2018.11.28 |
訪問看護の起源といえる派出看護が登場したのは1891年。慈善看護婦会という名称のもとに派出看護婦会が作られ、看護師や助産師が家庭や病院に赴き、看護サービスを提供する施設が日本で初めて作られました。当時の派出看護には料金は4等級に分かれ、貧困者には無料で看護サービスが提供されていたそうです。
1892年には病院を基点に、看護師らが訪問する巡回看護婦制度が発足。看護師と伝道師が共に貧困家庭を訪問し、この巡回看護のあり方は後の母子保健活動へつながったとも言われています。1930年以降の世界的な不景気の影響もあり、派出看護は減少していきます。
1971年には東京 東村山市で寝たきりの高齢者を対象に訪問看護サービスが開始。1974年には東京 新宿区が訪問看護をはじめ、板橋区には訪問看護室が設置されるなど、訪問看護活動が広がりはじめました。
広がりを見せていた訪問看護ですが1970年代は訪問看護に対する診療報酬はなく、訪問看護は病院のサービスの一部という位置づけでした。報酬は交通費の実費程度をいただいていたようで、診療報酬がつくられたのは1988年の退院患者継続看護・指導料となりました。
1980年代は老人保健法の成立と共に訪問看護が普及していきます。
1982年 | 老人保健法の制定 |
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1991年3月 | 老人保健法の改正により、老人訪問看護制度が発足 |
1992年4月 | 在宅にて寝たきりのご老人等へ、老人訪問看護ステーションから訪問看護がスタート |
1994年10月 | 健康保険法等の改正により全年齢の在宅療養者に訪問看護が提供できるようになる |
2000年4月 | 介護保険法の実施 |
2008年4月 | 後期高齢者医療制度の実施 |
2011年 | 改正介護保険法が制定され、介護保険は3年おきに見直しと改正が行われるようになる |
参考
熊倉 みつ子(2013-10-25)「地域医療における訪問看護の役割(〈特集〉地域医療)」,Dokkyo Journal of Medical Sciences, pp.241-247
公益財団法人 日本訪問看護財団(発行年不明)「訪問看護等日本訪問看護財団を巡る動向」, <http://www.jvnf.or.jp/gaiyo/chronicle.html> 2018年11月9日アクセス.