看護師の転職に年齢制限はない!年齢別の転職事情を徹底解説
看護師の転職って、年齢は関係あるの??
そんな不安を感じる方もいるかと思いますが、
結論を言うと、看護師は何歳であっても転職ができます。
看護師は転職するにしても年齢の影響を受けづらい職種なのです。
年齢よりも経験が重視されることが多く、「キャリアップ転職」が叶いやすいことも特徴的と言えるでしょう。
しかしながら、看護師の仕事は精神的にも肉体的にも負担が大きく、希望する職場によっては年齢を理由に足切りされてしまうこともあるかもしれません。
ここでは看護師の年齢別におすすめの職について、求められるスキルや経歴・転職活動時にアピールすべきポイントを踏まえてご紹介いたします。
目次
1.看護師の転職は何歳でもできる
冒頭でも書きましたが、看護師の転職は何歳であっても可能です。
看護師の転職にあたって年齢以上に重要視されるのがスキルや経験年数であり、即戦力であれば転職に苦労することはあまりないでしょう。
しかしながら、三次救急や大学病院など急変対応や夜勤が多い職場や、クリニックなど小規模で人件費をあまりかけられない医療機関では20代〜30代の若い世代を積極的に採用する傾向にあります。
逆に、慢性期や精神科病棟、公務員看護師、介護施設・デイサービスといった職場では他職種との連携を求められる場面が多く、40代以上の経験豊富で判断力の長けている世代が有利とも言えます。
このように、同じ「看護師の転職」であっても、年齢によって求められるスキルや経験、ポジションは様々です。
転職を考えている人はぜひこの記事を参考に、転職について今一度考えてみてほしいです。
2.年齢別おすすめの転職先
ここでは年齢別のおすすめ転職先をご紹介します。
あくまでも年齢に見合った経験値での紹介なので、実際に応募を検討される場合は各職場の募集要項をしっかりとご確認ください。
2-1.20代の看護師におすすめ
20代の看護師におすすめの転職先は次の3つです。
・急性期病棟
・大学病院
・治験業界
いずれの職場も体力と知識の吸収力が必要になります。
特に急性期病棟や大学病院の場合は若手の教育に力を入れていたり、夜勤をこなせる体力や環境に対する適応力を求める傾向が強く、若手が採用されやすい傾向にあります。
また、治験業界においては、医療機関と製薬会社、被験者である患者の間に立ち、患者様の副反応などの不安や心理的な負担を理解し軽減する相談相手を務めて滞りなく治験を進めることが重要になるので、2〜3年ほどの臨床経験があると採用にもプラスになります。
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2-2.30代の看護師におすすめ
30代の看護師におすすめの転職先は次の3つです。
・大学病院
・総合病院
・クリニック
・訪問看護
20代同様にまだまだ伸びしろのある30代。若手時代以上に経験値があり、総合的な判断力がついている世代ともされ、即戦力として採用されることが多いでしょう。
昨今では結婚や出産などのライフイベントを迎える平均年齢が上がってきていることもあり、長く働くことを見据えて夜勤のない職場への転職に踏み切る人も多いのではないのでしょうか。
30代の看護師であれば、少なくとも一度はプリセプターや指導する立場を経験しているかと思います。
大学病院や総合病院では、ある程度経験を積んだ若手看護師はキャリアアップのために転職を選ぶ傾向が強く、経験と体力と指導力を持ち合わせた所謂「中堅看護師」世代は人気があります。
また、30代になれば家庭を最優先に考える人も多いでしょう。
「病棟勤務より給与が下がっても、ゆっくり働けるのがいい」と思えるタイプの方はクリニック、他職種との連携や自己判断が苦ではない方は訪問看護への転職もおすすめです。
ただし、個人経営の多いクリニックや診療所では育休制度や介護休暇の取得が難しい場合があるので注意が必要です。
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2-3.40代の看護師におすすめ
40代の看護師におすすめの転職先は次の3つです。
・介護施設やデイサービス
・訪問看護
・精神科
40代は子育ても一段落し、本格的に職場復帰を考える人も多い世代です。
しかしながら体力に不安が出てきたり、介護に対する不安もでてくる世代でもあります。
看護師のキャリアとして重要な分岐点にもなりうる40代の転職先ですが、一様にして言えるのは「看護師としての習熟度」だけでなく「人間性」についてもかなり慎重に見られるということです。
人間性というのは他職種との連携は勿論、リーダー職に就き始めた中堅世代の看護師に対するフォローなど、職場の人間関係を円滑に進められる柔軟性を指します。
また、介護施設やデイサービス、訪問看護のように社会福祉に関する医療現場では病院以上に患者様と密接した状態で看護をすることになるでしょう。
病院のように医療機器の整っていない環境での看護は高い判断力だけでなく、患者様の不安を取り除くことにおいても経験が求められます。
こうした介護や在宅医療の現場だけでなく、精神科病棟においても40代以上のベテラン看護師が求められる傾向にあるのは、豊富な人生経験にもあります。
これらの領域に共通して言えるのは「家族や周囲の協力が不可欠である」という点です。
その説明には精神状態の把握のための細かい観察力やアセスメント力であったり、患者様の状態を医療職以外の方にいかにわかりやすく伝えられるか、意見を吸い上げることができるかといったコミュニケーション能力が非常に重要になります。
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2-4.50代以上の看護師におすすめ
50代の看護師におすすめの転職先は次の3つです。
・介護施設やデイサービス
・訪問看護
・看護教員や保健センター等(公務員看護師)
40代の方にもおすすめしたように、介護施設や訪問看護の現場ではベテランならではの視点と安心感が求められます。その中で「現役の看護師として働くのは厳しい」「後継の育成に注力したい」と言う人におすすめなのが看護教員です。
公立看護学校の看護教員や保健センターは公務員の扱いでありながら年齢制限がありませんが、応募条件が定められています。
・5年以上の臨床経験があり、看護教員の養成課程を修了した方
・大学を卒業していて、看護職の専門分野の1つの業務を3年以上従事した経験があり、大学で教育に関する科目を4単位以上履修した方
上記のうち、どちらか一つを満たしていなくてはいけないので注意が必要です。
看護教員や保健センターなどの医療機関でない職場は高倍率になるので転職を思いついたら早めに転職活動を始めましょう。
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3.【年代別】転職理由とアピールポイント
面接で絶対に質問される転職理由。中には人間関係等、正直に面と向かって伝えづらい理由もあるかもしれません。
ここでは年代別に挙がりやすい転職理由とそれを元にしたアピールポイントを解説します。
3-1.【20代】転職理由とアピールポイント
・キャリアアップしたい
・人間関係が辛い
・もっといい待遇で働きたい
看護師になって4年目くらいになると「看護師」という職種そのものにも慣れ、次第にキャリアアップを視野に入れる人も増えてくるでしょう。
大きな病院であれば人事異動などで、自分が希望していない部署への異動が決まってしまうなど、望まない労働環境から抜け出す力が備わっている世代とも言えます。
その中で注意してほしいのが、周囲が転職し始めたからなんとなく自分も、といった不明瞭な動機で転職活動を始めてしまうことです。
20代の看護師は引く手あまたですが、体力・学習能力の他に「長く働いてくれるのか」という点が重要視されます。
・現職場でのコミュニケーションで工夫したことを伝える
・環境になじむために工夫したことを伝える
これらをアピールすることで、体力面や柔軟性だけでなく、自身の人柄であったり、経験の中で培ってきた看護観・目指す看護師像を伝えることができるでしょう。
3-2.【30代】転職理由とアピールポイント
・次のライフステージを意識した働き方がしたい
・専門分野を極めたい
・スキルを磨きたい
30代の看護師は看護師としても個人としても様々な経験を積み、ある程度指導する立場を経験している人が多いでしょう。
世間的には30代といえば結婚や出産でライフスタイルに大きな変化を迎えやすい世代でもあります。
長い目で見て、子育て等が落ち着いたら再びバリバリ働きたい人には異動や人手があり、福利厚生も整っている総合病院・大学病院で「長期的に働きたい」「将来的には管理職も視野に入れいている」といった安定した継続的な労働意欲をアピールするといいでしょう。
一方で家族との時間を大切にしたい、シフト制でなく定休で働きたいといった場合にはクリニックを目指す人もいるでしょう。
クリニックは事務的な「興味関心のある分野で活躍したい」「地域医療に貢献したい」といった“今の自分にできること”を全面に押し出してアピールするといいでしょう。
3-3.【40代】転職理由とアピールポイント
・子育てが落ち着いたのでガッツリ働きたい
・体力的にきつい
・管理職を目指したい
子供が就学し、手がかからなくなる代わりにお金がかかるようになってくるようになります。
せっかくバリバリ働けるようになったのだから、将来を考えて少しでも給与の高いところに転職をと考える人が出てくる世代でしょう。
看護師の世界でも40代はベテランの扱いになり、一つの病院でずっと努めてきた人は看護師長に昇進している人も出てきます。
40代の看護師の転職には、対人関係のトラブルとの向かい方やコミュニケーション能力、後輩に対しての指導力、リーダーや管理業務経験の有無、といった総合的な経験値が求められます。
20代のように「夜勤で稼ぐ」ことが体力的にも家庭的にも難しい人は管理職につくことにより給与のベースアップを図ることができます。
看護師の役職就任にはキャリア年数が必要となることがありますが、看護主任のように現場業務と看護師長業務の補佐を担う場合には「どういった経験をしてきたか」が重要視され、役職候補として入職することも可能です。
また、近年では非公開求人として役職者の募集を出している病院もあり、転職者にとっては最短コースになるのではないでしょうか。
3-4.【50代以上】転職理由とアピールポイント
・患者様一人ひとりに向き合いたい
・昇進したくない
・長く働ける職場に移りたい
人手不足が続く看護師業界では、50代以上で転職される方も珍しくはありません。
しかしある程度の勤務年数や経験年数になると昇進の話が上がるのも事実です。
また、看護師は経験年数で給与が上がっていくので、20代や30代の採用費よりも50代の採用費のほうが相場としては高くなる傾向にあります。
50代以上の看護師には技術面は勿論のこと、円熟した人間性や現場をまとめる力・マネジメント能力が備わっていることを前提とされるでしょう。
看護師といっても様々な世代・性別・思考の人が重い責任の元に働いており、個々の衝突を避けたり緩衝材のような役割を求められるのが50代以上の看護師とも言えます。
転職の際に重要になってくるのは、自分に求められているものをしっかり認識した上で「できることと実現したいこと」をアピールすることです。
こうした理由から、管理職や相談役として働き、定年まで職場に貢献してくれることを期待して採用されることが多いです。
4.まとめ
看護師は転職するにしても年齢の影響を受けづらい職種です。
年齢よりも経験が重視されることが多く、「キャリアップ転職」が叶いやすいことも特徴的と言えるでしょう。
しかしながら、ライフプランや体調など、考慮すべき事由が増えると選択肢が減ってしまうことも事実です。
「今の自分ならなにができるのか」を分析しながら、看護師としての長期的なキャリアプランを練ることが転職成功につながるカギになります。
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