救急看護師は誰でもなれる!看護師として知っておくべき3つの業務

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救急看護師は誰でもなれる!看護師として知っておくべき3つの業務

救急看護とは多くの人が難しいと捉えてしまうのではないでしょうか??

確かに言葉で表すと

「突発的な外傷、急性疾患、慢性疾患の急性増悪などのさまざまな状況によって、救急処置が必要な対象に実施される看護活動。救急処置を中心とした初療段階での看護実践で、場所、疾患、臓器、対象の発達段階、診療科、重症度を問うことはない。主に、救急外来や救命救急センターなどの救急医療施設での看護をさすが、院内急変、病院前救護、災害救急医療、学校保健、産業看護などの場にも救急看護実践がある」

と定義されます。

このように見ると、非常に複雑で難しい印象があるかと思いますが、実際は3つのメイン業務を抑えておけば救急看護師として働くことはハードルは高くありません。

それよりも認定看護師を目指すのか、何次救急指定病院で働きたいかというポイントのほうが重要になります。救急看護師として働くことを考えている方にとって、参考としてわかりやすいのは実際に働いている看護師の事例です。そのため、自身の目指す看護を見つけるきっかけになることでしょう。

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1. 救急看護とは?

救急看護の仕事は、簡単に言うと、救急処置が必要な人々への看護活動と言うことができます。一般に、救急医療施設で働いている看護師の実践と解釈されることが多いです。

1-1. 救急看護師の主な役割は救急処置の実施

救急看護師の重要な役割は、救急処置の実施です。心臓や呼吸が止まってしまった患者さんへの救急蘇生処置や、出血を止める止血や包帯法、骨折時の処置などの応急処置があります。医師が行う様々な救急治療場面で、処置介助を行うことも多いです。こうした医療行為の他に、体を清潔に保ったり、痛みを和らげたりなどの生活行動援助を担うこともあります。

1-2. 救急看護師が働く場所は大きく分けて3つある。

救急看護師は、基本的に救急医療施設で働くことを指します。その中で一次救急・二次救急・三次救急と日本では患者さんの重症度に合わせて分けられています。3つの違いは第4章で説明したいと思います。

その他に救急医療施設以外にも救急看護師の働く場はあります。ドクターヘリに同乗して救急看護を行うフライトナース、災害時に現場に急行し、被災者への救急活動を行う救急看護師、海外の災害現場に派遣される救急看護師、救急看護の専門知識を持って教育指導する救急看護師、救急看護の質向上に貢献する研究を専門的に行っている救急看護師もいます。


2. 救急看護師の実践する業務は3つだけ!

意外に思うかもしれませんが、救命看護師の主な仕事は大別すると3つになります。

  • 診療の補助
  • 本人含めた家族ケア
  • モニターや点滴管理

初期治療や、検査の補助等多岐に渡って行うため、難しいと感じてしまう看護師が多いです。救急看護の場合、突発的な症状や事故が大半を占めることが多いです。

しかし、基本的に医師が在中しているので、医師の指示の元、的確な処置や補助が最も大事になります。病棟で数人の看護師で夜勤をするよりも楽と感じる救急看護師も少なくないようです。その中で重要な仕事を一つずつ解説していきます。

2-1. メインの業務は診療の補助

診療の補助はどの診療科でも行いますが、救急看護師はより緊急度・重症度の高い患者様の診療補助を行います。的確に医師の指示と患者の状態を汲み取り、次の一手を読み、必要な医療機器やケアを準備していきます。

各種検査や、緊急手術への対応にも備えます。また患者様が搬送されてきたとき、最初に行う処置は「意識確認」「気道確保」「血管確保」「採血」「酸素投与」等です。ナースの役割は、初期治療や検査の補助を行うことになります。重症度や緊急度によって対応は異なりますが、一通りの処置が終わると、患者様の容体が安定したことを確認して病棟に移します。心電図モニターや人工呼吸器などの管理も必要になります。

2-2. 救急看護における家族ケア

家族は急激な健康状態の破綻や、突然の外傷等により救急搬送の連絡を受けた場合に、現状を想像することは非常に難しいです。しかし、病院に着くなり、代理意思決定を求められてしまうケースが多分にあります。家族は患者様の生命危機状況と直面し、激しく混乱し、危機に直面する状況に陥りやすいです。

そんな時、重要なのは看護師の関わり方になります。

病棟などでも家族と関わることは多いですが、救急では予期せぬ事態のため、関わり方が大きく異なります。初めてお会いするご家族への対応のため、傾聴の姿勢や、タッチングなどを行い精神的緩和を図ることが求められます。必要に応じて処置などは別の看護師にお願いをし、家族に付き添うことも必要になります。またその際に、患者様の情報や臓器移植などの意思表示がないかなども情報収集をすることを忘れてはいけません。

2-3. 病棟と基本は同じ!モニター管理や点滴管理

意外かもしれませんが、救急の場においても、症状の落ち着いた経過観察の患者様もいらっしゃいます。その際には病棟と同様モニター管理や、点滴管理、尿量の管理が必要になります。病棟では1日3回などの回数が多いですが、救急ではICU並みに1時間ごとに測定することがほとんどになります。

実際にやる業務は変わらないというのが大きなポイントかと思います。


3. 救急看護師は看護師であれば誰でもなるチャンスはある!

救急看護師になるための要件は、看護師の国家資格を取り、希望すれば誰でもなることができます。但し、その病院に救急患者さんを受け入れる環境がないとなれません。多くの病院では形は違えど救急施設があるので、まずは知っていきましょう。

その中で救急看護師のメリット・デメリットや気になる救急看護認定看護師について紐解きます。

3-1. 救急看護師として働く一番のメリットはスキルアップ

救急看護師として働くメリットは何と言っても、看護師として冷静な判断と対応力というスキルが身に着くことです。

特に救命の場は今後どのような病棟や施設などで働くことになっていても知るべきことです。

救急看護師として働いたという知識、経験はかけがえのないもになり、どのような場所でも重宝される存在になります。

3-2. デメリットは時間のコントロールが難しい!

救急の場面ですので、患者さんがいつどのような状況になるか不確定です。そのためタイムマネイジメントが難しいです。

特に休憩をとるのが難しい日があり、トイレを我慢しすぎて尿路感染症を引き起こしてしまう看護師も珍しくはありません。昼食を食べ損なったという看護師も多くいるので、体力的にも精神的にもハードな面はあります。

3-3. 救急看護師を垣間見える資格は「AHA-BLSヘルスケアプロバイダコース」

救急看護師になる前に学んでおくとプラスになる、あるいは自信がない方は「AHA-BLSヘルスケアプロバイダコース」を学んでおくとイメージがつきやすく業務にも活きます。

一般社団法人 日本救急医療教育機構が講習会を実施しています。1日の講習で応急処置である一次救命処置が実施できるようになります。必ず取る資格ではないですが、救急看護師をやる方で学んでいる方は多くいます。

※AHA-BLSヘルスケアプロバイダーコースは、数ある心肺蘇生法講習のなかで最高峰と評価が高い、プロフェッショナルのための一次救命処置教育プログラムです

3-4. 救命看護師最高峰の認定看護師は次のスキルアップ

救急看護認定看護師は「廃止ではなく新たな制度へ!認定看護師制度をわかりやすく徹底解説!でも説明があるように、2021年以降は「クリティカルケア」という認定看護師に移行予定です。救急看護と集中ケアの2分野が統合された、急性期に特化した認定看護師になります。

認定看護師のメリットとしては、以下が挙げられます。

  • 特定分野のスペシャリストとして自信がつく
  • 教育・指導・相談などを通して人間としても成長できる
  • 院内だけでなく院外にも活動の場が広がる
  • 認定コースの同期の仲間は一生の財産
  • 資格手当などで給料が上がることもあるなどが挙げられます。

逆にデメリットとしては、

  • 費用と時間がかかる
  • 給料は変わらず仕事が増えるだけ

という実態もあります。看護師としての道は広くなりますが、認定看護師を視野にいれて、救急看護への挑戦は上記メリット、デメリットを鑑みて検討したほうがよさそうです。


4. 救急指定病院は重症度によって3段階ある

救急医療において重要な役割を担うものが救急指定病院と言われ、重症度によって3段階の体制がとられています。

救急指定病院は都道府県知事が告示し指定する病院で、消防法2条9項による1964年(昭和39年)の「救急病院等を定める省令(昭和39年2月20日厚生省令第8号)」に基づいています。

3段階の体制がそれぞれ一次、二次、三次に分けられているため、それぞれを説明していきます。

4-1. 帰宅可能な軽症患者を診る一次救急

初期救急とも呼ばれており、入院の必要がなく帰宅可能な軽症患者に対して行う救急医療のことです。患者様は自分自身、もしくは家族など身近な人に付き添ってもらって来院します。一次救急の診療は都道府県に配置されている休日夜間急患センターで行っているほか、救急指定を受けている地域の開業医や病院が1日ずつ在宅当番となって行っています。

4-2. 入院・手術を要する重症患者を診る二次救急

入院治療や手術を必要とする重症患者様に対応する救急医療のことを指します。いくつかの病院が当番日を決めて救急医療を行ないます。病院群輪番制や、共同利用型病院方式がこれにあたります。病院群輪番制とは、二次救急の指定を受けた複数の病院が当番制で救急患者の受け入れ・診療を行う方法のことを言います。もう一方の共同利用型病院方式とは、その地域の拠点病院などが施設の一部を開放し、そこに地域の医師が出向いて診療を行っています。

通常、入院や手術を必要として救急車で搬送されるのは、この二次救急指定病院で、24時間体制がとられています。

4-3. 重篤疾患や多発外傷を負った患者を診る三次救急

一次、二次救急では対応が不可能な重篤疾患や多発外傷に対する医療を指します。救命救急センターや高度救命救急センターのことを言います。高度救命救急センターとは、救命救急センターの中でも特に高度な診療機能を有する物として、厚生労働大臣が定める医療機関です。また、三次救急の指定を受けている病院は救急医療の教育機関としての役割もあり、医師や看護師、救急救命士などが日々救急医療を学んでいます。

そのため、救急看護をどのような指定の病院で行うかは、自身のキャリアにおいても重要になります。現在務めている病院が何次救急であるのか、自分の目指す救急看護が対象なのかを見極めるうえでは重要なポイントになります。

救急医療体制

出典<救急医療体制の現状と今後の課題についてー厚生労働 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000328610.pdf


5. 救急看護に従事している看護師の声を聞いてみよう。

救急看護に携わっている看護師に実際働いてみてどうだったかを聞いてみたいと思います。二次救急、三次救急に従事された看護師の声を聞けたので、紹介したいと思います。

消化器外科病棟を経て4年目に二次救急の救急病棟に配属のSさん
病棟でプリセプターとリーダーを経験した後、異動の時期に欠員が出たため救急病棟に配属になりました。

外科病棟での経験があったので、救急対応には自信がありました。実際二次救急のため、重症の患者様は多くいました。専門の消化器以外に循環器や脳外科の勉強を頑張りました。救急では病棟と違い医師が常にいることが多かったので安心して働けています。ただその分看護師に求められること、指示の量は多いので最初は戸惑いました。

でも先生が指示をする前に準備ができていると、自信にも繋がりました。
最初は出勤するたびに緊張して、前の日は寝れない時もありましたが、今はどんな症例を学べるのか、どのようにすれば救命率が上がるかを日々考えながら仕事をしています。
新卒で救命救急センターに配属され3年目となったTさん
新卒での救命救急センターは勉強する幅が多く、ハードルは高いです。
実際1年目は自分ができない不甲斐なさと、看護師としての知識不足に悩みました。
しかし、3年間従事した今は、頑張った自分をほめたいと思います。同期もいたのでよく話をするんですが、若いうちの苦労は身になると思っています。中途の看護師をみていると覚えることの多さと、以前働いていた病院との違いに戸惑っている姿をよくみました。
実際新卒から働いて苦労は多くありましたが、今では大きな自信になっています。キャリアアップとして5年働けたら認定看護師を今後目指していきたいなと考えています。

6. さいごに

救命看護という言葉に多くの看護師がハードルの高いイメージを抱きます。しかし、実際の抑えるべき3つの業務を理解していれば誰でも従事できる仕事になります。

それよりも自身の目指す看護師像や、どのような属性の患者様を看護したいかが最重要になります。看護師として救急看護に挑戦したいという方は、是非この記事を呼んでトライしてみることをお勧めします。

 

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