看護師の勤続年数によるボーナス平均額を大公開
看護師として働く中で、半年に1度のボーナスは気になるのではないでしょうか?看護師は、どのくらいの金額が支給され、支給額に関係することは何かも知りたいと思います。
できれば、ボーナスが多く支給される職場で働きたいと願うでしょう。また、看護師は他職種と比較してボーナスが多いのか、ボーナスの使い道も気になるポイントです。そこで、看護師のボーナス事情について、勤続年数ごとや年齢別の平均額などデータを交えながら紹介していきます。
※データ出典元:
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」
日本看護協会「2019年病院看護実態調査」
目次
1 看護師のボーナス平均額はどれくらい?
看護の仕事は、看護師・准看護師・看護補助者に分かれます。それぞれ、どのくらいボーナスが支給されているのでしょうか?職種別の勤続年数と病院の規模によるボーナスの支給額を下記の表にしました。
<職種別の勤続年数>
経験年数 | 看護師 | 准看護師 | 看護補助者 |
1~4年 | 73.8万円 | 48.5万円 | 30.2万円 |
5~9年 | 83.6万円 | 58.8万円 | 39.4万円 |
10~14年 | 95.4万円 | 63.9万円 | 45.4万円 |
15年以上 | 97.2万円 | 75.9万円 | 53.4万円 |
<職種別の病院規模>
職員数 | 看護師 | 准看護師 | 看護補助者 |
10~99人 | 67.7万円 | 67万円 | 46.1万円 |
100~900人 | 77.4万円 | 77万円 | 44.8万円 |
1000人以上 | 91.9万円 | 92万円 | 39.5万円 |
どの職種も勤続年数が長くなると、ボーナスの支給額も増えているのが分かります。ボーナスの支給額を増やすには、同じ勤務先に長く勤務することです。病院の規模も大きくなると、ボーナスの支給額も増える傾向があります。
しかし、看護補助者に限っては、病院の規模が小さい方がボーナスの支給額が多いです。病院の規模が大きくなると、ボーナスの支給額が減ります。
1-1 看護師の年齢別ボーナス平均額
看護師の年齢別のボーナスは、どの年齢が多く支給されているのか?知りたいと思います。年齢を5歳ごとに区切り、ボーナスの平均額を表にしました。
年齢 | 女性 | 男性 |
20~24歳 | 46.8万円 | 45.4万円 |
25~29歳 | 74.9万円 | 78.9万円 |
30~34歳 | 78.1万円 | 84.6万円 |
35~39歳 | 83.4万円 | 95.1万円 |
40~44歳 | 90.8万円 | 94.6万円 |
45~49歳 | 99.5万円 | 94.3万円 |
50~54歳 | 99.8万円 | 116.4万円 |
55~59歳 | 95.8万円 | 115.0万円 |
60~64歳 | 71.0万円 | 54万円 |
65~69歳 | 47.0万円 | 22.0万円 |
70歳~ | 51.0万円 | 23.0万円 |
表より、看護師の年齢別のボーナス平均額は、男女ともに「50~54歳」がピークの年齢であることが分かりました。そして、年齢とともにボーナスの支給額も増える傾向がみられます。
50~54歳は、女性看護師よりも、男性看護師のほうが多く支給されています。なおかつ50代の男性看護師は、ボーナスの金額が40代よりも10万円ほど増え、100万円を超えています。その背景には、役職がついていることが要因です。
そして、60歳以降になると、定年退職からボーナスの支給額が減少しつつあるのも分かります。
1-2 看護師の経験年数によるボーナス平均額
看護師の経験年数とボーナスの支給額について、経験を積み重ねるとボーナスの支給額も増えるのでしょうか?看護師の「経験年数別」のボーナス平均額を表にしました。
経験年数 | 女性 | 男性 |
1~4年 | 72.4万円 | 75.2万円 |
5~9年 | 81.0万円 | 86.2万円 |
10~14年 | 84.5万円 | 106.5万円 |
15年以上 | 95.2万円 | 99.3万円 |
看護師は、男女ともに経験年数が長くなると、ボーナスの支給額も増える傾向が分かります。表を見ると、女性の場合は「15年以上」男性の場合は「10~14年」の経験年数が最も多くボーナスが支給されているのが分かります。
女性看護師の場合は、経験年数「5~9年」と「10~14年」のボーナスの金額にあまり変化がありません。この背景には、結婚や出産、育児によるライフステージの変化が要因として考えられます。
一方で男性看護師は、経験年数10年を機会に昇進や専門性を磨き、スキルアップからボーナスの増額がみられます。
1-3 看護師の病院規模によるボーナス平均額
病院の規模によって、看護師のボーナスの支給額は変わるのでしょうか?「病院規模」によるボーナスの平均額を表にしました。
職員数 | 女性 | 男性 |
10~99人 | 66.9万円 | 68.5万円 |
100~999人 | 74.2万円 | 80.6万円 |
1000人以上 | 93.9万円 | 90万円 |
男女ともに、勤務先の規模が大きくなるとボーナスの平均額も多くなることが分かります。従業員数が1000人以上の大規模病院は、国立病院や大学病院、総合病院などです。
次の項「看護師のボーナス査定基準」でも詳しくお話しますが、看護師のボーナスは、基本給がベースとなります。大規模病院は、ベースとなる基本給が高いため、ボーナスも高い傾向があります。高額なボーナスを希望する場合は、基本給にも注目しましょう。
大規模病院で特に高額で安定しているのは、国公立の大学病院や国立病院機構の病院です。国立病院機構で働く看護師は、準公務員看護師となります。基本給に対する年間のボーナス倍率は、公務員に準じます。
そのため、基本給の「年間4,2倍」相当のボーナス支給額です。ちなみに、民間病院でも同様のボーナスが支給されるところもあります。
2 看護師のボーナス査定基準
看護師のボーナス査定基準は、一般企業と異なり数字で評価するのが難しいです。基本的にボーナス査定は行われません。勤怠や年次、役職から判断されるのが一般的です。
看護師のボーナスは、基本給がベースとなります。「基本給の○カ月分」として支払われ、勤続年数が長くなると支給される金額も増えます。職場は頻繁に変えず、1つの職場で長く勤務することがボーナスを増やすコツです。さらにボーナスを増やすためには、役職に就く方法もあります。
ここからは、看護師のボーナスの注意点もお話します。普段の勤怠管理が出来ていないと減給の対象です。病院や福祉施設などは経営状況が悪化すると、ボーナスのカットや支給されないこともあります。勤務先によっては、ボーナスの変動が激しいところもあるのが現状です。役職が就くと基本給は上がりますが、残業代が出ない職場もあります。基本給が上がっても手取り額が減る場合もあるので注意しましょう。
3 看護師のボーナス支給時期
看護師のボーナスが支給される時期は、一般企業と同様に夏と冬の年2回が基本です。
年に2回支給される場合、夏が6~7月で冬が12月であることが一般的です。支給される日は、勤務先によって異なります。夏のボーナスよりも冬のボーナスの方が、多く支給される傾向があります。忘年会や年末の備えなど出費が多いので、冬のボーナスは家計に助かります。
基本的には年に2回ボーナスが支給されますが、まれに年3回の支給がある病院もあります。支給される時期として多いのが3月です。これは、病院の収益がプラスになった場合に臨時で支給されるボーナスです。そのため、毎年3月に支給されるわけではありません。しかし、なかには病院の収益に関係なく、年に3回支給されるところもあります。
残念ながら、正社員として採用されても、ボーナスの支給が全くない病院もあります。ボーナスの支給に関しては、事前に確認するようにしましょう。
4 看護師以外の職種と比較
他の女性職種は、年間にどのくらいボーナスが支給されているのか気になると思います。一般的な職業と医療職と分けて、表にしました。
※ちなみに、看護師の年間ボーナス支給額は平均で、約815,100円です。多職種と比較してみましょう。
一般職種 | 年間平均ボーナス額 |
高等学校教員 | 1,582,700円 |
保育士 | 662,500円 |
航空機客室乗務員 | 638,400円 |
保険外交員 | 496,300円 |
百貨店店員 | 432,100円 |
調理師 | 351,400円 |
スーパー店チェッカー | 178,500円 |
医療職種 | 年間平均ボーナス額 |
医師 | 902,900円 |
臨床検査技師 | 862,600円 |
診療放射線、診療エックス線技師 | 861,300円 |
薬剤師 | 778,600円 |
理学療法士・作業療法士 | 639,900円 |
栄養士 | 573,800円 |
歯科衛生士 | 412,700円 |
看護師は、女性の職種ランキングで20位と言われています。表からも分かるように、女性の職種の中ではボーナスが高いと言えるでしょう。医療職の中でも、ボーナスの水準が高いのが分かります。
5 看護師のボーナスの使いみち
夏と冬の時期に高額な金額が支給されるのは、みなさん待ち遠しいと思います。何に使おうかとワクワクする方もいるでしょう。看護師は、ボーナスをどのように使っているのでしょうか?看護師に「ボーナスの使い道」のアンケート調査を行い、結果をランキング形式にしました。
1位 旅行・おでかけ
- 夏休みに海外旅行へ
- 2泊3日 USJへ
- コンサート
- 家族でキャンプ
看護師は比較的、平日に休日が取りやすいです。休日を利用し、ボーナスで羽を伸ばしに出かけているのが分かります。
2位 買い物
- 高級ブランドのバッグなどの購入
- 家電製品の買い替え
- 家具の購入
まとまったお金の入るボーナスで、普段の給料では買えない物を購入しています。
3位 美容
- 医療脱毛
- マッサージとエステ
- 高級な化粧品の購入
- シミ取り
自分へのご褒美ときれいに磨きをかけるために、投資をしています。
4位 その他
- 貯金する
- 奨学金やローンを返済する
- 生活費に充てる
- セミナーや勉強会の参加資金にする
- 子どもの受験代
その他は、生活感が漂います。ボーナスによるまとまった資金を活用しているのが分かります。
看護師は、女性の多い職種です。ボーナスも女性に関連した使い方をしていることも感じます。なかには、年俸制のためボーナスが支給されない看護師もいます。また、ボーナスが毎回変動する職場もあります。これらのボーナスの使い道は、あくまでも一例です。
6 まとめ
看護師のボーナス平均額について、年齢や経験年数、病院の規模からお話していきました。
看護師は「病院の規模が大きいこと」と「経験年数が長くなる」ほど、ボーナスの水準が高くなる傾向があります。さらには「ベースとなる基本給が高い」と「1つ職場で長く勤務する」とよりボーナスの支給も多くなるでしょう。
参考URL
・医療専門の求人サイト 医療21 看護師のボーナス事情
https://www.iryou21.jp/column/kango22.html
・看護roo! 看護師のボーナスはいくら?平均の支給額・手取り額は?
https://www.kango-roo.com/work/579/
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