面接官が伝える看護師転職10回以上でも採用したいと思える3つの対策
看護師で「転職回数10回以上」と聞くとどのようなイメージでしょうか?
多くの方はネガティブなイメージとなるかと思います。そのため、もし転職を10回以上行う場合、残念ながら転職市場では不利になってしまいます。しかしながら、だからといって諦めなければならないわけではありません。 現状とその対策を考えることが重要になります。
転職回数が多いことより、採用する側は、あなたに性格的な問題があるのでは、すぐに離職してしまうのではと懸念してしまいます。だからこそ、行うべき対策はたった3つになります。
- 長期就業希望を伝える
- 転職理由を明確に履歴書に記載する
- 就業先に伝えられる強みをまとめておく
これさえ抑えておけば、10回以上転職を繰り返していても、内定確率はグッと高まります。その上で看護師としてのキャリア形成を見直すことで、目指す転職先が見つかりやすくなると思います。是非この記事を参考にしてみて下さい。
目次
1 看護師転職10回以上は不利!採用側が感じる不安要素3選
看護師で転職を10回以上している方は、かなり少数派で転職に関しては不利となり難易度が高くなります。有効求人倍率が一般職1.09倍に比べて約2倍高い看護師であっても、残念ながら転職10回以上は不利な要件となります。なぜなら採用側に大きな疑念を抱かれやすいためです。
採用側の不安要素は以下3点になります。<参考:令和3年一般紹介状況>
- 短期間で辞められる不安
- 人間関係を乱してしまわないか不安
- 本人に問題があるかの不安
まずは採用側の疑念を理解し、対策を考えていきましょう。不利な状況ではありますが、受験と同じで傾向と対策を練れば解消できますのでしっかりポイントを抑えることが重要となります。
1-1 短期間で辞められる不安
ご自身も職場で聞いたことがあると思いますが「今度来る看護師転職〇回目なんだってよ」や「○○病院から今度転職してくるみたいよ」という話を受けることがあるはずです。
その際に「10回以上の転職」と聞くとどう思いますか?
多くの方は、しっかり教えるのやめようや、どうせまた転職するんだろうと思ってしまうと思います。
採用のプロである担当者は、我々看護師よりよりシビアに見てきます。最も強い不安要素として「再度短期間で辞められる不安」がありますので、この理解が重要です。
まずは短期間で辞められるという不安の解消が大事になります。そのため、長期就業が可能になることをイメージさせることがポイントとなります。
1-2 人間関係を乱してしまわないか不安
転職回数が多いとどうしても「人間関係のトラブル」や「上司との関係性の不和」が理由に上がることが多くあります。
特に転職回数が多い方は、人間関係を理由の転職が1つや2つ生じてしまうケースを採用担当者は経験してしまうことがあります。
そのため、人間関係での転職理由は基本記載や面接でも話すことが無いようにし、転職理由を明確に記載する対策が必要となります。
1-3 本人に問題があるかの不安
転職10回以上の看護師というワードで思いつくことは何でしょう?あるいは、自身の職場に入社した方を思い描くとイメージしやすいかもしれません。
残念ながら「気難しい」「一緒に働ける自信がない」「主張が強そう」「自己中心的」と発想される方が多いのではないでしょうか。
まずは本人の人柄や人間性ではなく「転職10回」というネガティブな印象からスタートしてしまいます。特に採用担当者は過去の経験から疑ってしまうものです。そのため自身の強みは勿論ですが、就業先に合った強みをまとめておくことが重要となります。
2 採用側の不安を知った上での3つの対策
採用側の不安を知ることで見えるのが対策方法になります。「転職が難しそう」ではなく、その上で今回を最後の転職と思って、自身が望む転職先を見つけることが重要になります。その上で対策は3つになります
- 長期就業希望を伝える
- 転職理由を明確に履歴書に記載する
- 就業先に伝えられる強みをまとめておく
これらを抑えることで、転職10回以上のネガティブ要素を軽減できますので、1つずつ考えるようにしていきましょう。
2-1 長期就業希望を伝える
採用側は短期での退職を懸念してしまうため、長期就業可能なことが、面接官に伝わるかがポイントになります。その上で話すべきことは2点になります。
- 病院の理念や看護部の方針を理解していることを伝える
- 5年以上先のキャリアプランを伝える
2つは長期就業を伝える大事な要素になるので考えておきましょう。
2-1-1 病院理念、看護部の理念は絶対に抑える
面接官は人事担当と看護部長が実施することが多くなります。
その中で共通して理解を得やすいのは理念になります。同じ志であれば、一緒に働くイメージがつきやすくなります。
そのため、理念とリンクする自身の想いを伝えることが必要になります。
理念も暗記して話せば、理解を深めてもらえてると安心感を持ちやすくなるため、最も抑えるポイントになります。また病院理念だけでなく、看護部の理念を抑える人は皆無になります。差別化や、真剣さも伝わるので、併せて抑えましょう。
2-1-2 5年以上先のキャリアプランを伝える
多くの求職者は就業先で働くイメージで面接を受けます。ここで差別化を図るためには、5年以上先のキャリアプランを面接で伝えることが重要です。
役職を希望するようでしたら、その役職に向けたプランを伝えることが大事になります。
例えば「3年で業務に慣れたら、役職者研修を受けようと考えています」などの話をすると伝わりやすいです。
役職者志望でなく現場を頑張りたいようでしたら、配属希望先での研修受講の旨を伝えるようにしましょう。看護協会や都道府県で実施のものでも構いませんので、具体的に自身が興味のある研修を1つはピックアップすれば、間違いなく長期就業のイメージを持って頂けると思います。
2-2 転職理由を明確に職務経歴書に記載する
職務経歴書に転職理由を可能な限り記載することにしましょう。特に重要なのは「前向きな転職」をイメージしてもらえる記載にすることです。
最初の就業先は「看護学校からの系列で入職」、2か所目は「スキルや○○を勉強したくて転職」などわかりやすく記載しましょう。配偶者の事情や、ライフイベントでの事情があっても、明確に記載することが重要です。
また、就業先で学んだことなどは積極的に記載することで、スキルや経験を理解してもらえるので、可能な限りまとめるようにしましょう。
決して「人間関係の問題」や「上司などの問題」などは事実であっても記載することは控えることが大事です。前向きに多様なキャリアを、希望して選択していたことがわかるように記載することがポイントとなります。
2-3 就業先に伝えられる強みをまとめておく
就業先に対しての、自身の強みは絶対志望動機に入れましょう。
もし急性期の病院であれば「急性期病棟での経験やスキル」、施設であれば「慢性期病棟での経験やスキル」、訪問看護であれば「豊富な症例経験や自身が学んだこと」は強みとして抑えて記載しましょう。
施設などであれば、その施設の特徴に合わせた、「経験とスキル」を自信をもって記載するようにしましょう。面接でも絶対聞かれる項目になるため、文字でまとめることで、より伝えやすくなります。
3 10回以上転職経験の看護師が転職前にすべきこと
転職回数が10回を超える場合は、転職市場において正直不利になるため、傾向と対策が大事になります。
多くのケースではポジティブに変換はできますが、11回、12回と回数を重ねるごとに不利な状況になるのは事実です。そのため、転職前に見直すことと、自身の現状を理解することがとても重要になります。
特に自身のキャリア形成を考え直すのは、遠回りのようで近道ですので抑えておきましょう。
3-1 看護師としてのキャリア形成を見直す
実は転職前に自身のキャリア形成を見直すことがとても重要です。
多くの看護師が「人間関係」や「働き方」に疑問やネガティブな感情で、これらを除去するために転職を考えてしまいます。しかし、根本や目指すものが明確でないと、同じ過ちを繰り返してしまう結果になってしまいます。だからこそ転職活動の前に考えることは自身の目指すキャリア形成です。
意外と現職のほうが目標を叶える結果になることも事実としてあります。是非「看護師のキャリアアップ総まとめ!絶対に理想の看護師になろう!」を参考にご自身が目指すべきキャリア形成を考えましょう。これらを作成してから動いても決して遅くはありません。
3⁻2 今の就業先は3年以上継続はする
もし10回以上の転職の中で、1つも3年以上の経験が無ければ、転職活動は一旦ストップしましょう。もし転職しても希望する部署が通らなかったり、条件が悪くなってしまう要因になります。
また同じような理由で再度転職してしまう可能性も高くなるので、3-1に記載のあるキャリア形成の見直しをし、一度自身の看護師としての在り方を考える時期とすることをオススメします。
4 まとめ:10回以上の転職であれば3つの対策を行う
看護師で転職10回以上であると、残念ながら転職市場では不利に働きます。しかし対策を行えば決してできないことではありません。重要なのは3点です。
- 長期就業希望を伝える
- 転職理由を明確に履歴書に記載する
- 就業先に伝えられる強みをまとめておく
これらを抑えると共に、この機会に自身のキャリア形成を見返すことをオススメします。この記事を参考に、ご希望の転職先や自身を見直す機会となることになれば幸いです。
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