看護師はどれくらい休日があるの?休日は何しているの?看護師の休日の過ごし方を徹底解剖!
看護師は、「日勤・夜勤といった変則的な勤務をシフト制でこなしている」「時間外勤務や呼び出しもある」といったように、休みを取りにくい職業であるというイメージを持っていませんか?
確かに、なかなか思ったように休みが取れない職場もありますが、「家族や友人と休みを合わせやすい」など、比較的休みを取りやすい職場も珍しくありません。
この記事では、看護師の休日数や有給休暇取得率、職場別の休日数や休日の取りやすさについて解説します。看護師の休日の過ごし方も併せてチェックして休日をより有意義に過ごし、上手にリフレッシュして次の出勤日に備えられるようになりましょう。
1.実際の看護師の休日数は?
「休みを取りにくい」というイメージのある看護師ですが、実際にはどの程度の休みを取得することができるのでしょうか。ここでは、看護師の休日数や有給休暇取得率について解説します。実際のデータを参考に、看護師の休日の実態を確認しましょう。
1-1.看護師の平均年間休日数は118日!
「看護師は休みを取りにくい」という印象から、年間で定められた休日数も少ないと考えている方も多いのではないでしょうか。看護職の働き方に関するさまざまな要素について調査した「平成29年度 看護職のワークライフバランス(WLB)インデックス調査」によると、就業規則に定められた看護師の年間休日数は、次の表のようになっています。
■就業規則に定められた看護師の年間休日数
年間休日数 | 割合(回答件数) |
99日以下 | 4.8%(10件) |
100日~109日 | 17.9%(37件) |
110日~119日 | 15.5%(32件) |
120日~124日 | 28.5%(59件) |
125日以上 | 24.2%(50件) |
合計 | 100%(207件) |
平均年間休日数…118.13日 |
(参照:日本看護協会 平成29年度 看護職のWLBインデックス調査 )
完全週休2日制で祝日休みや長期休みがない場合の平均年間休日数は「104日」、完全週休2日制で祝日休みである場合の平均年間休日数は「120日」が目安です。上記の調査では、看護師の平均年間休日数は「118.13日」となっていますが、年間で120日以上の休日が設定されている看護師は半数を超えています。看護師の多くは、「土日祝日休み」といった勤務体系とほぼ同数の休日数を得られると考えてよいでしょう。
(参照:厚生労働省 平成31年就労条件総合調査 結果の概況)
なお、厚生労働省「平成31年就労条件総合調査」によると、一般的な企業における1企業あたりの平均年間休日数と1労働者あたりの平均年間休日数は次のようになっています。
■一般企業の平均年間休日数
・1企業あたりの平均年間休日数…108.9日 ・1労働者あたりの平均年間休日数…114.7日 |
看護師の平均年間休日数は「118.13日」であるため、職場にもよるものの、平均年間休日数は看護職の方が一般企業平均よりもやや多い傾向にあるといえるでしょう。
1-2.看護師の平均有給休暇取得率は56%!
看護業界は慢性的な人材不足が続く業界でもあるため、「休日は一般的な企業と同様に取れるとしても、有給休暇を取得するのは難しいのでは」と思っている方も多いのではないでしょうか。「平成29年度 看護職のワークライフバランス(WLB)インデックス調査」によると、看護職員(正職員)の年次有給休暇取得率は、次の表のようになっています。
■看護職員(正職員)の年次有給休暇取得率
年次有給休暇取得率 | 割合(回答件数) |
0%~20%未満 | 5.3%(11件) |
20%~40%未満 | 17.9%(37件) |
40%~60%未満 | 33.3%(69件) |
60%~80%未満 | 28.0%(58件) |
80%以上 | 15.5%(32件) |
合計 | 100%(207件) |
平均有給休暇取得率…56.28% |
(参照:日本看護協会 平成29年度 看護職のWLBインデックス調査 )
全国の正規看護職員の平均有給休暇取得率は「56.28%」となっています。付与された有給休暇のうち60%以上を取得している看護師も43.5%ほどとなっており、自身が取得可能な有給休暇日数の半分以上を消化している看護師も多数いることがわかります。
なお、厚生労働省「平成31年就労条件総合調査」によると、一般的な企業における1人当たりの平均有給休暇取得率は52.4%(男性:49.1%・女性:58.0%)となっています。看護師の平均有給休暇取得率と大きく変わらないことから、看護師の有給休暇の取りやすさも一般企業と変わらない程度といえるでしょう。(参照:厚生労働省 平成31年就労条件総合調査 結果の概況)
2.勤務する職場によって変わる休日
看護師の平均年間休日数や平均有給休暇取得率のデータを見ると、取得できる休日の数は、一般企業の平均値と大きく変わらないことがわかります。しかし、勤務する職場の種類や雇用形態によって、休日数や働き方が異なってくる点に注意が必要です。
ここでは、「大規模病院の病棟勤務(大学病院など)」「診療所・クリニック勤務」「派遣職員・アルバイト職員として勤務」といった3つのケースにおける休日取得の実態について解説します。おおまかな年間休日数や、休みを取りやすい理由を確認し、看護師として働く上での参考にしましょう。
2-1.大学病院などの病棟は125日
大学病院などの規模の大きな病院は、看護師が活躍する職場の中でも休日数が多い傾向があり、年間の休日数は「125日前後」が目安です。有給休暇の取得を促す職場も多いため、休日は比較的取りやすい環境であるといえるでしょう。
大学病院や国公立病院など、比較的規模の大きい病院に勤務する看護師は、多くの場合交代制勤務であるため、忙しいというイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、規模の大きな病院では、働いている看護師の数も多い上に、勤務形態がシフト制(2交代制や3交代制)であることから、休みの調整がしやすいといわれています。
また、育児休業や介護休業は法律でも定められていますが、職場独自の育児休暇や介護休暇があるなど、福利厚生が手厚く整っている病院も多く存在します。職場が整備した福利厚生制度を活用している職員も多いため、職場独自の休暇を取得するハードルもそれほど高くないと考えられます。
ただし、看護師のスキルアップ・キャリアアップに役立つ研究会や研修は、休日に開かれることも少なくありません。休日に研究会や研修への出席が求められる場合には、休日出勤となることも覚えておきましょう。
2-2.診療所やクリニックは105日前後
診療所やクリニックの年間休日数は104日〜108日程度であると考えておきましょう。
入院設備を持たない診療所やクリニックは、日曜日などの特定の曜日や祝日を休診日として設定しているケースが多いため、看護師がバランスよく休みやすく、家族や友人との休みを合わせやすいという魅力があります。大規模な手術がないため、急な呼び出しや休日出勤がほとんどなく、入院設備がない場合には日勤のみで働ける点も嬉しいポイントといえるでしょう。
「特定の曜日や祝日で休める」「午後が休診となる平日がある」などのメリットがある一方で、「土曜日は午前のみ出勤」といった勤務形態も多く、規模の大きい病院と比べると年間休日数は少ない傾向がある点には注意が必要です。
また、大規模な病院とは異なり、勤務する看護師の人数も少ないため、急な残業が発生する可能性もあります。職員数が少ないため、希望する日に休みを取れない場合があることも念頭においておく必要があるでしょう。
2-3.派遣やアルバイトの場合は柔軟なシフト調整による休暇取得
派遣職員やアルバイト職員・パート職員の場合、自分のライフスタイルに応じたシフトを選びやすく、休みを調整しやすい職場が多いといわれています。正職員と同様の働き方・休日の取り方ができる場合もあれば、「日勤のみ」「夜間専従」といった働き方も可能です。「日勤のみ」や「夜間専従」などでパート職員・アルバイト職員として働く場合は、希望する日に休日や有給休暇を指定しやすいと考えてよいでしょう。
ただし、パート職員やアルバイト職員の場合は時給制が多く、基本的には働いた時間の分だけ給料が支給されることとなります。正職員ほどの収入を得られないケースも多いため、収入を増やしたい方や高収入を狙いたい方は注意が必要です。
3.看護師の休日の過ごし方をご紹介
看護師の年間休日数や有給休暇取得率は、一般企業の平均と大きく変わらないものの、看護師の業務は多忙であり、精神的にも身体的にも疲れがたまりやすい仕事です。それでは、看護師はどのように休日を過ごしてリフレッシュしているのでしょうか。
ここでは、看護師として働いている方の休日の過ごし方について、主な傾向を紹介します。看護師が実際に行っている休日の過ごし方を参考にして、自身も充実した休日を満喫し、次の出勤のために心も体もリフレッシュしましょう。
3-1.自宅でゆっくり~とにかく疲れを癒やす!~
勤務先にもよりますが、看護師の業務は身体的にも精神的にも疲労がたまりやすいため、「休日は自宅でゆっくりと過ごす」という方が多くいます。
「とにかく疲れを癒やすために睡眠を取る」「録画しておいたドラマや映画を見る」「本や雑誌を読む」「お菓子作りや料理など、自宅でできる趣味を楽しむ」など、自宅での過ごし方も多岐にわたりますが、自分が心身ともにリフレッシュできる過ごし方をすることが大切です。自分の好きなもの・好きなことを中心に、自宅での休日を楽しく過ごせる行動を考えてみましょう。
3-2.ショッピング~お買い物でストレス発散!~
休日にはショッピングを楽しんでいるという方も少なくありません。平日休みの場合は休日のような混雑もないため、ゆったりと買い物ができるでしょう。普段の仕事でのストレスをショッピングで発散できますが、お金の使い過ぎには注意しましょう。
家族や友人と休日の予定が合う場合には、一緒にショッピングや映画などに行くこともおすすめです。気の合う方と外出することで、仕事の疲れを上手にリフレッシュできるでしょう。
3-3.美容院やエステで自分磨き~綺麗な自分に幸福感!~
看護師として働く方の中には、普段はなかなかケアできないポイントを、休日に美容院やエステに行くことで解決している方も多くいます。看護師は普段は忙しく働いているため、仕事があった日にスキンケアやヘアケアなど、自身のケアをゆっくり行うことは難しいでしょう。
美容院やエステなどといった美容面で自身のケアを行うと、ストレスの低減につながります。定期的な自分磨きを行い、前向きな気持ちを維持することも大切です。
看護師は女性の方としては高給取りですので、自分磨きにお金を回すことにストレスをあまり感じない傾向があり、リフレッシュ効果が高いのではないでしょうか。
3-4.習い事に通う~身体を動かしてストレス発散!~
「ヨガやジムなどで体を動かしたい」「料理教室に通いたい」「楽器や華道などといった芸術に触れたい」といった方は、習い事に通うこともおすすめです。特定の曜日が休みである方のほうが習い事に通いやすいと考えられますが、年中無休のヨガスタジオやジム、どの曜日でも開催している料理教室もあるため、ぜひ探してみてください。
習い事に通うことには、特定の技能を習得できるだけでなく、気持ちをリフレッシュできるというメリットもあります。現在興味のあることから自分に合った習い事を考えてみましょう。
3-5.看護の勉強をする~専門家として頭の整理!~
自分の時間をまとまって取ることができる休日は、看護の勉強をする絶好の機会です。
看護の知識や技術は日々進歩しており、看護師として働く上で勉強し続けることは非常に重要です。しかし、仕事がある日は業務で疲れてしまうことも多く、勉強まで手が回らないという方も少なくありません。
自身の描くキャリアパスに合わせて、介護や福祉の勉強など、看護に関連する分野の勉強も行い、知識を蓄えていきましょう。
4.休日を上手に使って日々前向きに仕事に取り組もう!
「休みを取りにくい」というイメージがある看護師ですが、看護師の平均年間休日数は「118.13日」、平均有給休暇取得率は「56.28%」と、一般的な企業とそれほど大きくかわりません。休日数や休みの取りやすさは、職場の種類や働き方、雇用形態などによっても異なるため、自身のライフスタイルに合った職場を選ぶことも重要です。
看護師の休日の過ごし方は人によって異なりますが、「自宅でゆっくり過ごす」「ショッピングや美容院などに行く」「習い事や看護の勉強をする」といった過ごし方が多く見られます。休日の過ごし方によって、仕事への気持ちも変化するため、自分が上手にストレス発散できる方法を選ぶことが大切です。心身ともにリフレッシュした状態で、次の出勤日を迎えましょう。
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