看護師寮ってこんなところ!メリットデメリットや生活の実態を総解説
「看護師寮って住みやすいの?」
「看護師の一人暮らしは、寮と賃貸どちらがよい?」
看護師寮が気になっても、どんなところなのかという実態がわからないと、入居すべきかどうか迷いますよね。
現在の看護師寮の多くは、賃貸マンションに入居するのとさほど変わらない生活ができる施設です。
さらに、家賃が格安で通勤しやすい立地にあるなど、メリットもたくさんあります。
一方で、施設によっては最低限守らなければならないルールが定められている場合もあります。また、入居者が皆同じ職場だという特性上、仕事とプライベートを完全に切り離したいという人には向いていません。
看護師の仕事はハードなので、しっかりと休息をとれる住環境を選ぶ必要があります。そのためには、看護師寮での生活について理解し、自分に合っているかどうかをよく検討することが大切です。
そこでこの記事では、以下について解説します。
▼看護師寮の特徴
▼看護師寮によくあるルール
▼看護師寮に住むメリット・デメリット
▼看護師寮生活の実態
▼看護師寮がおすすめな人4タイプ
▼看護師寮よりも賃貸が向いている人3タイプ
この記事を読むことで、看護師寮がどのようなところなのかがわかり、入居するかどうかを判断できるようになります。
新生活を満喫できる家をみつけるために、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 看護師寮の特徴
現在の看護師寮の大半は、独身向けのワンルームマンションタイプです。病院のすぐ近くに立地していることが多く、相場の数分の1程度という格安な家賃で入居することができます。
1-1. 施設の種類は借り上げと病院併設の2タイプ
看護師寮の施設には、普通のマンションを病院が借り上げているものと病院に併設された建物の2種類があります。
病院に併設された建物で共有部分がある場合には、他の入居者との交流が余儀なくされることもありますが、近年ではまれだといえます。
現在の主流は借り上げタイプであり、病院併設でもワンルームマンションのような構造になっていることが多いため、文字通り「一人暮らし」をすることができます。
1-2.入居者限定の場合もある
看護師寮では、入居者が限定される場合があります。
多くは独身限定の寮ですが、女性限定、シングルマザー向けの母子限定なども存在します。一方で、看護師に限らず病院職員であれば入居可能ということもあるため、事前に確認しておくと生活環境がイメージしやすいでしょう。
1-3. 家賃は格安
看護師寮の家賃相場は、1ヵ月あたり1万円~3万円です。東京中心部では35,000円程度になったり、地方都市では1万円以下だったりと地域による差はありますが、総じて賃貸物件の相場に比較すると格安だといえます。
賃貸に入居する場合に住居手当を支給する病院もありますが、それを利用しても看護師寮よりは持ち出しが高額になる場合が多くなります。
光熱費に関しては、家賃に含むという看護師寮もありますがまれなケースなため、家賃とは別に自己負担になる場合がほとんどです。
1-4. 病院の近くに立地
看護師寮の多くは、病院のすぐ近くに用意されています。
病院によっては、プライベート感が強くなるようにとの配慮からあえて距離を離すこともありますが、それでも数駅程度という場合が多いため、通勤時間は短くて済みます。
2. 看護師寮によくあるルール
看護師寮では、最低限守らなければならないルールが定められている場合があります。よくあるルールは、部外者を入れない・ペット禁止・正職員しか入居できない・入居期限付きなどです。
自分にとって譲れない部分がルールに抵触していないかどうかを、事前によく確認しましょう。
2-1. 入居者以外は立ち入り禁止
看護師寮では、入居者以外の立ち入りを禁止しているところがあります。これは、借り上げマンションタイプでも同様です。
このルールがある場合には、寮の入居者同士がお互いの部屋を行き来することはできますが、外部の人を部屋に入れることはできません。
2-2. ペット禁止
看護師寮でペットOKにしている施設は、ほとんどありません。
ペットを飼いたいという場合には、賃貸にするしかないでしょう。
2-3. 入居できるのは正職員のみ
看護師寮の家賃が格安なのは、病院が福利厚生として準備している施設だからです。
そのため、入居できるのは福利厚生を利用する権利をもつ正職員のみで、パートや契約社員・派遣の人は入居できないというケースが多くなります。
2-4. 3~5年で退去
独身限定の看護師寮では、入職から3~5年で退去を勧められる場合が多いです。
これは、寮に空きがないと、遠方から就職する新卒やまだ給与が低い若年層の看護師を採用するチャンスが減ってしまうためです。
ある程度の期間、看護師寮の恩恵を受けたら次の人に譲り渡す、ということが求められるといえます。
3. 看護師寮に住むメリット
看護師寮に住むメリットには、以下のようなものがあります。
看護師寮に住むメリット |
生活費を節約できる |
通勤が楽 |
面倒な手続きなしで入居できる |
セキュリティがしっかりしている |
仲間が近くにいて心強い |
夜勤の生活リズムへの苦情が出にくい |
筆者も新卒の頃は看護師寮に入居していました。
その経験も踏まえて、それぞれのメリットについて解説していきます。
3-1. 生活費を節約できる
看護師寮の家賃は格安なので、賃貸に入居するのに比べて住居費を大幅に節約することができます。
また、敷金・礼金がなく、エアコンやコンロなどが備え付けられていることもあるため、一人暮らしを始めるときの初期費用が少なくて済みます。
さらに、病院の近くに立地していることから通勤時間が短くて済むため、通勤で浮いた時間を自炊に充てれば食費を抑えることもできるでしょう。
3-2. 通勤が楽
看護師寮の多くは病院のすぐ近くに立地しているため、通勤時間が短くて済みます。
看護師の仕事はハードで、特に新卒では慣れない環境で緊張しながら働いているため、勤務終了後には何もする気が起きないくらいヘトヘトに疲れることもあるでしょう。そのようなときでも、寮であればすぐに帰宅して休むことができます。
また、通勤で浮いた時間を学習や気分転換に充てることもできるのです。
3-3. 面倒な手続きなしで入居できる
賃貸に入居する場合には、物件探し、内覧、審査、契約手続き、敷金・礼金の支払いなどが必要になります。
一方、看護師寮に入居する場合は病院に申し込むだけでよいため、面倒な手続きを省略することができます。
3-4. セキュリティがしっかりしている
看護師寮の多くは、オートロックや防犯カメラなどのセキュリティシステムを備えています。
また、入居者は皆職員なので、素性がわからない人と同じ建物に住むということがなくなります。さらに、看護師は夜勤をしているため、昼夜を問わず人の出入りがあることが防犯性を高めることにつながるのです。
3-5. 仲間が近くにいて心強い
看護師として夜勤のある生活をしていると、他の仕事をしている友人と予定を合わせるのが難しくなってきます。また、仕事で気力体力を使い果たし、遊びに出掛けるのが億劫になる場合もあります。
そのようなときでも、看護師寮にいる仲間であれば気軽に行き来することができます。仕事上の悩みや笑い話を共有できると、気持ちが軽くなるでしょう。
その他にも、寮で顔見知りだと仕事上のやりとりもスムーズになったり、体調を崩したときに助けてもらえるなどのよさもあります。
3-6. 夜勤の生活リズムへの苦情が出にくい
夜勤をしていると、昼夜逆転の生活になるときがあります。それによって夜間に生活音をたててしまうと、賃貸では苦情が出る場合もあります。
その点看護師寮では、皆が夜勤をしているため、生活音にも理解があります。さすがに真夜中の大音量などは迷惑になるかもしれませんが、大体のことはお互いさまという雰囲気があるのです。
4. 看護師寮に住むデメリット
看護師寮に住むデメリットには、以下のようなものがあります。
看護師寮に住むデメリット |
外部の人を招待できない |
仕事とプライベートの区別がつかない |
トラブルが起きないように気を遣う |
救急車のサイレンや生活音と隣り合わせ |
災害などの緊急時には呼び出されるかもしれない |
それぞれの内容をみていきましょう。
4-1. 外部の人を招待できない
看護師寮の中には、部外者を部屋に入れないというルールを設けているところがあります。
このルールがある場合には、友人や恋人を部に招待することができません。
こっそり出入りすれば大丈夫と思うかもしれませんが、入居者が全て職員である寮では、いつ誰に見られるかわからないものです。また、信頼されることがとても重要な看護師という仕事において、ルールを守れない人というイメージがつくような行為は避けた方が無難でしょう。
4-2. 仕事とプライベートの区別がつきにくい
病院のすぐ近くにある看護師寮では、休日でも病院が視界に入ってしまいます。また、入居者が皆職員なので、仕事以外でも職場の人と顔を合わせてしまうという事態も起こります。
そのため、人によっては常に仕事の環境にいるようで気持ちが休まらないということがあるのです。
4-3. トラブルが起きないように気を遣う
入居者同士のトラブルが起きた場合、賃貸であればプライベートな件としてそこだけの話にできますが、看護師寮では病院側に知られることがあります。
最悪の場合は、よくない噂話が広まったり、トラブルの相手やその周囲の看護師と仕事上のやりとりがしにくくなったりする可能性もゼロではないのです。
通常のルールやマナーを守っていればまず大丈夫だと思われますが、少々気を遣うかもしれません。
4-4. 救急車のサイレンや生活音と隣り合わせ
病院のすぐ近くにある看護師寮では、救急車のサイレンが聞こえる場合があります。また、夜勤をしている看護師の集まりである寮では、昼夜を問わず誰かが活動しているため、眠りたいタイミングで生活音が聞こえてしまうこともあるかもしれません。
物音に敏感な人にとっては、気になるデメリットだといえるでしょう。
4-5. 災害などの緊急時には呼び出されるかもしれない
病院まで徒歩で通勤できる距離にある看護師寮では、災害や公共交通機関の停止などによって看護師が不足した場合に呼び出される可能性があります。
現在は看護師の過重労働が問題視されているため、ちょっと人手が足りないというレベルで呼び出されることはないと思われますが、緊急事態のときには頼りにされるかもしれないと心得ておくのがよいでしょう。
5. 寮生活の実態は?よくある疑問
看護師寮での生活は、賃貸で一人暮らしをするのとさほど変わらないといえます。
現在の看護師寮はワンルームマンションタイプが多いため、共同生活をすることによる規則や人間関係の煩わしさはあまり感じずに生活することができるからです。
また、希望があればなるべく入居できるように調整され、いつでも退去することが可能です。
ここでは、看護師寮についてよくある疑問にお答えします。
人気の看護師寮では、空室がないというケースもあります。しかし病院は、一定期間入居した人には退去してもらうなどの工夫をして、新卒や若年層の看護師がなるべく入居できるように調整しています。また病院によっては、看護師寮を複数所有していたり、必要に応じて増やしているところもあります。
そのため、入居条件を満たす看護師が新年度のタイミングで希望した場合には、大抵は入居できると考えてよいでしょう。
以前は、共有スペースや相部屋で共同生活をする看護師寮があったため、門限などの規則が厳しいというイメージをもつ人もいるかもしれません。
しかし現在では、ワンルームマンションタイプの看護師寮が大半を占めているため、部外者の立ち入りやペットを禁止する規則がある程度で、それさえ規制していない寮も存在します。
そのため、寮ならではの規則に自由を奪われるという感覚はあまりないといえます。
ワンルームマンションタイプの看護師寮では、基本的に他の入居者とやりとりする必要はありません。
波長の合う人とは仲よくし、必要のない人とは顔を合わせたときに挨拶する程度、という普通の人間関係を築けばよいため、寮ならではの難しさはないといえるでしょう。
看護師寮に入居しても、希望すればいつでも退去することができます。
そのため、一旦は入居してみて、生活しにくいと感じることがあれば賃貸に変更するという方法もよいかもしれません。
6. 看護師寮がおすすめな人4タイプ
看護師寮への入居がおすすめな人とは、看護師寮に住むデメリットがあまり気にならず、メリットによって生活の質が上がる以下のようなタイプです。
看護師寮がおすすめな人 4タイプ |
とにかく仕事に集中したい人 |
貯金を増やしたい人 |
安全な環境で暮らしたい人 |
住むところにこだわりがない人 |
6-1. とにかく仕事に集中したい人
仕事以外はとにかく休みたい・仕事だけで手一杯で他のことに気が回らないという状況にある人には、看護師寮がおすすめです。
病院の近くにある看護師寮だとすぐに帰宅して休むことができ、通勤に時間を取られることがありません。また、夜勤の生活リズムに理解があるため、夜や早朝に生活音を立てても大目に見てもらえます。
そのため、休息時間が確保できず疲弊したり、苦情を恐れて家事のタイミングを逃し部屋が荒れ果てる、ということを避けられます。その結果、生活にかかる労力が減り仕事に集中できるのです。
6-2. 貯金を増やしたい人
看護師寮は家賃が格安なため、住居費を大幅に節約することができます。また通勤距離が短いため、途中で買い物や飲食をしてしまう可能性が低くなります。
支出が少ない分貯金に回せるお金が増えるため、確実に貯めたいときの方法として看護師寮への入居はかなり効果的だといえるでしょう。
ちなみに、自他ともに認める浪費家である筆者でも、看護師寮に入っていた期間だけはコンスタントに貯金ができたという実績があります。
6-3. 安全な環境で暮らしたい人
看護師寮は、セキュリティシステムを備えており入居者の素性が明らかなため、防犯に優れています。
そのため、一人暮らしは物騒で不安・夜間の移動が心配などと感じる人は、賃貸よりも安心して生活することができます。また、万一何かあったらという思いから一人暮らしに難色を示す親御さんも、寮であれば許可してくれるかもしれません。
6-4. 住むところにこだわりがない人
住むところはどこでもいいという人にも、看護師寮はおすすめです。
ここまでご説明したように、看護師寮に入るメリットは多くあり、それによって快適な生活ができ仕事にもよい影響を与える可能性が高いからです。
そのため、「別に嫌じゃない」と感じる人は、看護師寮に入居してみてはいかがでしょうか。
7. 看護師寮よりも賃貸が向いている人3タイプ
看護師寮よりも賃貸が向いている人とは、看護師寮のルールやデメリットをどうしても受け入れがたい以下のようなタイプです。
看護師寮よりも賃貸が向いている人 3タイプ |
仕事とプライベートを完全に分けたい人 |
恋人やペットと同居したい人 |
自分で選んだ物件に住みたい人 |
7-1. 仕事とプライベートを完全に分けたい人
看護師寮に入居すると、休日でも病院が視界に入ったり職員と顔を合わせることで、度々仕事のことが頭をよぎってしまう場合があります。そのため、休んだ気にならないという人もいるでしょう。
また、プライベートな姿を職場の人に見られたくないという人もいるかもしれません。
そのように、プライベートでは仕事と可能な限り距離をおきたいという人は、賃貸の方が落ち着いて生活できるといえます。
7-2. 恋人やペットと同居したい人
看護師寮でペットOKにしている施設はほとんどなく、入居者以外は立ち入り禁止というルールを設けているところもあります。
そのため、恋人やペットと同居したいがそれがルール違反になってしまう、という場合は、賃貸に入居せざるをえないでしょう。
7-3. 自分で選んだ物件に住みたい人
看護師寮は病院の所有する施設なので、立地や間取りが選べない場合がほとんどです。
そのため、寮の施設設備がどうしても気に入らない・自分で自由に物件を選びたいという人は、賃貸の方が満足度の高い生活ができるでしょう。
8. 就職先は寮以外の要件も十分に検討した上で選びましょう
ここまでご説明したように、看護師寮での生活はさほど窮屈ではなく、多くのメリットもあるため、気になるのであれば入居してみることをおすすめします。
また、諸々の事情によって寮付きということを前提に病院探しをする場合もあるでしょう。
ただし注意したいのは、「寮」という条件だけで就職先を選ばない方がよいということです。
どのような病院で働くかということは、看護師としてのキャリアに強く影響します。特に新卒では、その病院での看護がよくも悪くも自分の看護になっていくのです。
そのため、就職先を選ぶときには、やりたい看護ができるか・目指すキャリアプランに役立つかという視点を忘れないようにしましょう。
もちろん、勤務形態や給与などの労働条件も気になるところですよね。様々な要件についてよく検討し、自分がいきいきと働ける施設を選ぶのがベストです。
9. まとめ
この記事では、以下について詳しく解説しました。
◎看護師寮の特徴
|
◎看護師寮によくあるルール
|
◎看護師寮に住むメリット
|
◎看護師寮に住むデメリット
|
◎看護師寮生活の実態
|
◎看護師寮がおすすめな人4タイプ
|
◎看護師寮よりも賃貸がおすすめな人3タイプ
|
現在の看護師寮は、賃貸で一人暮らしをするのとさほど変わらない自由な生活ができ、メリットもたくさんあります。そのため、看護師寮が気になる人は入居してみることをおすすめします。
ただし、寮だけではなく他の要件もよく検討した上で就職先を選ぶことが大切です。どこで働くかということは、看護師としてのキャリアに大きく影響するためです。
看護師としての生活を充実させるために、自分に合った職場と住環境を選びましょう。
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