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2019.05.16 |

訪問看護のマナーとは【知っておきたい・身につけたい入室前~退出後まで】


訪問看護のマナー ペットの毛

今年春から初めて訪問看護にチャレンジしている看護師の方も多いのではないでしょうか。訪問看護は利用者様のお宅に上がるという点で、病院と大きく異なる環境でケアやリハビリを行うことになります。そのため、訪問看護のマナーは言葉遣いだけでなく、ご自宅での振る舞いも含めて知っておく必要があります。今回はリカバリーで指導している訪問看護におけるマナーの心得をまるっと紹介いたします!

目次

1 家に上がる前から!入室前のマナー

実は、ご自宅に上がらせていただく前からマナーは始まっている!といっても過言ではありません。特に、初めて伺う利用者様や訪問看護サービス前の契約といった大切な日は特に気をつけたいところです。ここではあえて病院勤務でも共通するような髪型、爪の長さといった基本的な身だしなみについては割愛します。

1-1 ユニフォームのニオイエチケット訪問看護のマナー においエチケット

喫煙をする場合は、訪問の前に臭いを軽減するスプレーをしたり、喫煙は制服着用の前にしたり、上着をはおって臭いがつかないように喫煙するなど、工夫をしておきましょう。
利用者様やそのご家族の中にはたばこの臭いが苦手な方もおられ、意外とたばこの臭いがクレームや担当変更依頼につながってしまうこともあります。
また、自分が吸っていなくても喫煙をされる利用者様のお宅に行き、服に臭いがついてしまう場合もありますので気をつけたいですね。
また、出先で食事を済ませた後に訪問をする場合は食事の臭いにも気を配りましょう。

1-2 アレルギーのある方のために!ペットの毛やホコリはしっかり取る

訪問看護のマナー ペットの毛

ペットを買われている利用者様のお宅に訪問すると靴下や服につくのがペットの毛。ご自宅に上がらせてもらう前にエチケットブラシなどで取るようにしましょう。
理由は、単に身だしなみの問題だけでなく、利用者様やそのご家族の中にハウスダストや猫アレルギーなどのある方がおられる可能性があるためです。まれに、訪問開始前に利用者様やご家族様から「アレルギーがひどいため、猫を飼われている方は担当から外してほしい」と頼まれることもありますが、そうでない場合であったとしても、気をつけておきたいですね。

1-3 介入時間ピッタリの入室を!

訪問していて、10分、15分前にご自宅に到着するのはよくあること。しかし、早く着いたからといって早めにお宅に上がらせてもらうことのないように!!必ず介入時間どおりの入室を心がけましょう。ビジネスシーンの場合は、アポイントの時間の5分前くらいであれば、許容範囲とする傾向にあります。来客前の準備をされている場合もあるので、アポイントがあっても約束時間より早すぎる訪問は避けたほうがよさそうです。

1-4 インターホンを鳴らす前に!上着は脱いで持っておく

上着のたたみ方

忘れがちですが大事なマナーとして、お宅に上がる前にコートなどの上着を脱いでおくというマナーがあります。これには室内にちりやホコリを持ち込まないため、という意味合いがあります。上着は外側を内にして折り、利き手とは反対の腕にかけてもちましょう。

2 入室&ケア中も気をつけたいマナー

靴を脱いだ後に揃えるのは現役訪問看護師の方々も実行済みと思いますが、揃えて置く位置があることを知っている方は少ないのではないでしょうか。入室後のマナーも見ていきましょう!

2-1 靴は脱いだら下座にそろえて置く

玄関にも上座と下座があります。上座には花瓶や雑貨がおいてあったり、下駄箱に飾り棚がついて物が乗っているような場合は、下駄箱側が上座となります。靴箱としてのみ使われていたら玄関の方が下座になります。
そのため、利用者様のお家の玄関次第で、靴は揃えて置く位置が変わります。もし下駄箱の上にお花が生けてあったり、絵が飾っていたら上座になるので、そこから遠い位置に置くようにしましょう。

2-2 自分が座るべき下座の位置は入口に一番近い席

訪問看護サービスの始まる前に契約のためにお宅に上がらせてもらうことがあります。
案内された席に着席しますが、客間に通された場合で特に案内がなければ下座に座るようにしましょう。

和室の場合の下座

和室の上座と下座

  • 床の間が遠く、入口に最も近い席
  • 庭園が見えるような間取りの場合は、庭園を背にした席(庭園を眺めることのできる席が上座となるので、たとえ入口に近い席であっても、この場合は上座となる)
洋室の場合の下座

洋室の上座と下座

  • 入口から一番近い席
円卓テーブルの場合の下座

円卓の上座と下座

  • 入口から一番近い席

2-3 バッグは椅子やテーブルでなく床に置く

無意識にやってしまう人が多いのがバッグをデスクやテーブルの上に置く行為ですが、これもマナー違反にあたります。バッグは地面に置いたり自転車のかごにいれることもあり、テーブルに置くのは衛生面から避けたほうがよいためです。
どんな小さなバッグでも、置くときは床に置かせてもらうようにしましょう。これは利用者様のご自宅でも、事務所の机でも同じです。

2-4 茶菓子を勧められたら基本は気持ちを頂戴し丁寧にお断り
訪問看護のマナー 茶菓子は断る

2-4-1 互いの負担にならないよう、初めのうちにお断りする

訪問先でお茶やお菓子を勧められる場合があり、一般的には、遠慮しすぎるのはかえって失礼にあたり、ありがたく頂戴しておくということが言われますが、勧められた場合は基本的には気持ちを受け取り、感謝をしながらも丁寧にお断りするのがベターです。一般的なマナー上ではありがたく頂戴しておくべきかもしれませんが、利用者様への訪問期間が長くなるにつれ、かえって利用者様やご家族の負担となってしまう場合があるからです。

2-4-2 利用者様・ご家族との関係性、地域柄も考慮して柔軟な対応を

ときには例外もあり、一緒に茶菓子をいただくことでご利用者様やご家族様のお気持ちを汲むことも時には大切です。例えば、独居の利用者様の中には、お昼ご飯を訪問看護師と一緒に摂ることを楽しみにされており、一緒に食事をすると涙するほど喜ばれる、といったこともあります。また、お正月には作ったおせち料理を利用者様のご家族と交換することもあると聞きます。利用者様・ご家族との関係性、地域柄も考慮し、ステーションによってのルールがありますので、所属ステーションの取り決めを確認しておきたいですね。

2-5 ケア中に緊急の電話が鳴ったら一言お声がけをして静かに退室

最近、訪問看護ステーションでも1人1台携帯電話やスマートフォンを貸与するところがあります。ケア中に何度も携帯電話が鳴って緊急性が高いような場合、利用者様とご家族に一言「急ぎのお電話が入ってしまったようなので、一度外させていただきます」とお声がけし、廊下や外で電話応対をするようにしましょう。会話も手短に、声の大きさにも気を配りましょう。

2-6 何気ない会話もしっかり「敬語」を維持!

利用者様・ご家族とのお付き合いが長くなり関係性が築けてくると、うっかり言葉遣いが砕けてしまうときがあります。しかし、どんなに信頼関係を築けていたとしても敬語を心がけるようにしましょう。看護師である以前に、サービスを提供する営業マンでもあるという認識を持つようにしましょう。

2-7 手洗い場を借りるときも一言確認を

訪問看護は、ご自宅にあるものを、ときにはひと工夫して使わせていただき、利用者様の療養生活をサポートします。そのため、どんなものをお借りするときも、一言お声がけする心構えを。ご自宅で手を洗わせていただく場合も、利用者様宅のものをお借りすることになりますので、一言確認するようにしましょう。また、手を拭くときは自身のハンカチを使うようにしましょう。

3 また来てほしいと思わせる訪問看護師になる!退室マナー

訪問看護師は、利用者様やご家族と数年に渡って関わることがあります。円満な信頼関係を築いていくためにも、ケア後のマナーも覚えておきましょう。

3-1 サービスが終わったらしっかりと挨拶

訪問看護サービスが終わったら、利用者様、ご家族にお声がけし、挨拶をして退室しましょう。忘れ物がないよう、使用した物品はバッグにしまい、お借りしたものがあれば返却するようにしましょう。

3-2 最後の印象を左右する!ドアの開け閉めは静かに丁寧に

最後に印象を左右するのが「ドアの開け締め」なのです。素晴らしいサービスを行っても、ドアをバタン!と音を立てて閉めると「あの訪問看護師さん、雑っぽい…」なんて思われてしまいます。最後までしっかり気を抜かず、ドアは両手でそっと閉めるようにしましょう。

3-3 上着は外で着用を!

利用者様、ご家族に挨拶を済ませ、玄関を出た外で上着を着るようにしましょう。寒い雨の日など、ご家族から室内での上着着用の勧めがあれば、お言葉に甘えてもOKです。

4 これってマナー違反!?リカバリーしらべ訪問看護業界暗黙ルール

訪問看護ステーションで働くまで知らなかった!という暗黙ルールが業界では存在します。今回はよくある暗黙ルールを紹介します。

4-1 トイレは借りず外で済ます

どこの訪問看護ステーションでも同じような暗黙ルールがあると思いますが、お手洗いは基本的に外で済ませ、お借りしないようにします。そのため、訪問に行く道中、トイレが借りられるお店やイートインスペースがあるコンビニエンスストアなどもこまめにチェックするようにしましょう。

4-2 マスクをして訪問に行ってOK?理由をお伝えして了承いただければOK

訪問看護のマナー マスク
インフルエンザや花粉シーズンに起きる「マスク着用」に関する問題。訪問看護の現場では、訪問看護師がマスクをして利用者様宅に訪問に行くことで「風邪を引いている看護師を訪問させているのか?」と誤解・クレームにも繋がりかねません。
しかし、双方の感染予防という観点からも、マスク着用による感染症予防対策は時には必要です。
そのため、リカバリーでは安全衛生管理規定という会社の規則で感染症予防についてルールを設けています。訪問先で感染の恐れがある場合、訪問看護師は訪問先の情報を収集をし、感染の危険がある場合には上長に相談をし、その都度対応を検討するようにしています。
また、この規定では会社は社員が感染症にならないように対策することが決められていますので、社員がアレルギーやハウスダストで体調に影響が出そうな場合は、マスク着用を勧めるなど、感染予防には細心の注意を払って取り組んでいます。

4-3 ご自宅をキョロキョロするのは控え、環境アセスメントはさりげなく行う

訪問看護師たるもの、ご自宅にお伺いをしたら「転倒しやすい段差は…?テーブルの上の食事ってどんな感じだろう…?」というように、利用者様の環境整備が気になりますよね。かといって、観察しすぎる素振りは利用者様やご家族の不信感につながるのでNG!ご自宅に上がったら、環境アセスメントはさりげなく行うようにアセスメントスキルを磨いていきましょう。

いかがでしたか?こんなにたくさんのこと、一気にできる自信ない!という方もいるかもしれませんが、今回挙げたマナーは利用者様やご家族のみならず、居宅などへの挨拶回りに出かける際にも心得ておきたいものばかりです。

訪問看護のマナー 一覧

いちばんは「自分が家に人を招いたときにされたくないことはしない」ということを心にとめておきましょう。

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