看護師が感じるストレス原因と、心と身体をケアするおすすめの方法
看護師という職業はやりがいも多い一方で、多くのストレスを抱えやすい仕事でもあります。
現在看護師として働いている方の中には、さまざまなストレスに悩まされている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、看護師がストレスを感じやすい理由やストレスの主な原因について解説します。仕事で忙しい中でも取り組みやすいケア方法も併せて確認し、心と身体を上手にケアしながら看護師として働き続けるためのポイントを押さえましょう。
目次
1. 看護師が抱えるストレスの原因
看護師は医療業界における役割も大きく、患者さんと接する機会も多いことからやりがいも多い職業です。しかし、魅力も多い一方で、看護師という仕事はストレスを感じる出来事も少なくありません。看護師として現場で活躍している方の中にも、さまざまなストレスに悩まされている方がいるのではないでしょうか。
ここでは、看護師のストレスの原因になる主な要素を紹介します。ストレスにうまく対応するためにも、主なストレス源の種類について確認しておきましょう。
1-1. 看護師ならではの人間関係
人間関係に関するストレスは、多くの社会人が大なり小なり感じるポイントではありますが、看護師は人と密接に関わる仕事である上に、女性の多い職場であることから、ほかの業界・職種よりも人間関係のストレスを感じやすい傾向があります。
■ 看護師が感じやすい人間関係のストレス
男性看護師も増えてきたとはいえまだ1割程度。看護師の世界は依然として女性が多いため、職場の男女比も自然と女性が多くなりがちです。女性が多い職場では女性特有の人間関係の難しさが存在する場合も珍しくないため、上司や同僚とのコミュニケーションにストレスを感じる方も多くいます。 《上司や同僚が苦手》 看護師はストレスを抱えることが多い職業であることから、パワハラや職場内のいじめも起こりやすいという側面があります。「理不尽に叱責してくる上司がいる」「取るに足らないことで悪口を言う同僚がいる」など苦手な人が職場にいる場合には、毎日の仕事で顔を合わせるだけでストレスを感じるようになってしまうでしょう。 《後輩や新人の指導がうまくいかない》 看護師として一通りの業務をこなせるようになると、後輩や新人看護師の指導を任されることもあります。しかし、指導する相手と看護観や性格が合わない場合、スムーズに指導ができずストレスを感じることも珍しくありません。 《患者さんやご家族からのクレーム》 看護師は患者さんやご家族から感謝されることも多い仕事ですが、理不尽なクレームを受けることもあります。患者さんやご家族との関係を損ねないよう理不尽なクレームに対応することも、大きなストレス源となるでしょう。 |
上記のほかにも、チーム医療における他職種との意見のすり合わせに精神的な負担を感じることも少なくありません。「患者さんの命や健康を預かる」というプレッシャーを感じやすい医療の現場において、人間関係に起因するストレスは、心身に一層負担をかける恐れがあることに注意しましょう。
1-2. 仕事の責任に対するプレッシャー
看護師は患者さんの命や健康を預かる職業です。業務内容にもよりますが、多くの職場でミスが許されない仕事と言って差し支えないでしょう。看護師が背負う責任も大きく、勤務中は常にプレッシャーを感じることとなるため、精神的なストレスを抱えやすくなります。
また、看護師としての経験を積むほど、担当する患者数が増えたり、後輩への指導業務を任されたりと業務量や責任の大きさが増していきます。業務におけるプレッシャーや責任の重さが大きいことも、看護師がストレスを抱えやすいことの一因といえるでしょう。
1-3. 夜勤などもあり業務量が多い
看護業界は慢性的に人手不足・人材不足な状況であるため、1人当たりの仕事量も多くなりがちです。看護業務だけを見ても、休憩する時間をとることが難しい人もいるのではないでしょうか。
また、看護というミスが許されない仕事を大量に抱えている中で、さらに夜勤やカンファレンス、事務的な作業まで看護師が行わなければならないケースも少なくありません。
プライベートな時間に自分で勉強をしなければ、仕事についていけなくなる場合もあるなど、とにかくやらなければならないことが多い現状があることも、ストレスにつながる要因といえます。
1-4. 業務量やプレッシャーの大きさを考えると給与が少ない
看護師は給与が高いと思われがちですが、実際には夜勤手当なども含む金額が収入として現れているケースがほとんどです。
額面で見るとそれほど給与が少ないとは言えませんが、業務量が多い職場や患者さんの生死に関わるような業務が多い職場では、業務の内容や量と給与が釣り合わないと考える方もいるでしょう。
また、夜勤がないクリニックなどに勤務している場合、夜勤手当がつかない分、収入も少なくなる傾向があります。入院病床のないクリニックでは心身ともに負担の大きな夜勤・オンコールは基本的にありませんが、大きな病院よりも職場のメンバーの入れ替わりが少ないため、人間関係のストレスを抱えやすくなります。
夜勤のある働き方と同様に、ストレスの割に収入が少ないことで、さらなるストレスを感じやすくなると考えられます。
1-5. ワークライフバランスが上手く取れない
入院病床のある医療施設の場合、看護師は基本的に交代制勤務となります。交代制勤務では日によってシフトが異なるため、勤務時間帯に合わせた睡眠・休息を取ることが重要です。
しかし、活動時間帯が毎日大きく変動することは、体にとって大きな負担となります。通常の睡眠時間帯では十分な休息を取れないため、「休日や夜勤前は寝てばかり」という方も多いのではないでしょうか。
このような生活を続けていると、家族や友人との時間や趣味の時間といった、プライベートの時間を思ったように確保できなくなってしまいます。気分転換の場がなくなってしまうためストレスをうまく発散できず、溜める一方となってしまうでしょう。
また、職場や働き方によっては、人手不足などで休みを取りづらく、理想とするワークライフバランスが実現できない場合もあります。このように、自分の理想とする働き方ができないことにストレスを抱える方も珍しくありません。
2. 忙しい看護師におすすめのケア方法
職場や働き方にもよるものの、プレッシャーの大きな仕事や担当業務の量が多かったり、人間関係の悩みもあったりと、ストレスの溜まりやすい看護師。ストレスとうまく向き合い、自分自身をケアしていくためには、どのような方法があるのでしょうか。
ここでは、ナーステートがおすすめするストレスケアの方法を紹介します。自分に適した方法や試しやすい方法を実践し、ストレスと上手に付き合っていきましょう。
2-1. 休養を取る
業務量が多く忙しい毎日を送っている方は、まずは休日や休憩時間にしっかりと仕事を休み、心や身体をケアすることが大切です。
ストレスに対するケアを怠ったまま放置すると、ストレスを溜める一方となってしまう上に、体調不良にもつながる恐れがあります。休めるときには十分な休養を取り、心と身体をリフレッシュした上で次の勤務に臨みましょう。
2-2. 人に相談する
ストレスを溜め込むことは、心身の不調を引き起こす原因にもなりかねません。ストレスを感じたときは無理に我慢せず、ストレスを発散する機会を設けることが重要です。
ストレスを発散する方法は人によってさまざまですが、家族や友人、職場についてよく理解している同僚などに、普段話せないようなことを相談してみることも1つの方法です。
なかなか表に出せない自分の本音や、普段思っていても言えないことをほかの人に話すことで気が楽になり、ストレスの発散につながる可能性があります。場合によっては、ストレス源の解決につながるアドバイスをもらえるかもしれません。
2-3. 趣味に没頭する
スポーツや芸術など、仕事以外に自分が楽しめる趣味をもっている方であれば、休みの日などに趣味に没頭することでストレス解消につなげることができます。プライベートが充実することで、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。
特にこれといった趣味がない方の場合、手軽に楽しめる映画・ドラマ鑑賞や読書などもおすすめです。まとまった休みが取れた場合には、旅行やアウトドアなどで非日常を楽しむこともよいでしょう。何かに没頭する時間を毎日作りたい方は、筋トレやランニング、ヨガといった体力づくりに取り組むと、ストレス解消に加えて体力面での自信を身につけることができます。
2-4. 職場を変えてみる
職場の労働環境や人間関係など、自分だけでは変えることが難しいことに我慢できないほどのストレスを抱えている場合、職場を変えて気分転換を図ることで、ストレスを解消できる可能性があります。
ストレスに感じていることを職場に相談しても一向に改善されない場合には、転職を検討してみることも1つの方法といえるでしょう。
3. 転職する際の注意点
職場を変えることによって、現在の職場で感じているストレスから解放されたいと考えている方も少なくないでしょう。しかし、ストレスを理由に転職活動を進める場合には、注意すべきポイントがいくつかあります。ここでは、ストレスの少ない職場への転職を成功させるために重要なポイントを2つ紹介します。
3-1. 自分は何を優先したいのかしっかりまとめる
転職活動を始める際には、自分の優先事項をしっかり認識しておくことが大切です。「自分にとって生きていくために大切なことは何か」「仕事をする上で優先したいことは何か」を明確化するようにしましょう。
転職活動における自分軸を定めることに加えて、ストレスに耐えきれずに転職という方法を選んだ場合には、自分がストレスに感じやすい原因を突き止めることも重要です。
どうしても耐えられないポイントが「人間関係」なのか「業務量の多さ」なのか「収入の少なさ」なのかを判断し、そのポイントを回避できるような転職先を選ぶことをおすすめします。
3-2. しっかりと情報収集しよう
転職活動が成功して新しい職場に移っても、ストレスの原因を解消できていない場合には、前職と同様の状況に陥ってしまう恐れがあります。
転職先への入職前に、転職先の内情を確認するには限界があるかもしれませんが、インターネット上の情報や現職員・元職員の方の意見などを事前に可能な限り集め、自分がストレスを感じやすい要因がないかどうかチェックしておくことが重要です。
4. まとめ
看護師はやりがいの大きな仕事でもある一方で、「人間関係で悩みを抱えやすい」「責任の大きな仕事が多い」「業務量が多い」「給与と業務の内容・量が見合わない」など、ストレスを感じる機会が多い職業でもあります。
看護師として働き続けるためには、「休養をしっかり取る」「趣味に没頭する」など、自分にあったケアをこまめに行い、ストレスを溜めたまま放置しないようにしましょう。
現在の職場でどうしても耐えられないストレスを感じている場合には、転職して新しい環境に移ることも1つの方法です。自分がストレスに感じやすいポイントをきちんと把握した上で可能な限りの情報収集を行い、ストレスを感じにくい職場への転職を成功させましょう。
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