看護師を辞めたら幸せになれる?幸せになる人の3つの特徴と後悔する人の3つの特徴
「仕事が辛くて看護師を辞めたい!でも辞めたあと後悔したらどうしよう…」
「看護師を辞めたら今より幸せになるのかな…」
あなたは今、こんな思いを抱えていませんか?
専門学校や大学に通い辛い実習も乗り越え、国家試験にも受かって看護師になったはずなのに、辞めたくなる人も少なくありません。
しかし看護師を辞めていいのか悩む人も多く、看護師以外の仕事に就いて後悔しないか不安が強くなり結局行動できなくなるパターンもあります。
看護師を辞めるか続けるかを選ぶのは個人の自由ですが、どちらを選択しても後悔してほしくない!!
今回は看護師を辞めるべきか悩む人に向けて、後悔しない選択ができるよう今知るべきことをまとめました。
目次
1 看護師を辞めたら幸せになれる?
看護師を辞めることで人生が好転し幸せになれるかどうかは人によります。
看護職が本当に合わない人なら幸せになる可能性は高くなります。逆に仕事は辛いと思ってるのに実は職業として看護職が合っている人が看護師を辞めた場合、人生の幸福度が下がる可能性は高くなります。
さらに看護師を辞めて幸せになれるかどうかは、実際に看護師を辞めて他の仕事に就くことで分かることも多く、辞める前から答えを出そうとしても結論は出ません。そのため看護師を辞める前に深く分析し覚悟を決めて決断をすることが大切なのです。
その決断の助けになるように次章からは看護師を辞めたらどんな人が幸せになるのか、一方でどんな人が後悔をするのか、それぞれの特徴を見ていきます。
2 看護師を辞めて幸せになれる人の3つの特徴
はじめに看護師を辞めて幸せになれる人にはどんな特徴があるのかを挙げていきます。
2-1 看護師としての目標を達成した人
看護師を辞めて幸せになれる人の特徴として、達成すべき目標に向かって努力して目標をクリアした人が挙げられます。
達成する目標も様々で、例えば認定看護師や専門看護師として特定分野の看護を極める、管理職として病院マネジメントに関わる、専門学校や大学の教員になって看護教育に貢献するなどがあります。
努力の結果目標を達成した人なら看護師を辞めても後悔はなく、他職種でのキャリアもスムーズに積み上げることができます。
2-2 結婚や出産・育児などライフイベントに応じて看護師を辞めた人
人生のライフイベントによって看護師を辞めた人も後悔する人は少ないです。とくに看護師は女性が多く結婚や妊娠、出産、育児など女性特有のライフイベントを20代〜30・40代で経験する人も多いです。さらに年齢が上がれば親の介護などで看護師を辞めざるを得ない人もいます。
この場合、看護職が嫌になって辞めるというよりも避けられないライフイベントのために仕方なく辞める状況となりますが、その分納得して環境の変化を受け入れられるのです。
看護師としてのキャリアは一旦止まってしまいますが潔く受け入れられるため、看護師を辞めても幸せになれる可能性は高いといえます。
2-3 看護職が本当に合わずに辞めた人
「患者さんのことを考えられない・考えられなくなった人」は看護師を辞めて幸せになれるでしょう。
忙しさや人間関係について苦しい思いをしても、看護職があっている人は「患者さんのことを考えられない」という状況にはなりません。
看護師を目指した以上患者さんのために働きたいという思いはあると思いますが、看護職が合っているかどうかは働かないと分からないことが多いです。なぜなら、看護職を目指すのはまだ10代で働いた経験もない状態だからです。
看護専門学校や大学を受験しようと思う10代の人が多くが、その時点で適職かどうか100%分かる人はいないでしょう。
患者さんのことを考えられなくなれば、無意識に「患者さんに興味はない」という態度が出てしまい、患者さんに寄り添った看護を提供することができなくなってしまいます。
一時的な感情でなく、「患者さんのことを考えられない」という状況が続く場合、辞めたときにその苦しみから解放され幸せを感じられるでしょう。
3 看護師を辞めて後悔する人の3つの特徴
看護師を辞めて幸せになる可能性が高い人がいる一方で、辞めたこと後悔し不幸を感じてしまう人もいます。ここでは看護師を辞めて後悔する人の特徴を3つ挙げていきます。
3-1 一時的な負の感情から看護師を辞めてしまった人
看護師を辞めて後悔する人の特徴の一つに、一時的な感情に流されて辞めたという特徴があります。
看護師は想像以上に多忙で心に余裕がなくなりやすく、心身にもストレスがかかりやすいです。そんな時に患者さんや同僚、医師から一方的に嫌なことを言われたり理不尽な扱いを受けたりすると、たまったものではありません。いくら看護のプロであっても「看護師なんか辞めてやる!」と感情が抑えられないこともあります。
心身が弱まっている時ほど一時的な負の感情に流されてしまい、勢いで看護師を辞めることもあります。しかし辞めたあと冷静になって考えると看護師を辞めるほどのことではなかった、実は恵まれた職場で働いていたのに看護師をなぜ辞めてしまったのかと後悔するのです。
3-2 職場の人間関係が嫌で看護師を辞めてしまった人
職場の人間関係が原因で看護師を辞めてしまった人も、辞めて後悔する人の特徴として挙げられます。
確かに看護の職場はやや閉鎖的な部分もあり、人間関係に悩まされる看護師は多いです。なかには同僚や上司から嫌がらせを受けたり、つらい待遇を受けたりすることもあります。人の命を預かる職業だからこそ仕事のミスに非常に厳しく言及する先輩や上司もいます。他にも女性が多い職場であるため、目立つ新人看護師や能力のある看護師が嫉妬の対象になることもあるでしょう。
ただし人間関係に嫌気がさして他の職業についても、人間関係に全く問題がない仕事や職場はほぼありません。せっかく看護師を辞めても同じ人間関係でトラブルが起きれば「看護師を辞めるんじゃなかった…」と後悔するのです。
3-3 夜勤など仕事の多忙さを理由に辞めてしまった人
看護師を辞めて後悔するパターンに仕事の多忙さを理由に辞めてしまう場合も考えられます。特に病院の常勤看護師がどうしても避けられない夜勤で生活リズムを崩してしまったり、夜勤でなくても非常に忙しい日勤の毎日で仕事が嫌になる人もいます。
また新人看護師が仕事に慣れるまで時間がかかり、仕事の理想と現実のギャップを知り「こんなはずではなかった」と後悔する場合も早々に退職する理由にもなります。
しかし、これらの例でいえば夜勤を避けたければ日勤のみの仕事に変更することもでき、新人看護師が仕事に慣れるまで時間がかかるのも当然のことで、地道にコツコツと臨床知識やスキルを身につけていくしかありません。
対処や経過を予測できず、ただ仕事が大変だからと看護師を辞めてしまうと、看護師を続けたからこそ分かるやりがいや仕事の意味を知らないまま辞めて後悔することになりかねません。
4 看護師自体は辞めない方がよい
ここまで看護師を辞めて幸せになる人、逆に後悔する人はどんな特徴があるか見てきました。
結論として看護師を辞めて後悔するタイプに当てはまる人は看護職を辞めない方がよいです。仕事や職場、働き方に不満があれば働く部署や病院を変えるなどして看護師を続ける工夫をすることをおすすめします。ここでは看護師を辞めない方が良い理由を2つ解説します。
4-1 看護師の年収は高いため収入が減る
看護師自体を辞めない方がよい理由の一つに経済的な事情があります。一般的に看護師の給料は他の一般女性の給料と比べて高い傾向があります。看護師の平均年収は483万円と言われており、他の全職種の女性の平均年収388万円と比べて95万円も差があります。(参照:看護師の総年収は483万円!手取り、賞与、残業代の全てを徹底解説【わかりやすいグラフ付き】)
看護師の基本給は病院によって大差はなく、看護師以外の職種と比べても基本給に関しては大きな違いがない場合も多いです。しかし、看護師は夜勤手当やその他手当が加算されることで他の一般女性の職種と給料に違いが生まれてくるのです。
看護師を辞めて他職種に転職しても他に特別な国家資格を持っている、特殊な知識や技術があるなどの条件がなければ転職先の会社でもらう給料は他の一般女性の給料と同じ水準になる可能性が高いです。すると看護師特有の諸手当がなくなる分、大半の人が収入減を余儀なくされます。
人生の豊かさをはかるのはもちろんお金だけではありませんが、経済的な安定が生活や精神の安寧を支えるのは確かです。看護師を辞めて転職しても、収入が減少した生活を安心して送ることができるのかよく考えてから決めることをおすすめします。
4-2 看護師を辞めると職場復帰が難しくなる
看護師を辞めない方がよい理由の2つ目は、看護師を辞めてしまうと職場復帰のハードルが高くなる可能性があることが挙げられます。
一時的な感情やその他の理由で看護師を辞めて転職しても、労働環境が合わなかったり、給料が安かったりして「また看護師として働きたい」と思う人も多いです。看護職から離れてまだ時間がそれほど経っていなければ看護師復帰もしやすいものの、数年間など看護職から離れると復帰に感じる心理的なハードルは高くなります。
その理由は様々ですが、医療現場でまた働けるか、採血や点滴などの手技に自信がないなど不安や恐怖が強くなる人もいます。人の命を預かる看護職だからこそ、他の仕事とのギャップや責任の重さを強く感じてしまうのです。
以上のようなケースを避けるためにもよほどの理由がなければ看護職を辞めるのではなく、働く病院や部署、常勤看護師からパートやアルバイトに変えるなどして何かしら看護師業務に携わることをおすすめします。
働いていくうちにもっとスキルアップしたい、収入アップしたいと思ったら経済的に安定がより見込める常勤看護師へ移行したり、大病院へ転職したりすればいいのです。
5 知っておきたい!病院以外での働き方
看護師を辞めると後悔しそうな人は、我慢しながら働くべきかといえばそうではありません。様々な理由で看護師は続けたいものの、今の職場や働き方ではこれ以上働くのは難しいと感じる人もいます。その場合に考えてもらいたいのが病院以外で働く選択肢です。
病院以外で看護師として働ける職場も多く、以下の選定基準からおすすめの職場を紹介します。
(選定基準)
- 夜勤や残業の少ない職場
- 看護師としての高い臨床スキルを求められない職場
|
| 夜勤 |
看護師全体 | 平均年収483万円 平均月収32.1万円 | 入院施設がある病院では基本的に夜勤あり |
保育園(こども園) | 年収約475万円 | なし |
介護施設・高齢者向け施設 | 年収410万円~430万円 | 夜勤がある施設もある |
訪問看護 | 年収430〜450万円(目安) | 週1回~月1回程度 |
一般企業の産業看護師 | 年収450〜500万円(目安) | なし |
医療機器メーカー | 年収450〜500万円(目安) | なし |
治験支援を行う機関(CRC) | 年収420〜480万円(目安) | なし |
健診センター・献血ルーム | 年収350〜450万円(目安) | なし |
(参照:病院以外を希望する看護師必見!ワークライスバランスを実現できるお勧めの職場7選!)
常勤看護師の病院勤務の場合、基本的に夜勤がある条件で平均年収は483万円となっています。上述の病院以外の職場だと多くの場合、病院勤務より年収は下がるものの一般職種と比べれば年収は高い水準です。さらに夜勤があるのは介護施設やオンコール体制がある訪問看護くらいで、夜勤がない職場でもある程度の年収を維持できることが分かります。
6 看護師を辞めるか迷っている方からよく頂く質問集
最後に、看護師を辞めるか迷っている人からよく来る質問にお答えします。
2019年に日本看護協会が行った病院看護実態調査によると、全国の病院で常勤看護師の離職率は全体で10.7%となっています。おおよそ10人に1人が離職するわけです。ちなみに新卒採用者の離職率は7.8%、既卒採用者の離職率は17.7%という統計が出ています。(参照:日本看護協会 2019年病院看護実態調査)
厚生労働省の調査によると看護師の退職理由として多いのが「出産・育児・結婚のため」です。他にも以下のような理由が挙げられます。
- 他施設で働くことに興味を持った
- 人間関係が悪い
- 超過勤務が多い
- 休暇が取りづらい
- 夜勤の負担が多い
- 責任が重い、医療事故への不安がある
(参照:厚生労働省 看護職員就業状況等実態調査結果 2011)
看護師を辞めるベストなタイミングは働く環境や年齢、経験年数によって異なります。ただし看護職を一旦離れても将来復職のハードルが高くならないよう、ある程度看護の知識や技術が身についた4年目以降に辞めることをおすすめします。
7 まとめ:頭の中を整理した上で適切な選択をしよう!
様々な理由により看護師を辞めたいと考えている人は少なくありません。他にも、看護職を辞めるのではなく別の職場で心身に負担ないところで働きたい、想像以上に仕事がきつくキャリアを積む前に辞めたいなど状況は様々です。
どのような状況でも一番大切なのは自分の心や体が健康にいられる選択ができるかどうかです。看護師を辞めるベストなタイミング、収入や環境の変化など考えるポイントはたくさんありますが、患者さんの健康を支えるのと同じように自分の心身の健康を大切にしながら、頭の中を整理して職場や職業選択をしてください。
その上で看護師を辞めた方が今は幸せになれると思ったら他職種の仕事を探せばよく、看護師として働き続けたいなら転職をして環境を変えればいいのです。こればかりはやってみないと分からず、行動してはじめて分かることも多いはずです。いずれにしてもどの選択をすれば今よりも幸せに生きられるかを一番に考えて行動することをおすすめします。
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