潜在看護師は約71万人!安心して復職する方法とおすすめの復職場所6選!
「潜在看護師」という言葉をご存知でしょうか?
潜在看護師とは、看護師免許を持っているのにも関わらず臨床の現場で働いていない看護師のことを指します。そして、現在の潜在看護師の人数は全国に71万人もいることが厚生労働省の調査で分かっています。
結婚や出産などのライフステージの変化によって潜在看護師が増えているようですが、そのほとんどが復職を希望しているという実態もあります。この記事を読んでいるあなたも、復職を希望している一人ではないでしょうか。
そこでこの記事では、復職を希望している潜在看護師であるあなたに向けて以下の内容をまとめました。
- 潜在看護師の定義、数、潜在看護師になる理由
- 潜在看護師がなかなか復職できない理由
- 潜在看護師が復職に向けてすべきこと
ぜひこの記事を参考に、潜在看護師を抜け出す第一歩を踏み込んでいただきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
目次
1 潜在看護師とは
現場から離れて働いていない看護師のことを潜在看護師といいます。
具体的には、潜在看護師とは、65歳以下で看護師の免許を持っているが、現職の看護師として臨床の現場で働いていない方のことを言います。
病院やクリニック・診療所、介護関連施設、障害者施設、訪問看護や入浴、企業の医務室など看護師としての専門知識や技術を必要とする場所で働いていない看護師の方々です。出産や育児などが理由で潜在看護師になる方が多くみられます。
2 潜在看護師の数
厚生労働省の調査で、2012年時点での64歳以下の潜在看護師は、全国に約71万人と言われています。それに対して、看護職員就業者数は、2012年時点で153万人です。
2012年の看護職員就業者数と潜在看護師数を合わせた総数から潜在看護師の割合を見ると、約30%であることが分かります。(参照:厚生労働省 看護職員の現状と推移)
あなたと同じように復職できずにいる看護師がとても多いということがわかります。
3 潜在看護師になる理由
看護師が臨床の現場から離れる理由としては、大きく2つに分かれます。最大の理由はライフステージの変化によるもので、次に職場環境の要因が挙げられます。
3-1 ライフステージの変化
ライフステージの変化としては「結婚」「出産・育児」という女性ならではの理由が多いです。看護師には夜勤がつきものでシフト制がほとんどです。家族の休みと合わない、育児をしながら夜も仕事をするのが難しく、潜在看護師になってしまいます。
3-2 職場環境の要因
職場環境としては、上司や同僚との人間関係、人手不足による超過勤務、給料の不満、休暇に関すること、労働条件、責任の重さ、医療事故への不安、施設の理念・方針に不満などが挙げられます。なかには、職場環境の不満もあり、結婚や出産を機会に離職するケースもあります。
4 潜在看護師からの復職希望数
令和元年11月、大阪労働局の調査によると、潜在看護師のなかの85%の方が復職を希望しています。(参照:大阪労働局 潜在看護師に関する意識調査)
あなたと同じように、看護師の仕事を復職したいが、復職できていないことがわかります。
以下では復職できない理由を3つに整理して、それぞれの区分に応じた復職の仕方を解説していきます。
5 復職できない理由
再び看護師として復職を希望するもできないケースがあります。復職できない理由は様々ありますが、主に3つに分けられます。
① 育児に関すること
② 医療技術の進歩に対する不安
③ 介護に関すること
この他に、家族の意向や経済的に余裕があることなども挙げられますが、多くは上記3つなのでその詳細を見ていきましょう。
5-1 育児に関すること
育児中の方が復職できない理由は「預ける場所が見つからないことや子どもの急病に対応できない」「夜勤ができない」「超過勤務ができない」「夫婦以外に育児の協力を依頼できない」などです。
保育園や幼稚園、託児所だけでなく、小学生になると学童保育が見つからなくて、復職困難が生じます。子どもの預け先は、土日祝日などの休日対応をしていない所もあるので、そこを考慮した職場選びも必要です。また、育児や家事に専念したいという本人や家族の想いから復職しないケースも見られます。
5-2 医療技術の進歩に対する不安
医療は、日々進歩をしています。数年から長年のブランクがあっての復職は、とても不安が強いです。知識や技術についていけるか心配になります。出来れば教育体制の整ったところへ再就職したいです。
5-3 介護に関すること
家族の介護のため、時短勤務や勤務時間の変更が出来る場合は、仕事を続けることが可能です。一方で、夜勤やシフト制がほとんどの看護師業界は、時短勤務としての働き方では肩身が狭くなる傾向があります。そのため、離職し潜在看護師となってしまいます。
世間は、「ワークライフバランス」と言われていますが、育児や介護、持病を抱えつつ働く場所を見つけるのは難しいのが現状です。看護師の働く職場は、人手不足のところばかりです。管理者としては、欠勤なく働くことができる方を採用したいと思います。すると、上記の①~③に該当する方は、復職しづらくななってしまうのが現状です。
6 復職の仕方
復職の仕方は、復職できない理由により異なります。そこで、5章で解説した「復職できない理由」に合わせ、復職の仕方を紹介します。
6-1 育児しながら復職を目指す方は院内保育がある病院を探す
育児をしながら復職する場合、子どもの預け先を確保する必要があります。勤務先に託児所や院内保育施設があるところを探してみましょう。自分の希望する職場内に託児所もしくは院内保育施設があるか調べます。保育の時間や曜日を考慮した上で、勤務する時間や曜日を決めましょう。
子どもが小学生の場合は、学童施設を探します。学童施設の利用できる時間や曜日内で働けるようにしましょう。
6-2 医療技術の進歩に不安がある方は単発バイトで自信をつける
看護師専用の派遣登録による単発バイトがあるので、数回程度働いて技術の不安を軽減させることをおすすめします。
業務内容は、イベントの救護係、訪問入浴、ディサービス、健診の介助、介護施設、病院など業務を単発で働くことも可能です。
まずは、単発バイトで看護業務に慣れながら、今後自分に合った働く場所を見つける方法もあります。
6-3 介護しながら復職を目指す方は介護関連施設を探す
介護をしながら働く場合は、勤務時間や曜日を選択できる場所がお勧めです。特に介護関連施設は、「1日3時間週2回から勤務可能」のような自分のライフスタイルに合わせた働き方をできる場所が多くあります。
クリニックや訪問看護などは、「午前中のみ」または「午後のみ」の勤務があります。自分に合うところを探してみましょう。
7 おすすめの復職場所6選
ブランクがあって復職をする方も含めて、復帰後に働きやすい職場を6つ紹介します。自分のキャリアや生活スタイルから、自分に合う職場を選ぶことが大切です。希望の職場は、事前に見学しましょう。あらかじめ、質問事項を考えてから見学に臨むことも必要です。
7-1 クリニックや診療所、医院
他の医療機関と比較すると、医療行為が限られているので、技術面の不安が少なくて済むためおすすめです。
内科系の場合の検査介助は、採血、採尿、インフルエンザの検査、点滴、注射類、心電図などです。医師の診察は、胸部や背部・お腹など体の部分を診るときの介助や直腸診の介助です。
状態が安定している患者さんの通院が多いため、対応しやすいと思います。基本的に夜勤がなく、日曜日と祝日の休みが多く、子育て中の方に適しています。人数が少ない職場は、時期によって多忙なこともあります。
7-2 訪問看護
訪問看護は日勤の勤務が多いためおすすめです。病院と比べて処置は少なく限られていて、特に1人の方に丁寧に接したい方におすすめです。
訪問看護もオンコールの対応をすることがありますので、月に何回までなら家族の協力のもと可能かを家族会議を通して整理し、その回数以下で働ける訪問看護ステーションを探しましょう。
7-3 健診センター
健診センターは、健康診断や人間ドックの介助の業務がほとんどです。採血や他の検査の介助など決まった業務のため、難しい業務が少なく、復帰しやすい職場です。日勤のみで残業がなく、土日祝日も休めることが多いです。
しかし、ルーティン化した業務に物足りなさを感じることもあるので、育児もひと段落し、看護してして復職後バリバリ働きたいという方には向いていないかもしれません。
7-4 介護施設のデイサービス
デイサービスは、介護職の方が中心となって入浴や排泄、レクレーションなどを行っています。看護師の業務は、バイタルサインの測定や自宅での状態の確認と観察、処置等です。利用者さんの健康管理の業務が中心で、専門性の高い業務は少ないです。基本的に勤務は日勤のみで、土日も休みやすいところが多いです。看護師の人数が少ないところもあるので、事前にサポート体制を確認しましょう。
7-5 慢性期病棟
慢性期病棟や療養型施設は、状態が安定している患者さんが多いので、激務になりにくいです。ブランクがあり、技術や知識を少しずつ実践したい方にはお勧めです。
点滴や褥瘡処置、軟膏塗布など、処置はあまりありません。慢性期病棟は、24時間365日稼働しているので、勤務体制も交代勤務となります。就職する際には、自分の希望する勤務時間や日数で働けるかと新規入職者への指導体制を確認しましょう。
7-6 保育園
保育園は、夜勤がなく平日の勤務で土日休みのことが多いです。0〜1歳時のクラスの担当を任されることが多く、怪我をした園児の処置や服薬や軟膏塗布のある園児の対応をします。
平日の勤務希望で、少しずつケアをしたい方におすすめです。ただし、保育園の中に看護師が1人であることもあるので、事前にサポート体制を確認しておきましょう。
8 まとめ
潜在看護師になる理由から復職するための支援について紹介しました。潜在看護師の実に85%は復職を希望しています。
復職に向けて、自分にあった復職へのStepを踏むことや、再就職の場所を選ぶことが大切です。この記事をきっかけに、1人でも多くの看護師が復職できれば嬉しいです!
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