看護師の面接で必ず押さえておくべき質問と回答例
看護師が就職や転職を行っていく際に、必ず面接があります。
理由は「患者さんとのコミュニケーション」「医師や多職種との連携」が看護師に求められるからです。
しかし看護師は国家資格取得や実習が忙しく、面接を教わり、練習する機会が少ない職種になります。
「面接得意です!」「面接バッチリです」
と自信を持って答えることができる方は少ないと思います。特に初めて就活を行う方や、初めて転職される方は面接において何からやっていいかわからないと感じるでしょう。
本記事では、看護師の面接を受ける前に知っておくべきことや押さえておくべき質問などをまとめました。今後、看護師になるための面接を受ける方は、ぜひ参考していただければと思います。
目次
1 看護師の面接に向けて準備すること
前述の通り、看護師が就職や転職を行っていく際は必ず面接があります。履歴書や経歴よりも、面接が採用の可否に最も重要な要素になります。このような話を聞くと面接に緊張してしまい、本来の力を発揮出せないのではと心配になる方も多いかと思います。
「安心してください!」
事前の準備を行うことで、本来の力を100%発揮できるはずです。遅くても面接の1か月前から面接に備えて準備をしましょう。
1-1 最低限覚えておきたい面接のマナー
まず、最初に面接のマナーを覚える必要があります。採用側はできていることが当たり前として考えているため、必ず要点を押さえたうえで、面接に臨みましょう。
今回、大事なポイントを4つまとめました。それが以下の通りです。
- 面接会場へは10分前に到着しておく
- 服装は相手の指示に従い清潔感のある服装を心がける
- 面接官だけでなく、すれ違う方へも挨拶を忘れない
- 話す時は、相手が聞きやすいようにハキハキと話す
マナーを守ることは、仕事や人間関係を円滑に運ぶことが目的です。
どんなに仕事ができる人でも、マナーを守らない人は評価されないことがあります。
面接官は沢山の人と面接をしているため、マナーを含め、話し方や立ち振る舞いなども見て、一緒に働く姿が想像できるかどうかを見ています。
基本となるマナーはしっかり押さえておきましょう。
1-2 事前に情報収集しよう!
面接をする方が採用担当者であれ、看護師長であれ、院長であっても同じ人間です。一緒に働く方が、自身の就業場所を詳しく知っていて嫌な方はいないはずです。だからこそ、事前に調べておくことは好印象を与えることができる大事なポイントとなります。
まず情報収集を行っていく上で、必ず押さえるべきはやはりHPになります。多くの病院や施設、訪問看護ステーションやクリニックにはHPがあるため、HPから情報を収集しておくことが大事になります。
- 理念や経営方針
- 代表/院長の挨拶
情報を全て理解することが難しいため、まずは上記2点を抑えておきましょう。面接の際は理念や経営方針を元に、考えや想い、共感のポイントをまとめておき、話せるようにしておきましょう。
1-3 面接に必要な持ち物一覧
もし面接の当日に忘れ物をしてしまった場合、すぐ不合格になってしまうとまではいきませんが、少なくとも面接官からは良い印象を持たれることはありません。
最低限、社会人のマナーとして、まずは看護師の面接においての必須となる持ち物一覧を見ていきましょう。
■面接で必須の持ち物一覧
- 携帯電話
- 応募書類(履歴書、看護師免許のコピーなど)
- 筆記用具
- メモ帳
- 印鑑
特にメモ帳は面接時に重要な話を聞き洩らさないためにも、面接時に好印象を残すためにも必要です。また履歴書はPCなどで作成したものを印刷して持参することも増えてきましたが、手書きの履歴書が一般的ではあるので、可能であれば手書きのものを用意しましょう。
次に面接において、持っておくと良い持ち物一覧を見ていきます。
■面接であると良い持ち物一覧
- ハンカチ、ティッシュ
- 腕時計
- ストッキングの予備
- 手鏡
- 折りたたみ傘
- モバイルバッテリー
上記の持ち物を準備しておくとあらゆるトラブルにも対応することができます。
また面接先から当日の持ち物の指定があることも多々ありますので、前日は忘れ物がないかチェックリストなど作成して確認すると良いでしょう。
1-4 面接にふさわしい服装と身だしなみ
面接時の服装に悩む方も多いのではないでしょうか?
面接時に最も大事なポイントは「清潔感」になります。
どのような業界でも同じですが、面接時の服装と身だしなみは社会人のマナーとしてしっかり整えて面接に臨みましょう。
■服装
- 地味な色のスーツ(黒、紺)
- インナーは白か薄い色
- ヒールが低い黒のパンプス
- 男性の場合、ネクタイは紺などのブルー系
- バックはA4サイズの書類が入るシンプルなもの
- 靴下は黒系で無地
- ハーフ丈のコート
■髪型
- 髪の毛が長い人は一つにまとめる
- ヘアアクセサリーは使用しない
- 縛れない方は顔にかからないようにピンなどで留める
- 色は地毛または明るすぎない
■メイク
- 濃いメイクは避けて、ナチュラルにする
- 口紅はつけない
- 男性のメイクは避ける、髭は必ず剃る
■爪
- ネイルはせず、外す
- 爪は短く切って清潔にする
後は香水やにおいの強いシャンプーを使用される方は注意が必要です。密室空間で行われることが多いので、匂いにも気を使いましょう。タバコのにおいも見落としがちになるので、消臭スプレーなどで対応するようにして下さい。
2 看護師の面接では事前準備必須!必ず聞かれる質問と回答例
看護師の面接において、必ず聞かれる質問というものがあります。事前に質問を想定しておき、その回答を準備しておくことで、面接官にも想いを伝えやすくなります。
今回は必ず聞かれる質問と回答例についてまとめてみました。
2-1 自己紹介
面接官は自己紹介の内容から、「どのような人物なのか・どのような活躍ができるのか」を見ています。自己紹介では「名前(フルネーム)」「最終学歴」「職務経歴」「志望動機」を伝えることが基本となっており、計1~2分程で簡潔にまとめることで面接官にも伝わりやすいです。
内容も大事ですが、雰囲気など良い印象を面接官に与えられるよう、明るい表情でハキハキと話すことがポイントです。
看護ハナ子と申します。本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。
私は○○大学を卒業後、△△病院では□□科で3年間勤めました。□□科に力を入れている貴院に興味を持ち、これまでの経験を活かしたいと考え志望いたしました。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。テキストを選択して上書き編集してください。
看護と申します。
私は△△病院で勤めました。患者様の笑顔を見ることが仕事のやりがいとなっています。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
悪い方の例は、苗字だけの自己紹介になっており、これまでの経歴も不透明です。さらに志望動機も曖昧なため、面接官は良い印象を持ちにくくなってしまうかもしれません。
2-2 志望動機
面接官は志望動機から「長く働いてくれそうか」ということを見ています。
医療業界では人不足、看護師不足に悩まされているからです。
世の中には志望している病院・クリニック以外にも競合が多数存在しています。面接の中で「なぜその病院・クリニックを選んだのか」など明確な理由がなければ、面接官には「長くは働いてくれなさそう」と判断されてしまうかもしれません。
一方で、その病院・クリニックを志望した明確な理由を伝えることが出来れば、「長く働いてくれそう」と判断してもらえますので、合格にも近づいていきます。
事前に情報収集した病院・クリニックの理念、特徴などにも触れられるとベターです。
私は○○病院の産科で助産師として2年間の経験を積んできました。
前職では分娩件数が多いこともあり、正常分娩だけでなくハイリスクの分娩も経験し様々な分娩様式を経験してきました。貴院では、歴史もあり国内屈指の産婦人科(分娩)の機能を兼ね備えており、助産師としてスキルアップができる環境であると感じたため貴院を志望いたしました。テキストを選択して
私は○○病院の産科で勤めてきました。
前職では、長時間の労働に見合った給与が得られず、貴院であれば長時間の労働はあるものの、十分な給与を得られると感じたため志望いたしました。
また人間関係という面でも、貴院はアットホームな印象も持ちましたので、貴院であれば私も働けると思いました。テキストを選択して上書き編集してください。
悪い方の例は、前職の不満が退職の理由になっており、志望動機になっているため、面接官にネガティブな印象を与えてしまいます。また職場の人間関係という話題を志望動機にしてしまうと、「またトラブルを起こしかねない」とも思わせてしまうかもしれません。
2-3 なぜ看護師を目指したのか?
面接官は看護師を目指すことになったきっかけから「仕事への熱意」を見ています。自身の経験やエピソードを元に看護師を目指すことになった理由を話すことができれば、面接官に納得感与えることができ、仕事への熱意が伝わりやすいです。
私が看護師を目指した理由は母の経験が1つのきっかけになっています。
実は私の母は流産を経験していて、その時に助産師の方に命も心も救われたという話を聞きました。私自身、看護師は「命も心を守る仕事」と思っています。お産は新たな命が生まれ祝福される場でもありますが、私の母のように流産になってしまい心が病んでしまう方もいます。私は人々を守りたいと思った際、心のケアもできる看護師になりたいと感じました。テキストを選択して上書き編集してください。
私が看護師を目指した理由は、人を笑顔にできると思ったからです。
私自身、人に感謝されることで仕事にやりがいを見つける人間だと思っています。看護師は弱っている方と接する機会が多いため、その分人に感謝されやすいと思っています。看護師であれば一生仕事を続けていけると思い看護師になりたいと感じました。
悪い例の方は、理由の根拠が薄い印象があります。自己分析と看護師という仕事内容を結びつける関連性が低いため、仕事への熱意が伝わりにくいかもしれません。
3 逆質問は必ず準備しておく
看護師の面接でよく言われる逆質問。「何もありません」と答えるのがいいイメージと思っている方もいるかもしれませんが、それは間違いです。少なくとも2,3つは事前に準備をしておきましょう。
看護師はコミュニケーション能力を問われる仕事です。質問する、聞くというスキルが重要であるため、面接で逆質問を行うことは実は重要なポイントの一つです。また面接官にもやる気があるという印象も持たれます。逆質問といってもどんな質問がいいかわからないと思いますので、代表的で好印象になる質問を例題としてご紹介します。
3-1 就業前に勉強すべきことや必要なスキルを逆質問
どの職場でも通じるのが事前学習です。
「就業前に事前に勉強しておきたいのですが、必要な項目やオススメの参考書などありますでしょうか?」という質問は有効です。自身も就業前の不安を取り除くこともできますし、著者自身も実際この質問で参考になる本を購入してスムーズに業務につけた経験があります。
3-2 看護部や配属先の雰囲気や上司の人柄を確認
看護師にとって重要である人間関係や、職場の雰囲気。これらは逆質問で聞くと面接官に入社後についてしっかり考えていると良い印象を与えることもできるためかなり有効的です。
聞き方としては「看護師としてコミュニケーションや職場の雰囲気は大事だと考えております。私の配属先はどのような雰囲気で皆様働かれているのでしょうか?」と聞くのが良いでしょう。
また「上司とのコミュニケーションは重要と考えていますが、私の上司はどのような看護観やお人柄など教えて頂ければ幸いです」などと伝えれば、印象もよく情報も集められます。自身にとってもかなり必要な情報であるので、しっかり聞くようにしましょう。
3-3 逆質問で年収や有休などはNG項目
どうしても気になる年収や年間休日実績。年収に関しては、求人票やHPなどでわかるので、合えて聞くことは避けましょう。しっかり調べていないと思われている要因になります。年間休日数に関しても同様です。もし聞くのであれば有給取得率などが望ましいと言えます。ただこちらは高ければ面接時に説明してくれますし、実際の所属先によっても異なるので、あえて質問はしないほうがいいです。
4 面接官がチェックするポイント
面接官は、面接で話した内容や履歴書だけで判断しているのではなく、他にもいくつかチェックしているポイントがあります。今回は4つのポイントをご紹介します。
4-1 人柄
面接では、これまでの経歴やスキル、資格の有無など様々なことを聞かれるかと思います。しかし、特に看護師では「人柄」が採用を決める重要なポイントになっていることが多いです。またなぜ採用側が「人柄」を重要視しているかというと、採用側は「長く働いてくれる人材」を求めているためです。いくら経歴やスキルが良い方でも、人柄が良くないとすぐに辞めてしまう可能性があると面接官に判断されかねません。
4-2 コミュニケーション能力
スキルや資格などは履歴書からも面接官は把握することができますが、コミュニケーション能力は実際に会って話してみないと判断することが難しいです。一般的に看護師は患者とのコミュニケーションだけでなく、医師や同僚とも頻繁にコミュニケーションを取る必要がある職業です。もしコミュニケーション能力が欠けていると判断されてしまっては内定からは遠ざかってしまうかもしれません。
4-3 やる気
採用側からしてみると「やる気」が高い方と一緒に働きたいと思うのは当たり前です。もちろん面接を受けている以上、やる気がない人はいないかと思います。
しかし大事なポイントは、そのやる気を面接官に伝えることができるかどうかです。最もやる気を伝えるには、事前準備を行うことが有効です。つまり事前に自己分析や面接先の研究、理念などを調べておき、そのことを踏まえた上で何をやりたいかなどを面接官に伝えることができれば、自ずとやる気も伝えることができるでしょう。
5 看護師の面接時に注意したいポイント
看護師の面接における事前準備に関してはこれまでの内容を押さえておけば十分です。しかし新卒の方や、転職が初めての方の場合では面接時の不安が多いと思います。面接時に注意したいポイントを3つご紹介します。
5-1 退職理由はポジティブに、未来志向で答える
転職の場合、様々な退職理由があると思います。スキルアップなど、ポジティブな転職はいいですが、パートナーとの同棲や、人間関係に不満があって辞める、1年未満でやめるなど少し言いにくい事情を持つこともあるでしょう。その際は「看護師が面接で退職理由を伝える際に「未来志向」で答えるべき理由」に記載がある通り、未来志向で答えるようにしましょう。
決してネガティブな理由にするのではなく、前向きに、可能なら未来志向を取り入れて伝えるようにしてください。
5-2 質問の内容は結論から答える
面接では質問の内容は結論から答えることが基本です。結論から答えることで、面接官が内容を理解しやすくなりますし、自分自身でも伝えたい内容をまとめることができるといったメリットがあります。「PREP(プレップ)方」という話し方の手法があり、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(まとめ)」の順序で話すと、さらに良いでしょう。
5-3 答える内容を丸暗記しない
これまで看護師の面接では事前準備が大切だとお伝えしましたが、1点注意してほしいことがあります。
それは「答える内容を丸暗記してはいけない」ということです。
答える内容を丸暗記してしまうと、棒読みになってしまい、思い出しながら話すので言葉に詰まってしまうケースがあります。また人柄やコミュニケーション能力も見られている面接において、もし丸暗記が気づかれてしまうと面接官からの評価も低くなってしまいます。看護師の面接において、事前に準備することは絶対に行った方が良いですが、面接時は自分自身の言葉で伝えられるようにしておきましょう。
6 まとめ
看護師の面接に関してまとめましたがいかがでしょうか?
最も重要なのが「事前準備」になります。面接に向けて、前もって準備しておくことでライバルに差をつけることができます。その上で面接前の服装や必要物品などをおさらいしておけば、第一志望である就業先に合格できるでしょう。実は多くの看護師が上記準備を行わずに、面接に臨んでいます。
この記事を参考に、ぜひ最高の内定をGetしてください。
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