看護師辞めたい!辞めるべき時と辞めた後の失敗しない転職先の探し方
「看護師を辞めたい」と考えたことはありますか?きっと、多くの方が、一度は「看護師を辞めたい」と考えたことがあるでしょう。看護師を辞めたいと考える理由は、人によって異なります。
しかし、理由によっては、看護師を辞めるべきではありません。
今回は、看護師を辞めるべきでない理由や、辞めたいと思った時の解決方法、辞めるべき時にあなたに合った転職先の探し方などについて紹介します。
辞めるべきでない理由 | 今の病院は辞めた方が良い場合 | 看護師を辞めるべき場合 |
不規則勤務が辛い | 大きなライフイベント | 患者さんに嫌気 |
人間関係が辛い | 鬱等の疾患を患った | |
仕事がきつい | パワハラ・セクハラ・いじめ | |
ミスが恐い | 夜勤の回数が10回/月以上 | |
結婚するため |
「看護師を辞めたい」と思ったときに、ぜひ参考にしてください。
目次
1 看護師を辞めるべきでない5つの悩み
辞めたいと思う理由の中には、辞めるべきでないものもあります。例を見ていきましょう。
1-1 『不規則勤務が辛い』は辞めるべきでない理由
不規則勤務が辛くて辞めたいと感じる場合は、生活リズムを改善することで、辛いと感じることが半減するため、辞めるべきではないです。
病院で常勤として働く場合、カレンダー通りの休みではありませんし、夜勤やオンコールなどの不規則な勤務をこなす必要があります。確かに、不規則な勤務は、身体的にも精神的にも大きな負担があるでしょう。しかし、この理由で看護師を辞めるべきではありません。
ただし、【2章-4】で詳しく書きますが、夜勤が月に10回以上という状況が続く場合は病棟を変えるか、今の病院は辞めることをおすすめします。
以下では、生活リズムを改善する際のコツを紹介します。
1-1-1 夜勤明けに寝た場合は遅くとも14時には起きる
夜勤明けに寝た場合は遅くとも14時には起きましょう。
人間の体は、地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、体温やホルモン分泌などの機能も動いています。これを「サーカディアンリズム」といいます。(参照:e-ヘルスネット 体内時計)
朝に起床して朝日を浴び、夜は暗い環境で眠る、決まった時間の食事などにより、サーカディアンリズムを整えることができます。しかし、夜勤は本来眠っている間に働き、起きている時間に眠ることになります。そのため、サーカディアンリズムが乱れてしまい、睡眠サイクルの乱れや自律神経の乱れ、ストレスなどの弊害が生じてしまうのです。
サーカディアンリズムを乱さないためにも、夜勤明けに寝た場合は遅くとも14時には起き、なるべく「夜に寝る」というリズムに戻すことが大切です。アラームを設定する、部屋を暗くしすぎないなど、工夫をしましょう。
また、単発での休みしかなければ、十分に身体を休めることができません。そのため、辛いと感じる方は毎月1回は連休を作るよう休み希望を出したり、夜勤明けと連休を組み合わせてリフレッシュできるようにするなど、勤務希望の工夫をしてみるのもいいでしょう。
1-2 『人間関係が辛い』は辞めるべきではない理由
人間関係が辛い場合も看護師を辞めてはいけません。人間関係で悩まない環境など無いからです。
自分の家族とだって喧嘩してしばらく仲が悪いこともあるでしょう。仕事場での人間関係は、看護師かどうかは関係なく、自分のことを深くまで知らない相手、相手のことを家族ほど深く知らない自分、という関係で共存しています。
人間関係が悪い場合は、隣の芝生が特に青く見えますが、どこに転職しても、起業したとしても、人と関わって仕事が成り立つ以上、人間関係は必ず存在します。
人間関係を劇的に改善する方法があります。以下の2つの方法を駆使して、あなたが「信頼」される人になれば、人間関係が辛いと思うことは激減します。
1-2-1 【人間関係改善方法①】相手の興味や求めていることに関心を持つことが大事
人間関係をうまく構築するためには、相手の興味や求めていることに関心を持つことが大事です。
上司であれ他職種であれ、仕事を通じて相手は何に興味を持っているのか、相手は何を求めているのか(早いレスポンスと高いスキルのどちらを優先しているのか等)、自分がどうしたいかではなく、相手がどうしたいのかに関心を持ち、それに応えていくと人間関係はうまくいきます。
1-2-2 【人間関係改善方法②】相手にアドバイスを求めることが大事
上司であれ、部下であれ、アドバイスを求めることも大事です。
アドバイスを求めるという行為は、相手に肯定感を持たせることになります。相手は承認された気持ちになり、好印象を抱いてくれるため、人間関係がうまくいきます。
1-3 『人手不足で仕事がきつい』は辞めるべきでない理由
人手不足で「仕事がきつい」という理由でも、看護師を辞めることはおすすめできません。看護師以外の仕事を選択したとしても、労働人口の減少が進む日本では、基本的には人手不足だからです。
人手不足を示す一つの指標として、看護師とそれ以外の職業の残業時間を比較してみましょう。
1か月の残業時間 | 看護師 | その他の職業 |
10時間未満 | 56.8% | 28.7% |
10時間~20時間未満 | 19.4% | 22.3% |
20時間~30時間未満 | 12.3% | 16.5% |
30時間~45時間未満 | 5.7% | 20.0% |
45時間以上 | 2.7% | 9.7% |
無回答 | 3.1% | 2.8% |
合計 | 100% | 100% |
(参照:医療労働 看護職員の労働実態調査「報告書」,東京都産業労働局 労働時間管理に関する実態調査)
10時間以上は全て他の業種の方が、看護師よりも残業していることがわかります。
インターネットや書籍等には有効求人倍率などから人余りの職業なども紹介されていますが、その多くは直接収入に貢献しない一般事務等であり、大人数を採用しても収入は上がらないため、仕事量に対して少ない人数しか採用しないから人余りになっているという構造もあります。
その結果、人余りに見える職業も、企業に入ってしまうと、1人に対する仕事量が多く、人手不足の状況と変わらないほど忙しいということも多いです。
ほとんどの職業で夜勤はありませんが、残業時間は多くなると考えましょう。
1-4 『医療事故を起こすことが怖い』は辞めるべきでない理由
医療事故を考えると怖くなって看護師を辞めたいと思うかもしれませんが、これを理由に看護師を辞めるべきではありません。
全ての看護師が医療事故を怖いと思っていますし、どんなにベテランの看護師であっても医療事故を起こすことは怖いものだからです。
看護師の仕事は、患者さんの命を預かる仕事です。責任重大であるため、ほんの少しのミスが大きな事故につながってしまう可能性もあります。それが怖いと思う原因です。
ですが、あなたがいるから救われる患者さんが数多くいます。看護師である以上、怖さと向き合いながら患者さんを救いましょう。
以下では、『怖さ』への正しい向き合い方を紹介します。
1-4-1 行動と結果を切り分けて行動に集中する
行動と結果を切り分けて、行動に集中しましょう。
医療事故はあくまでも結果であり、変えることはできないません。
変えることができるのは、看護師としての仕事【行動】だけなのです。変えることができない結果に不安を感じてもしょうがないと、心の中で【行動】と【結果】を切り離して、看護師の仕事や役割を全うすることだけを考えましょう。
不安を半分にする方法を紹介します。『影響の輪』と『関心の輪』の話をご存知でしょうか?
全世界で3,000万部の大ベストセラーになった著書スティーブン・R・コヴィー氏のビジネス書『7つの習慣』に出てくる考え方です。
人の関心ごとは『影響の輪』と『関心の輪』に分けることができて、気になっていることについて、自分がコントロールできるものは『影響の輪』に、自分がコントロールできないものは『関心の輪』に区分されます。
例えば、「医療事故を起こしてしまったらどうしよう」という悩みは『関心の輪』に入る関心ごとです。
ここで大事なことは、自分でコントロールできない以上『関心の輪』で悩んでいることは、単なる悩み損であるということです。
そして、『関心の輪』の多くに自分ではコントロールできない【結果】が当てはまります。言い換えると、【結果】は選択できないが、【行動】は選択できるということです。
医療事故が起こるかどうかは【結果論】です。あなたはあなたのできることを精一杯やるだけなんです。
【結果】は誰にも分らないものと割り切り、自分は精一杯やるだけだと、行動に集中するだけで、不安は半分に減少します。
1-4-2 看護師賠償責任保険に入る
結果は選べないからこそ、もしもの時の備えて看護師賠償責任保険に入りましょう。看護師を辞めたくなるような不安を軽減できます。
看護師の専門性は日に日に高まっています。そのため、今までは医師にフォーカスが当たっていた部分について、看護師個人も責任を問われるケースが増えています。
おすすめは『Willnext』です。(参照:ナースの皆さまを守る保険 Willnext)年会費3,440円で、対人事故1件あたり1億円の補償となっています。
年間たったの3,440円で不安を軽減できると思ったら安いものです。まだ入ってない方は入ることを強くおすすめします。
その他、看護職賠償責任に関してもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参照ください。【看護職賠償責任保険は加入するべき、目的別に選ぶおススメの3商品】
1-5 『結婚をしたいから』は辞めるべきでない理由
「結婚したいから」という理由で看護師を辞めてしまうのは、非常にもったいないです。
看護師を辞めたからといって、必ずしも結婚できるとは限らないからです。
特に結婚願望の強い方の場合、「看護師として働いていたら、結婚できないのではないか」と考え、看護師を辞めようと考えていませんか?
確かに、看護師の仕事は、非常にハードです。毎日遅くまで残業したり、休日は研修に参加することもあります。仕事で異性との出会いも少ないため、「看護師として働いていたら、結婚できないのではないか」という気持ちになる方も少なくありません。
しかし、最近は晩婚化なので、ある程度仕事ができるようになってから結婚するという選択肢もあるのです。
看護師を続けながら理想の結婚相手を探す方法を書いた【看護師が理想の結婚相手を探す上で絶対に欠かせない3つのポイント!】も参考にしてください。
また、最近は忙しく働く看護師の結婚をサポートするサービスも充実してきています。一例を紹介しましょう。
1-5-1 看護師専用のハイクラスマッチングサービス
「ホワイトパートナーズ」というマッチングサービスをご存知でしょうか?女性は看護師か看護学生のみ、男性は上場企業・大手企業・経営者・弁護士など、ハイステイタスな方しか登録ができません。
空いている時間に、気軽にハイステイタスな方と知り合うことができるため、出会いの少ない看護師におすすめのマッチングサービスです。(参照:ホワイトパートナーズ)
「結婚したいから看護師を辞める!」ではなく、「看護師をしながら素敵な異性と結婚する!」と、考え方を変えてみましょう。
2 今の病院を辞めた方が良い4つのパターン
次に、看護師は辞めずに、今の病院はやめた方が良い悩みや状況を見ていきましょう。
2-1 結婚等のライフイベントで自分以外の人生も考えることが必要になった時
結婚や出産などの大きなライフイベントがあり、今の病院で働くことが難しいと感じるのであれば、思い切って転職をしてみましょう。
特に急性期病棟の場合、ナースコールや緊急入院、緊急手術、急変などの対応により、急な残業となってしまうことも多いです。
例えば、結婚をしても仕事と家庭の両立をしたいと考えるのであれば、慢性期病院や介護施設、訪問看護ステーション等の比較的落ち着いて看護を行うことができる場所への転職をおすすめします。
また、妊娠・出産を考えるのであれば、院内保育所が完備されている病院や残業がない病院などを選択すると良いでしょう。
2-2 精神的ストレスによる病気を患った時
何か病気を患ってしまった場合は、まずは現在の勤務先を辞めることを検討しましょう。
環境を変えることでストレスが軽減され、病気の状況がよくなることもあります。
しかし、精神的ストレスによる鬱などの場合、急な環境の変化で症状が悪化することも考えられます。主治医に「今の病院を辞めるべきか」ということを、必ず確認しましょう。もし辞めるべきでないとの判断であれば、まずはゆっくり休職し、今後のことを考えるようにしてください。
2-3 パワハラ、セクハラ、いじめが改善しない時
上司からのパワハラ、患者さんからのセクハラ、同僚からのいじめなど、人間関係に深刻な悩みが助けを求めても改善しない場合、違う病院で働くことを検討しましょう。
無理して同じ病院で働き続けることで、看護師という仕事自体を嫌いになってしまう可能性があります。また、勤務している病院を辞めることで、人間関係をリセットすることが可能です。
しかし、自分に何か非がある場合は、改善できるようにしましょう。改善せずに次の場所で働く場合、再度深刻な人間関係に悩まされることになるかもしれません。
2-4 夜勤の回数が月に10回以上という状況が続き改善しない時
不規則勤務と人手不足のダブルパンチが続いて、改善の見込が立たないときは、違う病院で働くことを検討しましょう。
日本医療労働組合連合会が看護職員100,000人以上を対象に行った2018年の調査によると、平均夜勤回数は1か月あたり、二交代制で4.1回、三交代制で7.6回となっています。
二交代制 | 三交代制 | |
拘束時間 | 12時間~16時間 | 8時間 |
平均夜勤回数(月) | 4.1回 | 7.6回 |
この平均値を大きく上回る1か月あたり10回の夜勤は、サーカディアンリズムを意識した生活リズムの改善に限界があります。
そのため、体調を崩す前に転職することをおすすめします。
3 看護師を辞めた方が良い悩み・状況
ここまで、看護師を辞めないほうがいい悩みや状況を紹介しました。しかし、残念ながら「看護師自体を辞めた方がいい」ということもあります。それは、「患者様のことを考えられない・考えられなくなった人」です。
看護師として活躍するためには、最低限の学力やスキルがもちろん必要です。しかし、どんなに頭がよくて看護師としてのスキルが高かったとしても、患者さんのことを考えられなくなれば、患者さんに寄り添った看護を提供することができなくなってしまいます。
そして、「患者さんに興味はない」という態度が出てしまい、自分だけでなく患者さんにも辛い思いをさせてしまうことにつながるのです。最悪の場合、患者さんを無視する、患者さんを傷つけてしまうなど、あってはならない状況になってしまうことも考えられます。
一時的な感情でなく、「患者さんのことを考えられない」という状況が続くのであれば、思い切って看護師を辞めることを考えましょう。
4 看護師として働く!辞めたくならない転職先の探し方
看護師として違う病院で再スタートをするのであれば、どのようなことに注目をして転職先を探せばいいのか紹介します。「転職したものの、すぐに辞めたくなってしまった」ということがないよう、参考にしてください。
4-1 希望する条件に優先順位をつける
まず、どのような病院で働きたいか、希望する条件を書き出して優先順位をつけましょう。
あなたの希望全てを叶えてくれる病院はほとんどありません。全てをかなえてくれる病院を探していると、いつまでも転職できないですし、本当に良いと思える病院との出会のチャンスを逃してしまうからです。
「年間休日数が120日以上」
「残業時間が1か月あたり10時間未満」
「人間関係が良い」
「車通勤ができる」
しかし、これらすべてを満たす条件の病院はほとんどありません。あったとしても、なかなか離職者が出ず、求人がないでしょう。そのため、これらの条件に、優先順位をつけてください。
2位:年間休日数が120日以上
3位:残業時間が1か月あたり10時間未満
4位:給料が良い
5位:車通勤ができる
この優先順位の順に、病院を探してみてください。きっと、優先順位の1番目の条件を満たす病院が、いくつか見つかると思います。
次に、1番目の条件を満たす病院の中から、優先順位の2番目の条件を満たす病院を選び、さらにその中から優先順位の3番目の条件を満たす病院を選び…と選ぶことで、最終的にあなたが希望する条件の多くを満たす病院を見つけることが可能です。
少しでもあなたの理想に近い病院を探すことができるよう、希望する条件を考えてみましょう。
4-2 看護師専用の求人サイトに登録をする
看護師の求人を探すのであれば、看護師専用の求人サイトを利用することをおすすめします。
看護師専用の求人サイトには、全国各地の様々な病院の求人が掲載されていて、働き方や希望する条件などを入力して検索することができるため、あなたが希望する条件に近い病院をピックアップすることできるからです。
また、求人サイトのアドバイザーが、あなたの希望する条件の病院をいくつかピックアップしてくれます。各病院の内部事情も知っていることが多く、理想と現実のギャップを減らすこともできます。
求人を紹介してもらうだけでなく、履歴書の書き方や面接対策など、様々なサポートを受けることも可能です。転職を考えている方は、求人サイトに登録をしてみてください。
4-3 必ず見学に行く~見学時の7つのポイント~
転職を検討する病院が見つかったら、必ず見学に行くようにしましょう。求人情報では、その病院全体のほんの少しの部分しか見ることができません。
また、その病院にとってマイナスになる情報は記載されていませんし、病院によってはウソの情報が記載されていることもあります。
そのため、表面上は素敵な病院に見えたとしても、実際は理想と大きくかけ離れた病院だったということもあるのです。
では、どのような部分に注目して見学をすればよいのでしょうか。
記載されている情報を鵜呑みにせず、必ず自分の目で確かめて転職先を選ぶようにしてください。
5 これまでの経験を活かすことのできる、看護師以外の働き方
看護師自体を辞めたいと考えている方におすすめの、看護師として培った経験を活かすことができる仕事には、以下のようなものがあります。
・産業看護師として働く
・美容業界で働く
・治験コーディネーターとして働く
それぞれについて見ていきましょう。
5-1 産業看護師として働く
名称に「看護師」が付いていますが、産業看護師は患者さんの看護をすることはありません。就業場所は一般企業で、従業員の健康管理や、疾病予防をすることがメインの仕事となります。デスクワークが中心のため、身体的疲労は大きく軽減できるでしょう。
5-2 美容業界で働く
美容系に興味のある方は、美容業界への転職はいかがでしょうか。仕事の疲れを、エステやマッサージで癒した経験のある方も多いと思います。
次は、あなたが癒す側に回ってみてはどうでしょう。看護師としての専門知識や経験があるからこそ、患者さんのニーズにこたえることが可能です。
5-3 治験コーディネーターとして働く
新しい薬が開発された際、安全性や有効性を確認するために「治験」を行わなければなりません。治験のスケジュール管理や被験者への説明、治験を行う医師のサポートを行う、「治験コーディネーター」という仕事があります。
本来、看護師の資格は必要ない仕事です。しかし、疾患や薬に関する知識や、患者様とコミュニケーションをとる必要があるため、看護師としての知識や経験を活かすことができます。
他にも、看護師の資格を生かすことのできる仕事はあります。看護師から他の仕事への転職を考えている方は、あなたの強みを生かせる仕事を探してみましょう。
6 看護師を辞めた場合に覚悟しておかなければならないこと
看護師を辞めようと考えている方は、いくつか覚悟をしておかなければならないことがあります。
6-1 転職活動は想像以上に厳しい
看護師という資格を使わない転職活動は別物です。
看護師としての転職活動は引く手あまたです。転職時の採用面接はほとんどの場合、苦も無く内定をもらえるでしょう。しかし、看護師という資格をまとわずに転職活動を行うと、なかなか内定をもらえないということも多いです。
30代前半までに看護師として3回以上転職をしたうえで、看護師を辞めて転職したいという場合は、かなり厳しくなるでしょう。
3回以上の転職をしている場合、あなたの市場価値は大きく下落していると思ってください。市場価値が落ちるというのは、お給料を大きく下げて転職するということです。
6-2 スキルセット『0』は評価されるまで時間がかかる
スキルがあって、それを活かした仕事を通じて、仕事場の上司・部下から信頼を得て、良い人間関係や給与面の良い待遇が期待できます。
当たり前過ぎて気付きにくいですが、あなたは病院に入った時から、すでに看護師として認められています。あなたは、看護や医療に関する知識やスキルを持ち合わせ、最初からある程度認められた存在だったということです。
しかし、資格を活かさずに他の職業につく場合、営業スキルなどはありませんし、パソコンはカルテの記入やサマリーの作成などでしか使用しないため、一般的なパソコンのスキルも乏しいです。
どんなに看護師としての経験があったとしても、他の職種に関しては実績の経験もありません。「新人」となります。今まで新人指導や学生指導を行っていた方も、「指導を受ける立場」になるのです。
6-3 給与面で大きな減少となる
当然、給与面も期待できません。看護師は夜勤手当や資格手当がある分、他の職業よりも比較的高収入となっている場合が多いです。
しかし、看護師以外に転職をする場合、これまでのように高い収入を得ることが難しくなります。特に看護師の経験を加味されない仕事の場合、一般的な「新卒」と同じ収入となってしまうこともあるでしょう。今までのような生活が難しくなるかもしれないということも、しっかり理解しておいてください。
7 まとめ
看護師を辞めるべきでない理由や、辞めたいと思った時の解決方法、あなたに合った転職先の探し方などについて紹介しました。
看護師として働いていると、何かをきっかけに「看護師を辞めたい」と感じることがあると思います。しかし、不規則勤務や人間関係などの理由では辞めるべきでありませんし、大きなライフイベント等の理由は職場を変えることで解決することが可能です。
「辞めたい!」と思ったときは辞めることばかりを考えてしまいがちですが、「本当に辞める必要があるのか」、「転職をすれば解決できるのではないか?」と、立ち止まって考えてみてください。
転職をするのであれば、できるだけ長く活躍できる職場を選ぶ必要があります。どのような職場で働きたいか希望する条件に優先順位をつけ、あなたが理想とする職場を見つけましょう。
必ず自分の目でもどのような職場か確かめ、理想と現実にギャップがないか確認することも大切です。
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