看護師が20代で転職を考えるなら、5年目以降が絶対に良いと思う理由
・人間関係が辛い
・ライフスタイルが変化した
・キャリアをどのように形成していくべき?
20代の看護師の悩みは多く、転職を考える人も多いでしょう。
しかしタイミングを誤ると、後になってから失敗・後悔することも…。またいつ・どのように転職すべきか、悩んで踏み出せない方もいますよね。
そこで本記事では、20代看護師の最良の転職時期は5年目以降であることや、転職の理由となる悩み、解決方法等をご紹介します。読むと20代看護師の転職に関する、たくさんのお悩みが解決できますよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1.20代後半の転職が最良の時期
20代の中で、看護師5年目以降の20代後半の転職が最良の時期と言えるのには、理由があります。
まず20代看護師の転職に有利なポイントは、以下の通りです。
・現役として勤務できる今後の年数が長い
・柔軟性があり、新しい仕事や業務がすぐに覚えられる
・体力があり、夜勤をこなせる
次に、当社で転職してきた看護師と数多く仕事を共にした看護師に話を聞いてみると「1つの病院で看護師として5年以上働いた看護師と仕事ができると嬉しい!」と言っていました。具体的には下記を備えているからです。
・看護師としての知識・スキルを十分に持っている
・リーダー業務・プリセプター業務等を経験している
患者さんへのケアだけでなく、後輩への教育やリーダー業務等、様々な役割を担うようになるため、病院組織の中核的な存在となるのです。看護師として少なくとも5年間、同じ勤務先で経験を積んできたという実績があれば、安心して仕事を任せられるため、引く手あまたの存在になれるのです。
希望する待遇・条件でも転職しやすくなるので、転職はなるべく20代後半と考えましょう。
2.20代前半での転職はじっくり考えてからした方が良い理由
20代前半での転職はじっくり考えてからした方が良いと思う理由は、以下の通りです。
・知識・技術が十分に身についていない
・業務の経験が浅く、視野の広さ、コミュニケーション力が十分でない
・「またすぐにやめてしまうのでは?」と転職先にマイナスに捉えられる
20代前半での転職は、知識や技術を身につける機会を逃すことにもつながります。新卒の看護師には、病院側で育成のカリキュラムが整えられているところも多いですが、早いうちに転職してしまうと、そのような待遇は受けられなくなるかもしれません。
また、リーダー業務・プリセプター業務の経験が浅く、視野の広さ、コミュニケーション力が十分でなかったり、転職活動時にも「またすぐにやめてしまうかもしれない」と、採用側にマイナスとして捉えられたりすることで、希望通りの転職が難しくなるという懸念点もあります。
だからこそ、転職は5年目以降にするのがおすすめなのです。
3.20代の看護師に多い転職理由5つ
20代前半では転職をおすすめしませんが、あなたは今、ここに挙げる5つの転職理由のどれかを思っていませんか?そんな場合は、次の4章と合わせて読んで頂き、転職するかどうかじっくり考えてみてください。
3-1.結婚や出産・育児などでライフスタイルが変化する
結婚や出産・育児など、女性ならではのライフスタイルの変化は、転職の大きな理由の一つになります。
「夫の職場の近くに引っ越すことになった」「夫婦すれ違いの生活を防ぎたい」など、結婚時に転職・退職を検討する人も多いでしょう。
また出産・育児においても、職場の環境や働き方次第で産休・育休の取得や、子育てとの両立が難しいケースもあり、転職せざるを得ない場合もあります。
3-2.職場の人間関係にストレスを感じる
職場の人間関係は、多くの看護師が悩むポイントです。
特に20代の新人のうちは、忙しさのあまり適切な指導を受けられなかったり、立場も弱い分きつい言い方をされてしまったりする場合も。他にもパワハラやモラハラ、いじめなどによる強いストレスは、転職の原因になります。
3-3.仕事が忙しすぎる・責任が重たくて辛い
仕事の忙しさや、命に関わる責任の重さなど、看護師は大変なことも多い職種です。
張り詰めた空気の中行われる医療行為や、他医療職との連絡・連携、患者さんへのきめ細やかなケアなど、仕事量も多く、退勤時にはヘトヘトに…。
それに加えて夜勤などの不規則な生活など、心身ともにハードな仕事であることも転職を検討する理由の一つとなります。
3-4. キャリア形成が見込めない
20代の看護師の中には、様々な分野を経験してキャリアを形成していきたい、認定看護師や専門看護師になりたいと希望する方もいるでしょう。
しかし看護師長等のポストが埋まっている場合や、自分の望む知識・スキルが身につけられる職場が勤務先にない場合には、転職も視野に入ってきます。
3-5.給料が少ない・待遇面に不満がある
給料や待遇に不満を感じたときにも、転職のきっかけとなります。
看護研究やリーダーをしても給料が上がらない、夜勤手当等が安い等、仕事量に対しての給料に納得がいかない場合もあるでしょう。
看護師の仕事は激務で責任も重たい職種のため、それに見合った給料や待遇で働きたいと考える人もいます。
4.20代前半の看護師に送る転職を我慢するためのアドバイス
ここからは、第2章でご紹介した、20代の看護師が抱えやすい悩みに焦点を当てて、解決方法をご紹介していきます。
4-1. ライフスタイルの変化は夫や周囲の家族の助けを得る
ライフスタイルの変化には、周囲の理解や手助けを得ることで対応できる場合も多いです。
看護師は女性が多い職種です。結婚や出産・育児などのライフスタイルの変化による悩みは、多くの20代看護師が抱えています。
結婚する時に家事・育児の分担を相談したり、周囲に家族が住んでいる場合には、協力をお願いしたりしましょう。
4-2.職場の人間関係に悩んだ時は、同僚や先輩、上司に相談する
職場に信頼できる同僚や先輩がいる場合には、まずは相談してみましょう。特に同期は打ち明けやすい存在なので、おすすめです。
それでも解決できない場合や、いじめやパワハラを受けているという場合には、上司に相談してみましょう。人間関係が円滑となるよう異動等で調整してもらったり、問題行動を起こす看護師となるべく勤務を別にしてもらったり等、職場としても退職されてしまうと困るので、対応してもらえるケースも多くあります。
4-3.報・連・相の勉強をする
報・連・相のスキルを高めると、自分も相手もストレスを大きく減らすことができます。人間関係のストレスや責任の重さを感じることが減少するでしょうか。
病院では一般的な社会人が最初に教わる「報・連・相」についてしっかりと教わることが無く、先輩のマネをすることで良しとしている事が多々あります。
例えば、先輩に仕事を指示された際に「はい、わかりました!」だけで会話を終わらせていませんか?
その後急いで言われた通り仕事したのに、後になって先輩から『あれどうなってるの!?』『遅い!』と怒鳴られたことありませんか?
これは指示した先輩の時間軸とあなたの時間軸がズレているからおこることで、先輩はあなたよりも仕事ができるので、仕事をこなす時間軸も早く、心の中で『まだかしら、、、』『どうなっているの?もしかして何かトラブルがったのかな、不安だわ。。。』と思っています。
こういったことをなくすには最初の会話で【期限】の要素を入れて返答すべきなのです。
具体的には「はい、わかりました!お昼までに行います。」「はい、わかりました!終礼までに行って報告します。」
こうすることで、あなたの時間軸が先輩に共有され、先輩はその期限までは不安やストレスを感じずに待つことができます。また、あなたが先輩の考えよりもあまりにも遅い期限を言った場合にも、そのタイミングではまだ先輩は大きな不安やストレスを感じる前ですので、上記のように怒鳴られずに小言で済むことが多くなります。
報・連・相について勉強したことが無いなという人は勉強しましょう。
4-4. 忙しさや責任の重たさを感じたら無理せず休む
「忙しすぎる」と感じたら、有給等を取得して、まずはゆっくり休んでみましょう。
また責任が重たくて辛い、という場合には、医療行為が少ない職場に異動を希望するのもおすすめです。
医療行為や患者さんへのケアなど、業務自体も忙しすぎる他、責任が重くて辛いと感じる看護師の方も多いでしょう。
他の同僚に迷惑をかけるから休めないと真面目でがんばり屋が多い看護師は考えてしまいがちです。しかし十分な休息がとれなければ、心身のバランスを崩してしまい、うつ病等の精神疾患にも繋がりかねません。
4-5.キャリア形成が見込めない時は求人情報を継続して収集する
管理職を目指す人でポストが埋まっている人は継続して求人情報を収集しましょう。
インターネットで検索したり、人材紹介会社に複数登録することで情報を得ることができます。
大事なことは、看護師5年目になるまでは、良いと思った情報にも飛びつかず、じっくり集めた情報を比較することです。
1年以上情報収集だけをやっていると、求人情報から自分にあった病院、あわない病院がおぼろげながら見えてきます。また、そうしている間に上のポストが空くことも十分可能性としてはあります。
4-6.病院内で異動するというキャリアを検討する
現在の職場では、自分の希望する専門性のある知識や技術が身につけられないという場合には、自分のやりたいことに近い職場に異動を願い出てみましょう。
様々な分野で経験を積みたい、また認定看護師や専門看護師になりたいというプラスの理由であれば、病院からもサポートを受けやすいでしょう。
4-7. 給料が少ない・待遇面に不満があっても今の職場で続けるのが吉
2019年の厚労省による「賃金構造基本統計調査」によると、看護師の20〜24歳の年収は約352万円、25〜29歳の年収は417万円となっています。
経験年数が重なると、給料もアップするので、もう少し様子を見てみてはいかがでしょうか。
5.20代の転職で失敗しないために、転職前に実施すべき3項目!
せっかく転職しても失敗や後悔は避けたいですよね。転職前には、以下の3項目を実施しましょう!
・職場見学に行き、情報収集をする
・内定通知を細かく確認する
・5年後のキャリアイメージを書き起こしする
5-1.職場見学に行き、情報収集をする
実際の職場の雰囲気や環境は、実際に見てみなければ分かりません。
「百聞は一見にしかず」ということわざのように、同僚となる看護師が生き生きと仕事できているかどうか、物品の整理整頓は行き届いているかなど、実際に見学してみると、たくさんのことが分かります。
5-2.内定通知を細かく確認する
内定通知は、仕事の条件が明記されているため、とても大切な書類です。
・就労時間(交代勤務の有無等)
・給料(支払日、賞与、昇給、その他住宅手当等)
・休日(有給や就職先ならではの制度等)
働き始めた後に気づいても、契約後であれば変更は難しいです。
希望する条件としっかりと合致しているか、面接で決めた内容と合っているか、細かくチェックしましょう。
5-3. 5年後のキャリアイメージを書き起こしする
転職前には、5年後のキャリアイメージを書き起こしてみることがおすすめです。
「高い専門性を持った看護師になりたい」「新しい分野にチャレンジしてみたい」など、今後の方向性や、理想の看護師像も見えてくるでしょう。ゴールが明確になると、理想のキャリアに近い転職ができるようになります。
転職前に将来を見据えて、どのような看護師になりたいのか考えてみましょう。
(参照:看護師のキャリアアップ総まとめ!絶対に理想の看護師になろう!)
(参照:看護師が転職で「最高のその後」を迎えるために知るべき3つの項目)
6.20代後半の看護師におすすめのキャリア別転職先
ここからは、目指したいキャリアごとに、おすすめの転職先をご紹介します。
6-1.専門看護師を目指す場合
専門看護師を目指す場合は、いくつかの条件があります。
・日本国の看護師免許を有すること
・看護系大学院修士課程修了者で、専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していること
・実務研修が通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
専門看護師になるには時間がかかります。特に「認定看護分野の実務研修」は、希望資格の分野で3年以上の経験が必要となるので、現在の職場で経験できない場合には、転職を検討しましょう。
病院によっては、資格取得をサポートしてくれるところもあるので、早いうちから情報収集や準備しておくことをおすすめします。5年以上の勤務経験があれば採用側にも良い印象を与えられるので、焦らずに探してみてくださいね。
6-2.認定看護師を目指す場合
専門看護師と同様、認定看護師を目指す場合にも、いくつかの条件があります。
・日本国の看護師免許を有すること
・看護師の免許取得後、実務経験が通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
・認定看護師教育課程を修了していること
こちらも専門看護師と同様、「認定看護分野の実務研修」が必要となります。勤務中の職場で該当となる分野で経験を積めない場合には、情報収集を行った後に、5年目以降に転職するのがおすすめです。
6-3.管理職を目指す場合
看護師長など、管理職を視野に入れている人もいるでしょう。しかし、なりたいと思っても、そのポジションが空かなければなることはできません。
なかなか管理職のポジションが空きそうにない場合には、看護師5年目になったら管理職の募集を探して転職活動を始めましょう。
6-4.病院以外を転職先に考えている場合
病院以外も転職先として視野に入れている方にも、5年以上の看護師経験を積むようにしましょう。様々な事態に対応できるようになるため、多くの転職先で重宝されます。
6-4-1.企業看護師
看護師としての経験が豊富であれば、ケガ等の突発的な事故にも対応できるため、採用側にも良い印象を与えられます。また治験コーディネーター等の仕事においても、看護師としての豊富な医療知識やコミュニケーションスキルは役立ちます。
6-4-2.介護施設等の施設
介護施設は、看護師の人数が少ない傾向にあります。利用者や入居者が体調不良となったときに、現場の指揮をとるほか、状況を判断して適切な処置を行わなければなりません。
看護師として豊富な知識・経験があると、安心して任せられるので、求められる存在となることができます。
6-4-3.訪問看護等の在宅医療
訪問看護は、基本的には自分1人で利用者の状態を適切に判断して、必要な看護を提供します。
看護師として十分な経験があれば、訪問看護等の在宅医療の現場でも活躍できる人材になることができます。
6-4-4.クリニック
クリニックは一般的な総合病院等よりも看護師の人数が少なく、即戦力となる人材が求められます。
難しい医療行為はほとんどありませんが、採血や点滴、医師の診察の補助等が必要となるため、十分な看護師経験が必要となります。
7.まとめ
20代の看護師で、転職を考えている方は、5年以上の経験を積んだ後にしましょう。知識・スキルが備わっていると、どこからも求められる人材となることができます。
また後悔のない転職をするためには、準備や情報収集も必要なので、20代前半の方は焦らずに転職活動に取り組みましょう。
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