看護師が勉強する上で復習をメインにすべき理由と効果的な勉強法3選
看護師になったけど「毎日勉強でしんどい」「どこまでやったらいいの?」と思ってしまう場面多くありませんか?私も新人で手術室に配属された時には睡眠時間3時間で頑張っていました。今思い返してみると凄い無駄な時間も多かったし、見えない不安の解消のために頑張っていたように感じます。
訪問看護ステーションを経営して、色々勉強している中で根拠をもってお伝えできるようになり、悩んでいる看護師に是非伝えたいと思って記事を書きました。
ここでまず伝えたいのは「予習はせずに復習だけをしよう」ということです。
人間は忘れてしまう生き物であるはずなのに、予習を頑張りすぎて、復習を疎かにしていたと強く感じます。その上で「ルールを決めて」「1冊の本を使用して」「病棟(ステーション)」にあるものを参考」にできれば劇的に仕事の仕方が変わることを確信しました。
是非勉強方法に悩んでいる方は、明日からワークライフバランスが取れること間違いないので是非参考に読んでみて実践してみてください。
目次
1 看護師が復習をメインに勉強すべき絶対的な理由
新人看護師はとにかく仕事と勉強に追われてしまって、体調を崩したり、人によっては「看護師を辞めたい」となってしまう方が多くいます。それは、不安からくる勉強しなきゃという想いが強いように感じます。実際予習は際限もなく、新たな患者さんを担当する場面しか、新人時代はきません。
だからこそ断言できるのは「勉強は復習をメインにする!」ということです。論知的根拠と経験でも「なるほど」と理解できると思うので説明していきます。
1-1 人の脳は学んだことの56%は1時間で忘れる
多くの方が知らないんですが、ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスが提唱した「エビングハウスの忘却曲線」で人は学んだことの56%が1時間で忘れられてしまいます。
人の脳は1度勉強したことを1時間後には56%忘れ、1日後には74%、さらに1週間後には77%、1カ月後には79%を忘れるとされています。個人差はありますが、半分以上忘れてしまう事実があります。これを忘れないようにするには繰り返すことです。だからこそ、復習して、次勤務時に活用することが記憶の定着にも繋がり、経験として大きくなります。復習を強く勧める大きな理由の一つになります。
1-2 実習での学びは未来永劫忘れない
看護学生時代経験した実習ですが、皆さん覚えていますか?私自身疾患や対処方法は今でもよく覚えています。これは繰り返し学び、復習を行った大きな成果と言えます。逆に事前学習でとにかく資料をコピーした疾患は何をやったかすら覚えていないはずです。皆さんも復習の大事さや記憶の定着は理解しているはずなのに、無駄な時間を多く費やしてしまいます。とにかく予習を頑張るのではなく、その日学んだ復習を行って、日々の業務を行っていきましょう!
2 看護師の効果的な勉強法3選
復習が大事なのにどんな勉強がいいかわかりませんよね。まず第一に必要なのは「ルールを決めること」です。なかなかルールや項目を決められない看護師が多いので今回は参考事例で紹介します。その上で、準備するノートは1冊あるいはレビューブックの活用をすることで、より復習しやすい環境を作りましょう。お金も時間もかけないためには、病棟にある本が1番の参考書になりますので、是非時間も無駄なく勉強していきましょう。
2-1 受け持った患者さん3人だけ復習する
新人看護師は受け持つ患者さんは多くはありません。でも5人近く受け持つことは多くあります。ここで陥るのは全員完璧に行おうとしてしまうことです。1日でできることは限られています。仕事は単純に考えて月平均20日勤務としても年間240日は勤務します。毎日必死にやるのは限界があります。だからこそ、3人だけ復習すると決めましょう。その上で勉強すること項目も3つと決めて実施するようにしましょう。項目に悩むようでしたら「疾患」「薬」「治療法」「必要な看護」「アセスメント」の中から選定しましょう。やりすぎても覚えないので、必ずこの決めたルールで勉強を意識してください。3人しっかり抑えておけば先輩からの信頼はしっかり得られるので大丈夫です。
2-2 ノートは1冊だけ準備する
復習する際に色んな資料をコピーしたり、日によって持って行く本を変えたりする看護師がいます。これは記憶できていないものを持って行くだけなので意味はないです。日々の積み重ねが大事になりますので、必ず1冊ノートを用意して積み上げるようにしましょう。そうすると復習も容易ですし、久しぶりにみる患者さんも思い出しが簡単になります。
どうしても資料がないと不安、参考書があったほうがいいと感じる方はレビューブックに書き込むようにしましょう。国家試験対策でも重宝したレビューブックですが、一番簡潔にまとまっています。これに肉付けするのも1つのやり方ですが、大きいので見直しにくいので1番はノートです。
2-3 復習には病棟にある本を参考にする
多くの看護師が見過ごしていますが、病棟に置いてある本は宝物です。なぜなら必要だから病棟で購入しているので、参考にならない訳がありません。どうしても自分で参考書を購入したがる看護師が多いですが、お金も時間も無駄です。勉強したい項目があれば借りれるなら借りて、難しければ必要な箇所だけコピーしましょう。ここでも沢山コピーではなく、必要な項目が記載されている箇所だけ持ち帰るようにしましょう。記憶の定着には書き移すことも役立つので、自分のノートに書き移すことも効果的なのでやりやすい方法を見つけましょう。
2-4 先輩から指示されて、予習するなら30分と時間を決める
復習をメインにすべきではありますが、先輩から指示された場合などは30分と決めて勉強をしましょう。患者さんがイメージできない状況での予習は効果的にはかなり薄く、記憶の定着にはなりません。もし行うなら時間を決めたうえで、何を予習したいのか2-1のルールを参考に3項目だけ決めて学べばダラダラ勉強することにならないです。
3 看護師が勉強する上で知っておくべきこと
ここまで復習をメインにし、勉強方法を伝えました。絶対的に看護師の皆さんにお伝えしたいのは、勉強に終わりはないということです。特に新人時代はとにかく完璧にしようと焦ってしまう方を多くみてきました。私自身10年以上看護師をしていても、まだ勉強することは多くあります。それは医療は変化と進化をしているのと、このコロナウイルスの状況下でわかりますが、環境は変化するためです。だからこそ勉強は必要ですが、際限がないんです。不要な不安にかられるのではなく、自分で決めて日々成長することが大事ですので、納得するまでではなく、自分のボーダーラインを決めて取り組むようにしましょう。
4 対象別看護師の勉強方法
ここまでは現役で働いている看護師、特に勉強方法が確立されていない新人看護師にフォーカスを当ててお伝えしてきましたは、ここではそれぞれの状況に合わせた勉強方法をお伝えしたいと思います。
4-1 ブランクありの看護師の勉強方法
ブランクありの看護師が勉強する方法は就業後は2章と変わりありません。ただ久しぶりに働くので事前に勉強したいと考える方も多いので、その方へのオススメは再就職部署の専門分野の著書を1冊購入することです。やはり経験しているだけにイメージがしやすいはずなのでその分野を知ることで安心して就業できます。もし部署や就業先が決まっていなければ基礎看護技術の本がオススメです。ある意味復習になるので、イメージするのも容易なはずです。
4-2 看護学生の勉強方法
看護学生が国家試験合格に向けての勉強方法は<看護師になるには?国家試験合格のための代表的な3つの方法【目的別】>の記事に詳しく書いてあります。国試前だとしても主に勉強すべきは記事の中にもある「レビューブック」を勉強することをオススメします。内容は薄いですが、学ぶべき項目は網羅されていますので、学生は不安があればレビューブックで学ぶことが重要になります。
4-3 認定看護師や専門看護師などの資格取得のための勉強方法
資格に関しては勉強方法より大事なのが目的になります。その資格をとって「どんな看護師になりたい」のか、「将来何を目指したい」のかが重要です。< 目指すべきは認定看護師?専門看護師?比較表をもとに徹底解説!
>をまずは参考にすることをオススメします。その上での勉強方法は、その分野にいる人に聞くのがオススメです。自身の資格取得を持っている人を探して聞いて真似ることが1番効率的で確実です。
5 まとめ:予習ではなく復習だけしよう!
看護師が働きながらするべき勉強は、「予習ではなく復習」が重要になります。「エビングハウスの忘却曲線」でもわかるように、人はすぐに忘れてしまいます。そのため現場で経験しながら復習すことが知識や経験に繋がります。その上で「ルールを決めて」「1冊の本を使用して」「病棟(ステーション)」にあるものを参考」にできれば劇的に仕事の仕方が変わります。是非しんどい予習は辞めて、復習一本にしてライフワークバランスを整えましょう!