助産師の仕事内容を徹底解説!経験者が語るやりがいや1日のスケジュール
助産師は妊婦さんの出産前、出産時、出産後でそれぞれ仕事内容が異なります。
それぞれの代表的な仕事内容は以下の通りです。
時期 | 仕事内容 |
出産前 | ・妊婦検診 ・保健指導 ・母親学級・両親学級 |
出産時 | ・正常出産の介助 ・異常分娩の早期発見 |
出産後 | ・授乳介助 ・乳房マッサージ |
これから助産師を目指す学生の方も、助産師になったら具体的にどんな仕事をするのか知りたい方は多いことでしょう。今回は、具体的にイメージできるように事例と共に助産師の仕事内容を紹介します。
目次
1.助産師の仕事内容
助産師の仕事内容は働く場所ごとに少しずつ異なるため、あなたが働く可能性の高い『病院』『診療所』『助産院』について、それぞれ仕事内容を見ていきましょう。
1-1 出産前
出産前の仕事で助産師にとっての重要な仕事は以下の3つです。
- 妊婦検診(赤ちゃんの健康状態)
- 保健指導(妊婦さんの健康状態)
- 母親学級、両親学級(出産までのスケジュール)
いずれも、括弧書きで記載した目的を医療者、ご家族がお互いに理解・共有するために重要な仕事です。
以下ではそれぞれ具体的に見ていきましょう。
1-1-1 妊婦検診
出産前の妊婦さんに対して助産師にとって重要な仕事の1つ目は『妊婦検診』です。
助産師は、全ての妊婦さんが赤ちゃんの健康状態を適切に把握して、安心して出産を迎えることができるように妊婦健診のサポートを行います。健診の内容としては妊婦さんの血圧、体重、腹囲、子宮底などの計測を行います。
赤ちゃんが健康に育っているか不安な妊婦にとって助産師が行う妊婦検診はとても重要な意味があります。
妊婦検診で血圧、体重、腹囲、子宮底などを計測することにより、健康状態が定量的に見える化され、自身や赤ちゃんが健康かどうかが分かるからです。
健康状態が数値として見える化されることで、その値を根拠だてて説明したり、浮腫みなどの身体の変化を「なぜこういうことが起きるのか、それは正常なのか異常なのか」ということをわかりやすく説明することが必要です。
もし、異常を発見したり、気になることが少しでもあれば担当医に報告し、医師との連携を図ることもとても重要な役目です。
1-1-2 保健指導
出産前の妊婦さんに対して助産師にとって重要な仕事の2つ目は『保健指導』です。
保健指導は、妊婦さんの健康管理や生活指導、体調管理を行います。
助産師は、妊婦さんが妊娠生活を安心して過ごすことが出来るように、その不安や疑問に丁寧に向き合い、安心して出産を迎えることができるように支援していきます。
妊婦さんがどんなことに悩んでいるのかを引き出し、その改善方法や正確な情報を伝えることで安心して妊娠生活を送っていただくことができます。
助産師を目指す学生は、妊婦さんによく起こりやすいマイナートラブルを調べ、そのメカニズムを解剖生理学を通して勉強しておくといいでしょう。
1-1-3 母親学級、両親学級
出産前の妊婦さんに対して助産師にとって重要な仕事の3つ目は『母親学級・両親学級』です。
妊娠週数によってその内容は様々です。出産までのスケジュールに併せて、事前に妊娠中に気を付けなければいけないこと、食事についての栄養指導、母乳ケア、出産準備教育、沐浴、育児指導などを伝えます。
学級と名が付いているのは、助産師1名が複数の妊婦さんに対して、講師役として伝えるためです。
特に初産婦は、出産や育児のイメージがわかりづらいものです。そのため、初めて出産を迎える方やそのご家族には、母親学級や両親学級がとても大きな役割を果たしますので、学級の最初に初産婦の方がいるかどうか確認すると良いでしょう。
母親学級では、これからの妊娠中におこりうる出来事や、出産がどんな風に進んでいくか、産後の母乳のケアなど、妊婦さんのイメージが付きやすいように説明していきます。両親学級では、主に父親が対象となります。いかに出産後スムーズに育児参加を促すことができるかを沐浴や育児技術を通してイメージをつけてもらいます。
1-2 出産時
出産時の一番重要な助産師の役目は、正常の出産の介助を行うことです。その他の重要な仕事内容として、「分娩異常の早期発見」があります。
1-2-1 正常出産の介助
助産師は、正常の出産の介助を行うことができます。
逆子や双子の場合は、正常ではない出産(通常の出産ではないという意味)に分類されるため、直接出産の介助を行うことはできません。現在、逆子や双子の出産は、帝王切開になることが多いため、その前後の看護を行うことになります。
「分娩同時進行が複数人いる場合」では、その産婦が初産婦なのか、経産婦なのか、また分娩の進行具合を把握して進行しそうな場合は早めに分娩の準備にとりかかります。
基本は分娩係は1人であることが多いため、複数人を1人で対応することはよくあります。もし、ご家族がいる場合は積極的に入ってもらい、腰をさすってもらったり励ましたりして、助産師は必要に応じて内診や観察を行っていきます。
1-2-2 分娩異常の早期発見
分娩進行中の異常の見極めに関しては非常に重要です。
正常分娩の介助ができる助産師は、母体と胎児両方の命を預かっています。もし、胎児の心拍に異常が見られたり分娩進行がうまくいかないようであれば、医師に報告し、その支持のもとで出産にかかわる看護を行います。
そのため、学生時代には正常分娩の経過をしっかり勉強し、助産診断ができるようにしておきましょう。産科実習の際には、分娩進行中の方がいれば分娩進行具合から正常な経過をたどっているか、ウェルネスの視点で勉強しましょう。
1-3 出産後
出産後、特に重要な助産師としての役割は「母乳ケア」です。具体的には授乳介助や乳房マッサージです。
特に初産婦は、出産後すぐに母乳がわいてでてくるというイメージを持っている方が多いようですが、実際はそうではなく、出産後2~3日はほとんど量にならないことが多いです。それに加え、2~3日から乳房の生理的緊満が始まります。
そんな時、できるだけ緊満が取れるように赤ちゃんの授乳介助や乳房マッサージを行ったりして乳房トラブルを防いでいきます。母乳トラブルのせいで「母乳育児をしたくない」という方を増やさないためにも、助産師が積極的にかかわっていく分野です。
1-3-1 授乳介助
生まれたばかりの赤ちゃんも母親も授乳の“初心者”ですので、産後すぐに助産師がポジショニング(授乳時の赤ちゃんの抱き方)、ラッチオン(赤ちゃんの乳頭の吸い付き方)のポイントをしっかりとお伝えし、授乳がスムーズにいくようにケアを行います。
1-3-2 乳房マッサージ
出産後、2~3日から乳房の生理的緊満が始まります。
赤ちゃんがうまく吸ってくれればその緊満は次第におさまり、母乳の量も増えていくのですが、赤ちゃんがうまく吸い付いてくれない場合やNICUにいる場合は緊満がひどくなって風があたっただけでも激痛がすると訴える方がたくさんいます。
そんな時、できるだけ緊満が取れるように乳房マッサージを行って、血流をよくし、滞っている乳汁の分泌を促したり、乳房緊満をできるだけ解除して乳房トラブルを防いでいきます。
2 働く場所ごとの主な仕事内容
助産師として働く場所はどこであれ、妊娠中から出産後まで、お母さんと赤ちゃんをケアするという仕事はどこも一緒です。
スタッフ数と医師の有無から、働く場所ごとの仕事内容に特徴があります。
相違点 | 総合病院 | 診療所 | 助産院 |
人員数 | 多い | 中 | 少ない |
医師の有無 | 医師常駐 | 医師常駐 | 助産師のみ(委託医・提携病院制度) |
- 総合病院:仕事が細分化され、係が明確
- 診療所:分娩介助や乳房トラブル対応の割合が多い
- 助産院:分娩異常は提携病院へ紹介する必要があるため、提携病院と連絡を取り合う
その一連のケアの中で、施設によって細分化され役割が決まっていることがあります。また、出産進行者がいる場合は、その業務を優先します。
働く場所ごとの仕事内容の違いに注目してみていきましょう。
2-1 総合病院
総合病院や大学病院での仕事について紹介します。
2-1-1 総合病院の仕事の特徴
総合病院の最大の特徴は、人数が多いため仕事が細分化できており、それぞれ係りが振り分けられているということです。大きく分けて「妊婦係」「分娩係」「産褥係」「新生児係」です。
○妊婦係:
切迫早産などで入院している妊婦さんのケアを行います。
分娩監視装置をつけて子宮収縮の状態や胎児の健康状態を把握したり、リトドリンなどの子宮収縮抑制剤などの薬剤管理も行います。また、必要によって、担当医師の診察介助にあたります。総合周産期センターではMFICU(母体胎児集中治療室)がありますので、ハイリスクの妊婦さんのケアにあたることもあります。
○分娩係:
分娩進行中の方がいる場合はそのケアに当たります。また、誘導分娩や帝王切開予定の方の入院を受けたり、その準備をすることも分娩係の役割です。
○産褥係:
出産を終えた方のケアを行います。具体的には授乳指導、育児技術の見守り、乳房の変化のアセスメントなどです。退院前には退院指導を行ったり、退院前の診察介助を行ったりします。
○新生児係:
新生児のバイタルサイン測定を行ったり、沐浴や血液検査、聴力検査、尿検査などを行ったりします。入院中は小児科の回診があることがほとんどなので、その回診の介助についたりもします。
総合病院での勤務でのメリットは、なんといってもいろんな症例と出会えることです。
妊娠期であれば多胎妊娠、切迫早産はもちろん、前置胎盤、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群など、分娩であれば早産、双胎分娩、産後であれば術後合併症などが挙げられます。これらの幅広い知識をつけ、対応していくには総合病院がぴったりだと思います。
総合病院に入院している患者さん、特に妊娠合併症で入院されている方は診療所や助産院に比べ不安が大きいです。診療所や助産院では、そこで対応できない疾患がみつかると、総合病院に緊急搬送される場合がほとんどだからです。
自分の妊娠経過が逸脱してしまうと「自分の赤ちゃんは大丈夫なのか」「無事に出産することができるのか」という不安で押しつぶされそうな毎日を過ごしてしまいます。2週間以上の長期入院になることも多く、経産婦の場合は上の子たちのことなど不安は尽きません。
ですので、幅広い正確な知識があれば、入院中の患者さんのちょっとした疑問にも答えることができ、安心と信頼につながります。
2-1-2 1日のスケジュール
総合病院や大学病院の一般的なスケジュールを紹介します。
スケジュールの中で一番重要なのは「申し送り」の時間です。ここの引き継ぎがうまくいっていないと患者さんからの不信感につながります。
例えば、入院中、乳房トラブルがひどい方がいて、その方の乳房の観察を引き続き行ってほしいとき、引き継ぎをしておけば必ず継続的に見ることができ、その患者の安心感につながります。
産後だけではなく、妊娠期や分娩中の方も状況が変われば必ず記録に残し、次の勤務者に引き継いでおくことがトラブルを防ぐことにつながります。
2-2 診療所
診療所での仕事について紹介します。
2-2-1 診療所の仕事の特徴
診療所は総合病院に比べてスタッフの数はかなり少ないのが特徴です。日勤の場合、助産師は1,2人、後は看護師という場合が多いです。
そのため、仕事内容にも総合病院とは異なる以下の特徴があります。
- オンコールで呼び出されることが多い
- 分娩介助や乳房トラブル対応が多くなり、その他の業務に十分に時間が取れない
スタッフの数が少ないため、助産師は、助産師にしかできない分娩介助や乳房トラブルなどの対応を最優先に、日々の業務量に応じて時間の使い方を調整していきます。
出産予定者がいれば、その看護や介助を優先的に行い、新生児の世話(沐浴・おむつ交換・授乳など)を一部看護師に依頼するなど、臨機応変に動きます。出産介助がない場合、スタッフとしての業務の他、乳房のケアや授乳の介助、外来での業務や乳房トラブル者が受診した場合のケアを行う時間を多く確保します。
時間にも業務量にもかなり追われるため、要領のよさが問われます。また、いくらスタッフが少ないからといって、業務や対応が煩雑になると、不信感につながりかねません。要領よく業務をこなすことも大切ですが、忙しい毎日の中でも丁寧な対応が信頼関係に繋がります。
その分、助産師として1人前になるのが早い職場といえるでしょう。
2-2-2 1日のスケジュール
出産進行者がいる場合、その担当者から申し送りを受けてその患者を中心に看護や出産介助などを行います。昼休みのときだけ他のスタッフと交代して、その患者さんにつきっきりの日もあります。
臨機応変に下記の仕事を手伝います。出産予定者の数に対して、助産師の数が少ない場合、分担できなければ1人で管理します。その他、乳房ケアの指導に対応できるスタッフがいなければ、駆り出されることもあります。
診療所の場合は、業務量が多く業務や対応が煩雑になってしまう可能性があります。忙しい業務のなかで患者さんから何か頼まれたのに、それを忘れてしまい「頼んだのに返事が来ない」「すぐに対応してもらえない」などとクレームがあるようなことは決してなりません。
一つ一つの業務をきちんと丁寧にこなし、もし、すぐに対応できない場合は「お時間を少しいただけますか」と丁寧な対応をすることが安心感につながります。
2-3 助産院
助産院での仕事を紹介します。
2-3-1 助産院の仕事の特徴
助産院では正常出産しか行うことができません。そのため、助産院の仕事の特徴は以下になります。
- 分娩異常は提携病院へ紹介する必要があるため、提携病院と連絡を取り合う
正常出産については、お産の専門家である助産師の営む出産施設が助産院です。母親が本来もっている力を最大限に引き出し、自然なお産ができるようにサポートしていきます。出産介助だけでなく、自然なお産ができるように妊婦の身体作りをサポートしたり、食事や生活のアドバイスを行います。
妊婦健診は、ただ単に機械的にこなすのではなく、ひとりひとりその方に時間をとって全身に触れ、胎児や母親の身体の状態を確かめます。超音波検査も助産師が行います。
助産院を開放して、子育てサロンやカフェを開催している助産院も多く、地域に根付く母親の駆け込み寺ともいえるでしょう。
産後ももちろん、母乳で困ったことがあったらすぐに対応してもらうことができたり、ショートステイやデイサービスを行っている助産院もあるようです。
2-3-2 1日のスケジュール
助産院の一般的なスケジュールを紹介します。
助産院で働く助産師は、妊婦さんの思いに寄り添い、1つ1つの業務を丁寧にこなしていきます。
3 様々な施設働いてきた助産師として働いてきた私からの5つのアドバイス
3-1 分業されて助産師業務全般を学べない所がある
出産の部署、産後の病室、新生児室などで固定のスタッフが配置がされている場合、出産の部署でひたすら出産前後の看護と出産介助を行います。産後の病室の担当は産後の方の看護のみ、新生児室は赤ちゃんのお世話や看護だけという形の病院があって、年単位で交代がないこともあります。
そうすると、「出産介助は得意だけど、産後の母親や赤ちゃんのことはやったことがない」という助産師もいるのです。
就職しようとしている病院のスタッフの配置がどのようにされているかを確認して、一通り対応できるようにしておくと、自信もつき転職するときも有利です。
3-2 生命の誕生を支えることに仕事のやりがいがある
赤ちゃんが誕生する場に自分がいること、その手伝いができることにやりがいを感じます。赤ちゃんの泣き声を聞いたときにほっと安心して嬉しくて、どんな寝不足も、疲れも、空腹も、プライベートの嫌なこともその時は吹っ飛んでしまいます。
助産師の資格取得は、大学4年生で選抜されたり、大学院に進学したりすることが必要なため、年々難しくなってきています。看護師の資格取得も必須です。もし、助産師に興味を持っているなら、いますべき勉強を怠らず看護師免許を取得できるように頑張っておきましょう。
3-3 メンタルヘルスや不妊治療を勉強しておくと一目置かれる
産後うつや出産後間もない身体や家族の悩みにはどのようなことがあるのかを知っておくと、患者さんへのアドバイスに活かせます。
産後の悩みやメンタルヘルスの領域は、学生や未婚者(未出産者)ではちょっとわかりにくものです。
WEB上のQ&Aサイトにたくさん載っているので、見てみると良いでしょう。
また、近年では高齢出産や不妊治療が増えてきているため、必要な知識となります。どんなことがトピックになっているか、ニュースや現在の課題について知っておくといいですね。
3-4 色々な活躍の場があることを知っておくと良い
助産師という仕事は自身のライフイベントに合わせた働き方ができ、以下に代表される活躍の幅がとても広いことが特徴です。
- 母乳育児支援
- 地域の母子保健分野で働く
- 開業
- 教育に携わる
- NICU(新生児集中治療室)で働く
それぞれ見ていきましょう。
3‐4‐1 母乳育児支援
助産師のスキルを高めていきたい人で、「母乳育児支援」に興味がある場合、BFH(赤ちゃんにやさしい病院)で働くこともいいでしょう。「母乳育児を成功させるための10か条」について実践的に勉強することができます。
3-4-2 地域の母子保健分野で働く
結婚して、ライフワークバランスを重視したい場合は、保健所や地域保健センターの母子保健分野で活動できます。
乳幼児健診や訪問を通して、地域で生活している母親がどんな悩みを抱え、毎日育児をしているのか身を以て勉強できます。
3-4-3 開業
経営者として活躍したい方は「開業」を目指す助産師もいます。臨床でしばらく経験を積むと、自分で開業をして分娩介助や母乳育児支援をしたい!という意欲ある助産師もいます。
3-4-4 教育に携わる
助産師のキャリアを積み重ねたうえで、「教育」に携わり、未来の助産師を育てる側にまわることも可能です。大学で研究者になったり、専門学校の教員になることで、学生の未来を切り開くことができるとても素敵な職業です。
3-4-5 NICU(新生児集中治療室)で働く
看護師資格も活かして、NICU(新生児集中治療室)で働く助産師もいます。未熟児で生まれた子供のケアはもちろん、その母親と子供の授乳介助はとても大変です。助産師としての母乳ケアの知識と新生児の知識が融合されれば、地域に戻る母親の不安を軽減させることにつながります。NICUの看護師や母親にも頼られる存在になること間違いなしです。
助産師としての経験があれば、働き先が多く、可能性は無限大です。
まずは、助産師としての経験と知識を磨くために今できることを行い、自分の興味のある分野を極めるといいでしょう。
3-5 学生時代に職場体験をして仕事内容を実際に見てみよう!
助産師の資格が取れる大学や専門学校のオープンキャンパスに参加すると、実際に助産師の話を聞けたり、産科病棟を見学したりできることがあります。
夏休みや週末を利用してオープンキャンパスや様々なイベントを開催しているので、インターネットで探したりや進路指導の先生に聞いたりして情報を集めてみてください。
または、5月12日の「看護の日」に、看護師体験として産科病棟を始め他の診療科病棟で看護師体験をさせてくれるイベントをしていることがあります。各病院や各都道府県の看護協会、助産師協会などに問い合わせたり、進路指導の先生に聞いたりしてみてください。
4 助産師の仕事内容についてよく聞く7つの質問
もっと助産師の仕事を知りたいあなたに、よく聞く7つの質問について回答します。
出産のお手伝い以外はどんな仕事があるの?
看護師でもあるため、入院患者さんの検温や清拭、採血なども行います。その他、乳房のケアや沐浴指導、赤ちゃんのお世話なども仕事の一部です。
多くは、母子に関わることですが、父親に沐浴を教えたり育児についてアドバイスしたりする役割もあります。混合病棟の場合は、看護師として他の診療科の患者さんの看護、外来では婦人科の患者さんの診療補助や看護も助産師が行うことがあります。
助産師は点滴するの?
薬液の指示は医師がしますが、助産師も出産のときに必要であれば点滴を行います。医師の指示に応じて注射も採血も行います。
生まれて直ぐのお世話は助産師?看護師?
赤ちゃんが生まれてすぐのお世話は、助産師でも看護師でも行うことができます。施設によってその日の役割が決まっていて助産師が赤ちゃんの看護を行うことがあります。
帝王切開で生まれた赤ちゃんのケアは、手術室に入り助産師が行う施設が多いです。蘇生方法や観察項目などは頭に入れておく必要があります。
出産が無い時はどんな仕事している?
出産がないときの仕事は、入院患者さんや外来患者さんの保健指導や看護、母親(両親)学級の開催、電話相談、出産の部屋などの環境整備(緊急物品や薬品の確認や補充)などをしています。
いつ出産する方が来てもいいように施設の様々な場所の整備や緊急事態に備え、入院患者さんや外来の業務を行っています。
病院や助産院以外でも働ける?
保健センターなど行政で働く助産師もいます。行政では、産後の新生児の家庭訪問、乳幼児健診、相談業務などを行っています。出産施設から退院した後の親子のサポートを行うため、病院などの施設で働くのとは違う醍醐味があります。また、未来の助産師を育てるために、専門学校や大学などの教育機関で働くことも可能です。
海外でも働ける?
青年海外協力隊や日本赤十字の海外派遣など、助産師は海外でも活躍の場があります。開発途上国では、母子保健に関する課題が山積しています。開発途上国で活動したい人は助産師の資格を持っていると有効的なアピールポイントとなります。また、先進国でも働ける国があります。
公式に日本の免許を書き換えたり、現地の学校に行かず試験を受けて現地国の看護師や助産師資格を取って同じ仕事ができる国があります。
お母さんと赤ちゃんの命のどちらにも責任があってちょっと怖いのですができるものでしょうか?
怖いと思うことは悪いことではありません。出産の介助をすることは、どんなにベテランになっても怖いことです。しかし、きちんと専門教育を受けて経験を積んでいきます。出産の怖さを知り、様々な対処ができるようになります。
常に親子の命について責任意識を持っておく必要があり、好きであるというだけでできる仕事ではありません。でも好きだからこそ、その勉強や経験を積むことも苦にはならないほど頑張れるのだと思います。
5 まとめ
助産師の仕事は、「赤ちゃんを取り上げること」に代表され、赤ちゃんをこの世で一番に抱っこでき、感動の場にいることができます。でも、助産師の仕事はそればかりではありません。
妊娠・出産期の母親と赤ちゃんの2人の命を守るために出産介助や看護、保健指導を行いますが、赤ちゃんから思春期、更年期など女性の一生に関わることができ、その内容は多岐にわたります。妊婦さんや女性、その家族に寄り添いサポートするという気持ちが大切です。
また、活躍の場所も病院や助産院だけでなく、行政が教育機関、外国など様々です。この仕事は責任も重く、好きなだけではできない仕事ですが、それ以上のやりがいを実感できる仕事です。
是非助産師を目指して日々勉強してもらえると嬉しいです!
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