NICUの看護師が辞めたいと思う5つの理由と取るべき対処法を徹底解説
NICUは、主に早産で産まれた低体重児や、何らかの先天性疾患を抱えていたり、すぐに手術をする必要がある新生児の集中管理と治療を行う特殊な病棟です。
参考記事:NICU看護師を目指す前に知るべき仕事内容や悩み・なり方など徹底紹介
そこで働くNICU看護師は、産まれてきたばかりの命を救いたいという熱い使命感、情熱が持ってなられた方が多いと思います。
一方で、働いてみたものの、想像以上に大変、続けていけるだろうかと悩む看護師もいるようです。
この記事に興味を持った方は、実際にNICU看護師を辞めたい気持ちはあるものの、さまざまな思いの中でどうすべきか悩まれているのではないでしょうか。
本記事では、そんなあなたのために、NICU看護師が辞めたいと思う理由やその対処方法の紹介、どういう場合は辞めるべきか、辞める場合の転職やキャリア形成などについて紹介していきます。全て読めば、今悩まれていることに対する答えを見つけることができるでしょう。
目次
1. NICU看護師が辞めたいと思う5つの理由
看護師が職場を辞めたいという理由で多いのが、人手不足や人間関係。これらは、NICU看護師に限った話ではなく、どの職場でも当てはまることかと思います。
本章では、NICU看護師に特有の辞めたい理由を紹介していきます。NICUで勤務する看護師が直面する辞めたいと思う理由は以下5つです。
- 常に命に向き合っているという緊張感と責任
- 新生児の死に直面することが辛い
- ご両親への対応に負担を感じる
- 夜勤が大変
- 特殊病棟すぎて他の科にいけないという不安
それでは紹介していきます。
1-1 常に命に向き合っているという緊張感と責任
常に命に向き合っているという緊張感と責任がプレッシャーで辞めたいと思ってしまいます。
新生児は自分の言葉で体調の変化を訴えることはできません。少しの環境の変化でも体調が変わってしまうので、看護師には些細な変化も見逃さないよう緊張感を持って勤務にあたらなくてはなりません。
そのような緊張感と小さな命を預かっているという責任に耐えられなくて、「このまま続けられるだろうか。。」と辞めたい気持ちになってしまうことがあります。
1-2 新生児の死に直面することが辛い
全ての新生児が改善するわけではありません。亡くなってしまう新生児もいます。
小さな命を救いたい。そういう使命感からNICU看護師になった人にとっては本当に辛い出来事です。
「もっとできることがあったのではないだろうか」
そんな後悔をすることも多いでしょう。
NICU看護師には気持ちの切り替えが必要ですが、それが上手くできない人は辞めたい気持ちが強くなってしまうかもしれません。
1-3 ご両親への対応が負担
ご両親に対する対応が負担で辞めたい気持ちになります。
NICU看護師の役割として、ご両親に対するケアがあります。自分の子供が心配で、ご両親がナーバスになってしまうのは当然。。。そんなご両親に対して、新生児に丁寧な処置をすると同時に心のサポートをすることは想像以上に大変なんです。
ご両親に配慮して、言葉を選びながら話したり、ご両親の不安な気持ちを聞いたり、病状について何度も連絡がきてしまうことも。。
コミュニケーションの取り方によっては医療側に不信感を保たれかねないため、神経はすごい使います。そんな毎日がストレスで辞めたい気持ちにもなります。
1-4 夜勤がしんどい
NICU看護師が辞めたいと思う理由の一つに夜勤のしんどさがあります。
NICUでの夜勤は、一般病棟と違い、常に看護師は新生児のベッドサイドにいることになり、夜間にラウンドすることはありません。常に緊張感を持っていなければならないので、精神的な負担は大きいかと思います。
そういった夜勤のしんどさから、続けられない、辞めたい気持ちになってしまうようです。
1-5 特殊病棟すぎて他の科にいけないという不安
NICUは特殊病棟すぎて、長く働いていると、いざ転職しようとした際に他の科へ転職できないのでは。。そんな不安から辞めたい気持ちになったりします。
NICUは小児分野の中でも更に特殊な病棟です。看護技術として、なかなかNICUでの経験が活かせるところは多くはありません。特に成人看護への転職は、一から学ばなければなりません。
このまま、NICUのままで良いのかなぁ。。。これから長く続けられるだろうか。。。
そんな将来に対して気持ちが揺れている方は、長くNICU看護師のキャリアを築いてしまうと転職が難しくなるのではという不安から、そうならないうちに転職をしたいと考えることもあるかと思います。
2. NICU看護師を辞めたい時に取るべき対処法
1章でNICU看護師が辞めたいと思う理由について紹介してきました。
一方で、辞めて転職活動するのはそれなりにエネルギーが必要。。辞める決断をする前に、まずはこのまま頑張れるように、モチベーションを持ち直したいところです。
この章では、辞めたい時にまず取るべき対処法や考え方をご紹介します。
2-1. 可能であれば有給休暇をとって仕事と距離をとる
NICU看護師は、常に緊張感とその責任からくるストレスとの戦いです。辞めたい気持ちが芽生えている時は、どんどん気持ちがネガティブな方向に進んでしまいます。
有給休暇が取れるのであれば、取得して短い時間でも仕事と距離をとることも大事です。脳が疲れている状態では、冷静な判断はできません。これは、特に気持ちの切り替えが苦手な方にはオススメです。
有給休暇が取れなくても、休みの日や仕事後に、職場での悩みを友人や家族に話したり、趣味の時間にあてたりすることで気持ち的な余裕ができたりするものです。
2-2. NICU看護師になった時の気持ちを振り返る
嫌な気持ちになっている時は、嫌なところばかりに目がいきます。そんな時は、NICU看護師になった時の気持ちを振り返ることが大事です。
NICU看護師を目指した方は、勤める前から大変な職場であることはわかっていた方が多いはず。それでも目指した背景には、産まれてきたばかりの命を救いたいという熱い使命感、情熱を持たれていたからだと思います。
NICU看護師のやりがいには、チームのみんなで協力して、生まれてきたばかりの小さな命を救えた時の達成感や、ご家族から感謝の言葉があります。
そういった思いを振り返ることでモチベーションを立て直せる方も多いかと思います。
2-3. 改めてキャリアプランを見直す
改めてキャリアプランを見直すことをオススメします。
特にNICUが特殊病棟なため、将来的な不安を抱いてしまう方については、長期的な方向性が定まっていないためであることが多いです。
NICU看護師としてのキャリアプランとしては、NICU看護師の認定看護師である新生児集中ケア認定看護師を目指して、その道を極めていくことも挙げられます。
一方で、NICU看護師は続けない、という結論であれば、前向きに転職を考えていきましょう。
大事なことは、突発的に辞めるという決断をせずに、その次を考えて決断することです。
3. NICU看護師からのおすすめ転職先
転職する際は、自分が何をやりたいのかを第一に考えていくことが大事です。
とはいえ、他の科に転職にしにくいことが、NICU看護師の悩みの一つ。参考までにおすすめの転職先は知っておきたいものかと思います。
この章では、 NICU看護師におすすめの転職先を紹介します。
3-1. 小児科
NICU看護師は、その専門性が特殊性から、他の科に転職にしにくいことが悩みとして挙げていましたが、小児分野での転職をされるケースはよく聞きます。
新生児と小児では当然関わり方は全然違いますが、小児も同様にご両親とのコミュニケーションが大事になります。NICUで培ったコミュニケーションはそのまま活かせるでしょう。
参考記事:小児科看護師を目指す前に知るべき仕事内容や悩み・なり方などの全て
3-2. 保育園
保育園看護師もおすすめの転職先の一つ。
私の知り合いにも、結婚・出産を機に、NICUから保育園の看護師に転職された方がいます。夜勤や残業も少なく、子供好きだったことから転職したそうです。
ただし、年収は下がってしまうのでそこはご注意ください。
興味がある方は以下の記事をご参照頂ければと思います。
参考記事:保育園の看護師の役割や業務内容から悩み・対処方法まで徹底解説
3-3. 訪問看護ステーション
訪問看護ステーションもおすすめ転職先の一つです。
訪問看護の対象者は、内科疾患から整形外科疾患、脳血管疾患、神経難病などなど、ほとんど全ての疾患の方を対象とし、急性期病院からの退院直後の方や、ターミナルケアの方など、その状態も様々ですが、訪問では、病院のような高度な医療処置は行うことはありません。
実は、訪問看護の中でも小児を専門とするとステーションが存在します。NICUで退院した赤ちゃんのその後について関われる機会もあるでしょう。
もちろん、成人看護においても、教育がしっかりしているステーションもありますので、興味がある方はチャレンジしてみても良いかもしれません。
成人看護でも、NICUで培ったコミュニケーション力は活かせるのではないかと思います。
参考記事: 実際働いた私が訪問看護の仕事内容を病院と比較しながら徹底解説!
4. まとめ
NICU看護師が辞めたいと思う理由やその対処方法などについて紹介してきました。
NICUで勤務する看護師が直面する辞めたいと思う理由は以下5つです。
- 常に命に向き合っているという緊張感と責任
- 新生児の死に直面することが辛い
- ご両親への対応に負担を感じる
- 夜勤が大変
- 特殊病棟すぎて他の科にいけないという不安
NICU看護師は、常に緊張感とその責任からくるストレスとの戦いです。辞めたい気持ちになったとしても、可能であれば休みをとるなどして、気持ちを切り替えながら、自分のキャリアプランを見直してみることが大事です。
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