実は結構難しい!看護師の転職エージェント利用とおすすめサイト5選
看護師の皆さんが転職を考えたとき、どのように転職先を探しますか?
知人や友人の紹介であったり、ハローワークであったり、転職サイトの利用であったり、様々な方法があります。
転職エージェントを利用して転職先を探す人も少なくなく、相性のいいキャリアコンサルタントと出会えれば転職活動は一気に楽になります。
一方で、看護師の転職エージェントの場合はキャリアコンサルタント自身に医療現場での就労経験がないことから認識の齟齬や、温度感の違いを感じることが多く、サポートしてくれるはずのキャリアコンサルタントが逆に重荷になってしまうケースも多々あります。
今回は、そもそも転職エージェントの仕組みとはどういったものなのか、どんな状況であれば転職エージェントを頼るべきなのかを踏まえて、おすすめを交えながら説明していきます。
1. 看護師向けの転職エージェントとは
近年、CMでもよく耳にする転職エージェント。看護師の転職でもエージェント利用をする人は少なくありません。
転職希望者が利用する媒体の中にはハローワークや転職サイトが多く、数多くある求人情報の中から自分にあった転職先を探さなければいけませんでした。
しかし、転職エージェントを利用した場合は、最初の登録と面談を行うとあとはキャリアコンサルタントがその人に合った求人を探してくれます。
転職先を決めてから退職したいと思っていても、働きながら転職先を探して応募するのは困難。
そんな人を全面的にバックアップしてくれるのが転職エージェントです。
1-1. 転職エージェントの仕組み
転職サイトは主に成功報酬型と広告収入型の2つがあります。
転職エージェントは成功報酬型に分類され、受けられるサポートの手厚さから人気があります。
転職エージェントは求職者から予めヒアリングした条件に沿った求人を探して提案してくれます。一人の採用成功に対して所定の費用を支払うため、採用が確定するまで施設側も費用が発生しないのが特徴です。
採用が決まった際の費用の相場は、求職者の想定年収の20%〜30%になります。
初期費用がほとんどかからないので施設や病院側も始めやすいのですが、複数名採用の場合は費用がかさんでしまうため、審査の目が厳しくなりがちです。
1-2. 転職エージェントでできること
前項でも説明した通り、転職エージェントに登録した求職者にはキャリアコンサルタントが一人付き、内定受諾にいたるまでのサポートが受けられます。
登録から内定受諾までの間に受けられるサポートを並べると以下の通りになります。
・キャリア相談
・非公開求人の開示
・応募先の選定
・履歴書や経歴書の作成・添削
・面接練習
・応募先とのやりとり(スケジュール調整・内定辞退・内定受諾連絡等)
・退職のフォロー
その他にも「応募先の情報収集」など、自分でやらなければいけなかったことも、転職エージェントでは無料で代行してもらえます。
2. 直接応募するよりも採用されづらい?
「転職エージェントを使う人は採用されづらい」という話を耳にしたことはありませんか?
実際にそのようにエージェント経由という理由だけで不採用にする企業や病院はありませんが、時と場合によっては直接応募の方がいいこともあります。
ここでは転職エージェントを使ったほうがいい人と使わないほうがいい人の特徴をまとめ、解説していきます。
転職活動のメイン媒体に迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
2-1. 転職エージェントを使ったほうがいい人
転職エージェントの強みは、求職者の魅力を最大限に応募先へ伝えてくれることです。
例えば転職を繰り返している人や、離職期間が長い人は、面接前に不採用となるケースが多いでしょう。
キャリアコンサルタントは、こういった所謂書類選考に弱い人の魅力を応募先に伝えることに長けています。
また、産業保健師のように採用枠が限られている募集は、応募の殺到を防ぐために非公開求人となっていることが多いです。
・看護師歴が3年未満
・転職回数が4回以上
・離職期間が1年以上
・プライベートで優先事項がある(育児や介護・持病等)
・産業保健師など少数枠の希望
上記に当てはまる人は転職エージェント経由の方がスムーズに転職できるでしょう。
2-2. 転職エージェントを使わない方がいい人
それでは転職エージェントを使わない方がいい人とは?
まずはじめに、看護師はデスクワークや営業職以上に経験年数を重視されます。他の職種よりも年齢で落とされることが圧倒的に少ないです。
しかし、多くの病院や企業は新卒採用以外は即戦力を求めており、特にクリニックなどの小規模な施設は、看護師の平均給与の高さから成功報酬型の転職エージェントでは採用費が高くなりすぎてしまいます。
そのため、キャリアアップ転職のように次のステップを目指したある程度経験値のある看護師はできるだけ直接応募で採用したいのが実情です。
・現職で勤続3年以上経っている
・キャリアアップを目指している
・やりたい看護が明確である
・クリニックなどの個人経営・小規模な施設希望
上記に当てはまる人は転職エージェントではなく、病院や施設のホームページからの直接応募をおすすめします。
ただし、人気の病院や施設の場合は非公開求人にしている可能性も捨てきれないので、ホームページに募集掲載が無い場合は転職エージェントの利用も視野に入れてもいいかもしれません。
転職サイト・エージェントを利用しないほうがいい理由については「納得した転職をしたい看護師が転職サイトを使わない方がいい3つの理由」で詳しく解説しているので、利用を考えている人は必見です。
3. 転職エージェントを利用する際の注意点
転職活動に自信のない人にとっては大変ありがたい転職エージェントの存在ですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。
・転職エージェント利用でのNG行為
・キャリアコンサルタントと合わないと思ったら
上記2つについては特にトラブルになりやすいです。
スムーズに転職活動を終えるためにも、この2つについてはしっかり理解しておきましょう。
3-1. 転職エージェント利用でのNG行為
転職エージェントを利用する際に特に注意すべきNG行為は3つです。
・虚偽の申告
・面談の無断キャンセル
・SNSにおける本名での過激な発言
これらは転職エージェントに対してだけでなく、社会人として大変非常識な行為にあたり、場合によってはキャリアコンサルタント側からの支援を打ち切られてしまいます。
■虚偽の申告
転職エージェントに会員登録する際には基本的な個人情報の他に学歴や職歴、保有する資格を申告します。
また、面談でもこれまでの経歴や持病について細かく尋ねられることがあります。
「バレなければ平気」と経歴詐称や保有資格について虚偽の申告をして入社に至った場合、発覚した場合は解雇になることもあり今後の転職活動は難航します。
また、そういった経緯から再び転職エージェントに登録しようとしても解雇理由により求人を紹介してもらえる機会はかなり少なくなると考えてください。
■面談・面接の無断キャンセル
キャリアコンサルタントとの面談の無断キャンセルもNGです。
どんなに仕事やプライベートが忙しくても、キャンセルの場合は必ず当日中に連絡を入れます。
キャリアコンサルタントも複数の転職希望者を抱えているため、無断キャンセルなど不誠実な姿勢の人の優先順位は必然的に下がってしまいます。
特に求職者の方が認識できていないのは、転職エージェントの顧客(取引先)は内定先の企業だと言うことです。
転職エージェント自体、決してボランティア活動を行っているわけではなく、ビジネスの一環として人材紹介を行っており、求職者が自分の取引先に紹介できるほど信頼に足る人間かを見極める必要があります。
また、企業との面接を無断でキャンセルした場合も同様です。面接の無断キャンセルは転職エージェントの働きかけや営業活動により、折角得た信頼が一人の求職者のせいでゼロにしてしまう行為です。転職エージェント側からすれば、顧客を一人失ってしまったわけで、しかしそれを求職者に対して責任を取らせることはできません。
こうした非常識な行為を行った場合は利用停止になり、悪質だと判断された場合には5年間は同じ転職エージェントで仕事を紹介してもらうことはできなくなります。
■SNSにおける本名での過激な発言
昨今、SNS上での誹謗中傷から裁判に発展した事例は増加しつつあります。そのため、キャリアコンサルタントも企業も一度は求職者のアカウントが出てこないか調べることが増えました。
特に患者様や利用者様と密接な立場にある看護師にネットリテラシーは必ず身につけていてほしい社会常識の一つです。
勿論、本名でなければ何を発言してもいいというわけではありません。調べようと思えば何でも調べられる時代、ほんの出来心で投稿した内容が火種になってしまうこともあるでしょう。
情報漏洩など、リスクのある人間だと判断された場合はいかに経歴が優れていてもスムーズな転職活動はできません。
3-2. キャリアコンサルタントと合わないと思ったら
キャリアコンサルタントと合わない、信頼できないと思ったら必ず担当を変更してもらいましょう。
稀にですが、キャリアコンサルタント側もノルマを達成しようと希望条件ではない求人を無理やり勧めてくることもあります。逆に連絡が全然取れず、サポートを全く受けられないといったことも。
特に、医療職向けの転職エージェントを謳っていても、そこで働くキャリアコンサルタントに医療職経験者は多くありません。
転職のプロとしての視点でのアドバイスや支援が必ずしも求職者のニーズに合っているとも限りませんし、先述した通りノルマばかりを追いかけるキャリアアドバイザーもいます。
万が一、ご自身の担当キャリアコンサルタントが「合わないな」と思ったら必ず変更してもらいましょう。
看護師の転職サイト・転職エージェントでの断り方については「【コピペで簡単】しつこい看護師転職サイトの角の立たない断り方」で詳しく説明しているので、転職サイト・転職エージェント登録前に一度ご確認ください。
4. おすすめ転職エージェント5選
ここでは求職者のタイプ別におすすめの転職エージェントを紹介します。
どれも聞いたことのある会社ばかりだと思うので、何が得意なのかをざっくり説明しています。デメリットも含め、まずは数社登録してみてはいかがでしょうか。
4-1. 迷ったらとりあえずここに登録!【看護のお仕事】
登録する転職エージェントに迷った場合は、「看護のお仕事」への登録がおすすめ。
「看護のお仕事」は幅広い分野の求人を扱っており、定期的な病院訪問や取材を通して職場の環境など詳しい情報を持っています。
また、キャリアコンサルタントのヒアリング力が高く丁寧な対応に定評があることや希望求人の紹介だけではなく、入職後の生活やキャリアプランも考慮した求人提案力も人気の理由です。
デメリット:全国対応ではあるが、地域によっては求人数が少ないこともある。
4-2. 経験年数や空白期間のある人におすすめ【看護roo!】
第二新卒や看護師としてブランクがある人には「看護roo!」がおすすめ。
「看護roo!」は東京・大阪・名古屋・新横浜・神戸の5箇所で展開しており、注力エリアを限定することで手厚いサポートを実現しています。
面接対応や日程調整も柔軟に対応、転職後のサポートも充実しているため、第二新卒やブランクのある人でも安心して転職活動ができます。
デメリット:地方転職の場合は求人数が少ないことも。
4-3. 一般企業などの希少枠狙いの人におすすめ【マイナビ看護師】
一般企業や保育園といった医療機関以外への転職を考えるなら「マイナビ看護師」がおすすめ。
特に一般企業の産業保健師などは大変人気があり、非公開求人であることが多いです。
「マイナビ看護師」は大手転職サイトのリクルートが運営しており、一般企業など医療機関以外への繋がりが強いのが特徴です。
デメリット:情報が少し古い・間違っている場合がある
4-4. 地方でのキャリアアップ転職におすすめ【医療ワーカー】
地方での転職活動をすすめるには「医療ワーカー」がおすすめ。
「医療ワーカー」は全国31拠点展開しており、地方での求人数も豊富です。
また、40代以上のベテラン看護師の方に向けた求人も取り扱っており、これまでの転職支援実績から提携病院との強いネットワークがあるため、一般には出回っていない管理職求人も保有しています。
デメリット:連絡頻度が多く、今すぐ転職を考えていない人には不向き
4-5. プライベートとの両立に向けた転職におすすめ【ナース人材バンク】
ライフステージの変化などにより、柔軟な働き方を求める方には「ナース人材バンク」への登録がすすめ。
ナース人材バンクを運営する株式会社エス・エム・エスは、介護・医療・ヘルスケアの領域に特化しており、求職者のライフスタイルに合った選択ができるようサポ―トしています。
地域情報や子育て・介護中の方への理解があるキャリアコンサルタントが多く、プライベート重視の職場を探している人にぴったりです。
デメリット:キャリアアコンサルタントの実力に差がある
5. まとめ
転職エージェントでは忙しい求職者に手厚いサポートを得ることができます。
特に職歴や希望職種に偏りのある人には心強い味方になってもらえる場面が多々あります。
その反面、転職エージェント経由での転職には多額の紹介手数料が発生することから利用しない病院や施設があることも確かです。
・現職で勤続3年以上経っている
・キャリアアップを目指している
・やりたい看護が明確である
・クリニックなどの個人経営・小規模な施設希望
上記に当てはまる人は、まずは直接応募を考えてみてはいかがでしょうか。
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