験を積んだ看護師で、継続的な看護を学びたい人や、多忙な看護業務から離れたい人には、老健で働くメリットがあるでしょう。
一方で、看護師としてもキャリアを積みたい人や、新卒看護師さんなど若い看護師にとって、必要な看護知識や技術を習得する機会できない可能性もあります。
【判断基準③】キャリアアップが難しい
このままではキャリアアップが難しいと感じたら辞めることを検討しても良いでしょう。
一般的に看護師のキャリアアップは、総合病院に勤めて副師長や師長になるケースと、勤務経験を経て専門看護師や認定看護師を目指すことになります。
老健での看護師業務でも、基本的な看護技術や医療判断が必要です。
一方で、老健での業務での経験は積めても、看護師としてのメジャーなキャリアアップは難しいでしょう。特に、新しい治療の看護などは、老健で学ぶことは難しいかもしれません。
看護師としてどんどんキャリアを積みたい人は、老健ではなく総合病院の務めるのがおすすめです。看護師としてキャリアアップを図りたい人は、自分の目指す道に合わせて職場を決めることが大切です。
(参照:看護師のキャリアアップ総まとめ!絶対に理想の看護師になろう!)
【判断基準④】病気になった
老健は力仕事も多く、病院の看護師とはまた違った忙しさがあります。
老健の仕事を続けて、心身の負担が重なるとなんらかの病気になってしまうこともあります。特に、老健に限らず看護師が気を付けたいのが、うつなどの心の病気です。
仕事への責任感が強いあまり、心身の健康に影響を与えてしまうことがあります。心の病気になると、休息期間を設けても病気がなかなか治らないこともあり、その後の就業に影響を与えることがあります。
調子が悪いときは、心身の声に傾けて、勇気を出して辞職することも大切です。
4.まとめ
老健の看護師の日々の仕事は、基本的な看護技術が必要ですが、患者さんの日常生活行動の介助の比率が多く体力が必要で、時には医療的な判断が求められることもあります。
ライフスタイルや自分が目指す看護師像によっては、老健での仕事が合っている人もいます。
一方で、なんらかの理由で老健の仕事が辛く感じる人は、無理をしすぎずに辞職を検討するのがおすすめです。
引き続き看護師として働きたい人は、記事内で紹介した転職先を参考に、自分に合った看護師として働き方をしてみてくださいね。
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