SpO2は経皮的動脈血酸素飽和度!測定時の抑えるべき4つのポイント

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SpO2は経皮的動脈血酸素飽和度!測定時の抑えるべき4つのポイント

SpO2は『Oxygen(酸素)のSaturation(飽和度)をPercutaneous(経皮的)に測定する』という意味で、日本語では「経皮的動脈血酸素飽和度」といいます。

呼吸状態を測定する指標となっており、従来採血をして測定していたものを、指などに嵌めるのみで測定できるようになったパルスオキシメーターを使用しています。

使用方法は非常に簡単で基本的には人差し指や中指に装着して測定します。測定前にプロ―べを清潔にしたり、測定部位のマニュキュアの有無の確認などいくつかの注意点があるのみで、測定自体は簡単です。

健常者のSpO2は96~99%と言われています。しかし、高齢化、呼吸器疾患、循環器疾患などの基礎疾患により、患者さんによっては正常値が異なります。その際には普段のSpO2を把握して、3~4%の低下がみられれば医師に必ず相談するようにしましょう。

採用情報

1 SpO2とは採血不要で経皮的に呼吸状態を測れる!

SpO2とは、血液中にどの程度の酸素が含まれているかの割合になります。心臓から全身に運ばれる血液に流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか、皮膚を通して経皮的に調べた値になります。

センサーで指先を挟み、指に波長の異なる2種類の光を当て、透過した光の量を測定することにより、動脈血酸素飽和度を算出します。プローベにある受光部センサーが、拍動する動脈の血流を検知し、光の吸収値からSpO2を計算し表示します。

動脈血を採取して測定するSaO2(動脈血酸素飽和度)を測定する代わりに、動脈血の酸素化レベルと脈拍数を簡単に、即時にかつ非侵襲的に測る装置になります。

SpO2はOxygen(酸素)のSaturation(飽和度)をPercutaneous(経皮的)に測定する』という意味で、日本語では「経皮的動脈血酸素飽和度」といいます。

気管支喘息やCOPD、肺炎などの呼吸器疾患を患っている患者さんや、手術後や呼吸不全などで酸素療法を実施している患者さん、ALSなどの難病の患者さんなど様々な場面で使用されます。


2 SpO2の測定方法は超簡単!パルスオキシメーターを嵌めるのみ

SpO2は基本的にはパルスオキシメーターという測定器のプロ―べを指先に挟み、その値を確認することのみになります。指の先端部分にプローベをはさむことで、自動的に光を出して、動脈の赤色の色の度合いを測定することで酸素飽和度を見ることができます。動脈には拍動があるため、酸素飽和度のほかに脈拍数も同時に表示します。

2-1 SpO2は測定前に必ず自身で測定して確認

SpO2は病院や施設、在宅でも使用します。必ず測定者は使用する前に電池切れを起こしていないか、測定値が正確に出るかを確認しましょう。またプロ―ベにおける光が重要になるため、必要時内部をアルコール綿やティッシュなどでふき取り清潔な状態で使用しましょう。

2-2 第一選択は手の人差し指や中指

パルスオキシメーターは組織を透過した光をみているため、装着部位に厚みがないと測定できません。基本的に通常6㎜~18mm厚の部位に組織を挟み込むように装着します。一番簡便にできるのが、指の人差し指や中指になります。指が欠損していたり、大きな傷がある場合には、足の指などが第二選択になります。

2-3 向きは爪を上にして表示するように装着

パルスオキシメーターは上向きでも下向きでも測定することは可能です。しかし、爪のある部分をセンサー上部に当てるほうが正確な値が出ると言われています。そのため、爪を上側にして装着するようにしましょう。

装着前

      <装着前> 

装着中

      <装着中>   

装着後

      <測定中>


3 SpO2が測れない時や値が変だなと思った時の注意点

SpO2は簡便に測れる分、ちょっとした変化で数値が変わることがあります。値が普段と違っていたり、測定できていない際は以下を確認しましょう。

<SpO2が測れない場合>

  • マニュキュアが塗られていませんか?
  • 白癬症の指ではありませんか?

SpO2を測定するには光が透過しないと測定できません。もしマニュキュアが塗られている場合は除光液で取り除く、白癬症の指を避けるなど対処しましょう。

<SpO2値が低く出た場合>

  • 手足が冷たくなっていませんか?
  • 浮腫などを起こしていませんか?
  • 窓際などで光が入っていませんか?
  • 運動後でありませんか?

抹消が冷たくなったり、浮腫が起きることで測定値が下がることがしばしばあります。その際は保温するなどの対応をしましょう。運動後などは呼吸数が多かったり、労作時で正確な値が測ればいので5分ほど時間を置くようにしましょう。

<参考:日本呼吸器学会「よくわかるパルスオキシメーター」>


4 SpO2の正常値は96%以上

健常者のSpO2の値は通常96~99%と言われています。そして90%未満であれば呼吸不全が疑われます。慢性の呼吸器疾患や循環器疾患の患者さんなどでは、普段のSPO2の値は様々になります。

そのため、普段の値を病院や施設、在宅においてどの程度のものか把握していくことが、患者さん自身、そして医療従事者にとっても大事なことです。

4-1 普段よりも3~4%低下したら必ず医師に相談

入院中は勿論、施設や在宅においても普段のSpO2よりも3~4%低下することがあれば、必ず医師に相談するようにしましょう。呼吸循環動態の憎悪が疑われますし、在宅などでは肺炎や風邪でも低下することがあります。

高齢者においては、SpO2が96%以上であっても、数値に反映されないこともあります。そのため、従事者は日常生活での息苦しさの有無や、起床時の呼吸苦の有無などを確認し、異常があれば主治医への報告相談を徹底するようにしましょう。

4-2 酸素療法時には普段の値との変化で判断

COPDや肺がんなどで酸素療法を実施している場合は、SpO2の正常値が必ずしも96~99%となりません。特に酸素療法を行っている場合は、酸素の投与しすぎに注意が必要になります。そのため、酸素投与中であっても、同様に普段の値の3~4%低下があれば医師に相談するようにしましょう。

但し、酸素療法実施中は低下時の指示を医師からもらっておくことをオススメします。その際0.5Lずつの指示や〇L投与などの指示もあるため、疑わしい状況の場合は早めに指示をもらっておくことが一般的になります。

<参考:呼吸器学会「Q&Aパルスオキシメータハンドブック」>


5 さいごに

SpO2測定は病院や施設、在宅において体温測定、血圧測定と同様重要な観察指標になります。そのため、測る目的や意味を理解することがとても重要になります。その上で注意すべきポイントは、「装着前の確認」「選択する場所」「装着向き」「注意すべき疾患や状態」の4つになります。そして、患者さん自身のベースのSpO2値を把握して観察することが大事になります。

簡単なようで、知らないことも多いと思いますので、是非日々の療養生活や看護に活かして頂ければ幸いです。

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