もう透析看護師を辞めたい!取るべき対処法とお勧め転職先を徹底解説
透析看護師は日勤のみで生活リズムが整った働き方ができ、残業も少ないことから、透析看護師へ転職を希望する看護師も少なくありません。
一方で、透析看護師は、その業務の特殊性から他の科の看護師とは違った特有の悩みが存在します。
働きやすさに惹かれて、透析看護師として働いてみたものの、自分には合ってないのではないかと悩む看護師もいるようです。
透析看護師を続けるべきなのか、辞めるべきなのか。。。
透析看護師をした後の転職は上手くいくのか。。。
辞めた後のキャリアは。。。後で、後悔したくない。。。
この記事に興味を持った方は、実際に透析看護師を辞めたい気持ちはあるものの、さまざまな思いの中でどうすべきか悩まれているのではないでしょうか。
本記事では、そんなあなたのために、透析看護師が辞めたいと思う理由やその対処方法の紹介、どういう場合は辞めるべきか、辞める場合の転職やキャリア形成などについて紹介していきます。全て読めば、今悩まれていることに対する答えを見つけることができるでしょう。
1 透析看護師が辞めたいと思う理由
看護師であるならば、誰しも自分が勤めている職場を辞めたいと思う時は多々あるでしょう。
このようなケースの多くは、いわゆる、看護師としての仕事に対してよりは、労働環境の問題であることが多いかと思います。
例えば下記のようなケースです。
・待遇の問題(残業代が出ないなど)
・人間関係の問題(パワハラ・いじめ)
このようなケースは程度によっては辞める決断はしやすいかと思います。
一方、業務内容やその分野特有からくる悩みで辞めたいのであれば、今後のキャリアについてや、その道を選択した自分に自信がなくなることもあり、なかなか辞める踏ん切りもつきにくいものです。
透析看護師が直面する、透析看護師としての仕事内容や特性の問題で、挙げられる辞めたい理由は下記になります。
- オープンフロアという独特な仕事環境によるストレス
- 機械操作や穿刺が大変
- 単調作業で仕事に刺激が少ない
- 他の看護スキルへの不安
- かかわり方が難しい患者さんへの対応
まずは透析看護師が辞めたいと思う理由を一つずつ確認していきましょう。
1-1 オープンフロアという独特な仕事環境によるストレス
透析センターのオープンフロアという特殊な仕事環境がストレスに感じてしまいます。
ある研究では、なんと透析センターに勤める約54%の看護師がオープンフロアにストレス感じていると報告しています。(参考文献:人工透析施設に勤務する看護師のストレスに関する研究 : オープンフロアという治療環境の影響について)
透析看護師は、時間内に仕事をこなさければならないため、患者さんの対応に時間をかけられないことも多いです。オープンフロアで常に患者さんのことが目に入る環境である一方、親身になってあげたい気持ちと葛藤も生まれることもあります。
そんな自分を責める気持ちから、辞めたいと思うこともあるでしょう。
1-2 機械操作や穿刺が大変
透析看護師が辞めたい理由に、穿刺や機械操作などのスキル面の問題があります。
どちらも、透析看護師が行う他の職場にはない特殊なスキルになります。
透析看護師が行う穿刺で用いる針は長くて太く(15~18Gが多いです)、穿刺するシャントは通常の採血で穿刺するような血管とは太さや血流などが異なります。ですので、初めての看護師は戸惑うこともあるかと思います。
機械操作については、もともと機械に抵抗感がある人は、ストレスを感じるでしょう。
一方で、こういった業務は毎日数多くこなさなければいけないため、上手くできないことが続くと透析看護師として適性があるのか考えてしまう人も少なくないでしょう。
1-3 単調作業で仕事に刺激が少ない
透析看護師の仕事は単調作業のため、仕事に刺激が少ないことで辞めたいと思う方もいます。
透析看護師の仕事は、基本的は決まったことを毎日繰り返し行うルーティンワーク。
慣れてしまうと刺激が少なく、つまらなく感じてしまうかもしれません。特に、前の職場が日々変化の多い急性期病院などだった看護師からすると、そのギャップを強く感じます。
1-4 他の看護師スキルへの不安
他の看護師スキルへの不安が強くなり、このまま透析看護師を続けていいのかと、辞めたい気持ちになる方もいます。
透析看護の分野は、透析においてのみ使う技術が多く、一般病棟で行うような看護業務、例えば、清拭や点滴の管理などはほとんどすることがありません。
それはわかりつつ透析看護師になったはいいものの、自分の看護師のキャリアを制限してしまったように感じてしまい、焦ってしまうこともあるでしょう。
1-5 かかわり方が難しい患者さんへの対応
かかわり方が難しい患者さんとの対応が嫌で辞めたいと感じる看護師もいるようです。
透析の患者さんは、週3回、4時間の透析から、食事・水分など厳しい自己管理、合併症の不安などから様々なストレスを抱えています。終わることのない透析治療。そんなストレスから少々性格が気難しくなっている患者さんも少なくありません。
そのストレスの矛先が、看護師に向けられることが多々あります。
なかなか看護師の話を聞き入れなかったり、理不尽なことで責められたりといったこともあります。
苦手な患者さんがいたとしても病棟勤務であれば、いつかは患者さんが退院します。透析の場合は、週3回、4時間治療をしますので、その間は必ず対応することになります。透析はエンドレスケアと言われており、10年以上通われる方も珍しくありません。
2 透析看護師を辞めたい時に取るべき対処法
1章で透析看護師が辞めたいと思う理由を紹介しました。
一方で、辞めたいとは思っても辞めるという決断を早々に下す方は少ないでしょう。
辞めて転職活動するのも、それなりにエネルギーが必要です。
まずは、透析看護師としてこのまま頑張れるように、モチベーションを持ち直したいと考える方も多いと思います。
この章では、透析看護師を辞めたい時にまず取るべき対処法や考え方をご紹介します。
2-1 仕事への慣れや時間が解決してくれる場合も多い
機械操作や穿刺などの業務に対して悩んでいる場合は、仕事への慣れや時間が解決してくれる場合も多いことは知っておいた方が良いです。
透析看護師としての経験が浅いうちは、透析看護師の仕事は、特殊な業務もあるため、誰しも最初は慣れないことへのストレスがあります。
向き不向きや習熟スピードは個人差があるものの、日々取り組むことで少しずつでもスキルアップはしていくものです。
大事なことは、焦らずに地道にスキルを磨く心構えです。
2-2 透析看護師の専門性を追求することでモチベーションを高める
ルーティンワークの悩みや、他の看護師スキルへの不安からくる問題であれば、透析看護師としての専門性を追求するという形でモチベーションは高められると思います。
透析看護師には例えば下記のような資格があります。
認定看護師はまだまだ少ない状況ですし、取得も難しいことから大きな目標にもなるかと思います。
認定看護師は、病院によっては資格手当という形で給料が上がる場合もあったり、役職者に候補にもなりやすくなるなどの、メリットがあります。
その他の資格も、転職時には有利になりますので取得して損はないでしょう。
2-3 患者さんと信頼関係を築くには時間がかかるもの
患者さんと信頼関係を築くのは、想像以上に時間がかかるものです。
特に対応の難しい患者さんは1ヶ月や2ヶ月では心を開いてもらえず、こんな状況がいつまで続くのか思い悩むこともあるでしょう。
ですが、対応が難しい患者さんも、背景にはあなたが知らない辛い思いを抱えているのかもしれません。
大事なことは、患者さんのことを病気だけでなく、背景(家庭や生活、趣味や仕事など)も含めて知ること、そして、患者さんの辛い思いに共感して、我慢強く寄り添い続けることです。
著者も、対応が難しい患者さんとの信頼関係がずっと築けずに、思い悩んだこともありますが、患者さんの背景まで色々と考えながら、日々接することで関係が改善できた経験があります。
対応の難しい患者さんだからこそ、最初は大変だったけど長い時間をかけて信頼を築いていけた時は、やりがいにもなったりするものです。
あなたが、患者さんの対応に悩んで透析看護師を辞めたいと考えているのであれば、上記のことを考えると気持ち的に少しは楽になるのではないでしょうか。
3 透析看護師から転職する前にやるべき4つの心構え
2章までで続けるための対処法や考え方を知っても、やはり、透析看護師の仕事に慣れない、自分には適性がないという場合は、透析看護師をやめて、別分野に転職を考えましょう。
この章では透析看護師から転職する前にやるべき4つの心構えをお伝えします。
- 透析看護師を辞める理由を明確にする
- 透析看護師として得たスキル・経験を明確にする
- 給料が下がることも覚悟は必要
- 転職先は教育体制が整っているところを重視
3-1 透析看護師を辞める理由を明確にする
透析看護師をなぜ辞めるのかを明確にすることが大事です。明確にすることで、自分の適性を再確認して、次に目指すべき転職先を絞ることができます。
例えば、単調作業がどうしても合わないという方であれば、急性期病院のような日々変化のある職場を転職の候補として選ぶことができます。
逆に、辞める理由が曖昧な場合は、次の職場でも同じような失敗をする可能性が高くなります。
失敗を単なる失敗と終わらせず、自分の適性を確認できるいいきっかけとすることが大事です。
3-2 透析看護師として得たスキル・経験をポジティブに捉える
透析看護師として得たスキルや経験をポジティブに捉えることも大事です。
確かに、透析看護師の仕事は他の看護師業務と比較すると特殊な一面があり、違う分野でどう活かせるか迷うことがあるかと思います。
ですが、せっかく働いた時間を無駄だったと片付けるのは勿体ないと思いませんか?
筆者の持論ですが、全く違う職場、仕事内容でも何かしら通じる部分や活かせる部分は絶対あると思ってます。
例えば、透析をするに至った慢性腎不全という疾患は、内科的な知識が求められることや罹患している患者さんも多いため、透析看護師で得た知識や、透析の患者さんに対する管理指導などは、他の分野に転職してもきっと活かせるでしょう。
かかわり方が難しい患者さんへの対応や、そこで培ったコミュニケーション能力もきっと大きな武器になります。
透析看護師として得たスキル・経験をポジティブに捉えることで、前向きに転職に向き合うことができます。
3-3 給料が下がることも覚悟は必要
定時に出勤し、定時に終業できる看護師の職場の中では、透析看護師は給料は高い方です。
日勤のみで生活リズムが整った働き方ができて、残業も少ないことから透析看護師へ転職していた方にとっては、同じような労働条件を望んでいる方も多いと思いますが、その場合は、給料が下がることは覚悟しましょう。
逆に、給料を上げたいのであれば、夜勤をするなど労働条件を変えるといった選択が必要です。
3-4 転職先は教育体制が整っているところを重視する
透析看護師を辞めてほかの業務に就く場合には、教育体制が整っているかどうかは非常に大きなポイントとなります。
看護師としての経歴の中で、透析看護師が長い場合、一般病棟で行うような看護業務、例えば、清拭や点滴の管理などの経験が乏しい場合が多く、それこそ一から勉強し直していく必要もでてきます。
教育や指導の体制が不足している病院などへ転職した場合、経験年数からできて当たり前と扱われ、内心できるか不安な看護業務もすぐに行わなければならない場合もあります。
周りの理解が乏しければ「こんなこともできないのか」などと揶揄されることも考えられます。
新人看護師に対してプリセプター制度がある、新人研修の期間を長くとっているなど、教育や指導体制を重視している病院であれば、経験不足の看護師を受け入れる際も手厚く指導してもらえる可能性があります。
ていねいな指導があれば、新しい業務にも安心して対応していくことができます。
4 透析看護師からのおすすめ転職先
転職する際は、自分が透析看護師を辞めて、何をやりたいのかを第一に転職活動することだと思います。
とはいえ、悩んでいる方にとっては、参考までにおすすめの転職先は知っておきたいものかと思います。
この章では透析看護師からのおすすめ転職先を紹介します。
4-1 腎臓内科勤務
やはり病棟勤務がいいという希望があれば、腎臓内科のある総合病院などがおすすめです。
透析看護師として働いていた経験や知識をダイレクトで反映しやすいことが理由として挙げられます。
清拭や点滴の管理などの他の業務は、改めて勉強が必要ですが、他の科よりは抵抗感も少ないでしょう。
透析看護師としてのキャリアがあれば、腎臓内科への配属もされやすいと思います。
4-2 訪問看護ステーション
訪問看護ステーションで、訪問看護師になることもお勧めします。
基本、日勤帯の仕事で透析看護師の時と近い労働条件で仕事をすることができます。
経験したことがない人は、訪問看護に対して、利用者さんの状態があまり変化しない単調な仕事のイメージをお持ちの方もいるかと思いますが実際はそうではありません。
利用者さんの状態は様々で、退院したばかりの方やターミナルの方、状態の進行や改善がみられる方もいます。
さまざまな疾患の利用者さんに対応する必要があり、看護師として幅広いスキルが求められます。
幅広い看護スキルが求めれる一方で、筆者は最も必要なことはコミュニケーション能力だと思います。訪問看護では、利用者さんと長期的に在宅生活を支援すること多く、信頼関係をいかに築けるかが重要だからです。
透析看護師として、培ったコミュニケーションスキルはきっと活きるはずです。
訪問看護を運営する事業所は様々で、未経験者にも丁寧に教育をしてくれる職場もあるので、訪問看護ステーションの転職先を選ぶ際はその点を重視しましょう。
訪問看護に興味のある方は下記記事をご参照ください。
参考記事: 実際働いた私が訪問看護の仕事内容を病院と比較しながら徹底解説!
5 まとめ
透析看護師が辞めたいと思う理由やその対処方法などについて紹介してきました。
透析看護師の仕事の特殊性から、様々な場面で透析看護師としての適性に悩み、辞めたい気持ちも出てくることもあるでしょう。
実際に転職する際は、なぜ透析看護師を辞めるのかの気持ちを整理しつつ、透析看護師として得たスキルや経験をポジティブに捉えていくことで次のキャリアに繋げていきましょう!!
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