プライマリーナーシングとチームナーシング比較ガイド!自分にあった看護方式で働こう!
病棟での看護師の働き方に大きく影響するのが、その病院や病棟で採用されている看護方式です。
今では病院や病棟ごとにさまざまな看護方式が採用されていますが、看護方式としてよく用いられているのが「チームナーシング」または「プライマリーナーシング」です。
経験の浅い看護師におすすめのキャリアアップルートは、まずチームナーシングの病院で経験を積み、自信が持てるようになったらプライマリーナーシングの病院へ転職し、さらに看護師としてのスキルアップを積むというルートです。
チームナーシングか、プライマリーナーシングか、今の自分にとってどちらを選択するかで看護師のスキルアップ、キャリアアップに大きく影響する可能性があるため、慎重に選ぶようにしましょう。
どちらの看護方式が良いのかは、看護師や患者さんの満足度や評価によるところが多いものの、着実にキャリアアップしていくためには、働きやすさや、やりがいを基準に判断すべきといえます。
今回はチームナーシングとプライマリーナーシングを比較しながら、筆者の経験を踏まえて、働きやすさや、sやりがいという基準を意識して解説していきます。
※チームナーシングとは一つの病棟に配置されている看護師を2つ以上のチームに分けて、そのチームメンバーのなかである一定の患者さんを受け持つ看護方式をいいます。
※プライマリーナーシングとは、一人の患者さんに対して一人の看護師が担当(プライマリーナース)として付き入院から退院までを受け持つ看護方式をいいます。
目次
1 チームナーシングとプライマリーナーシングの違いとは
まずはチームナーシングとプライマリーナーシングの違いから解説します。
1-1 1患者さん対看護チームであるチームナーシング
チームナーシングとは、リーダーの下で看護師や准看護師、看護助手などがチームを作り、患者さん一人に対して複数の看護師が連携して看護ケアにあたる看護方式です。
チームナーシングでは、チームリーダーである看護師を中心に構成されています。チームメンバーである看護師・看護補助者、そして病棟によってはそれ以外の他職種などをチームに入れてそれぞれの役割や専門分野に基づいてケアを提供し、情報や知識を共有します。チームナーシングの主な特徴は、チームワークが重要であることと、看護師が互いにサポートし合う環境であることです。
また、チームの継続期間も1年間というところが多いものの、なかには週単位・日単位で変化していくところもあり、チームナーシングの形態は非常にバラエティに富んでいます。
1-2 1患者さん対1看護師であるプライマリーナーシング
プライマリーナーシングとは、1人の患者さんに1人の看護師が入院から退院まで24時間責任を持って看護ケアにあたる看護方式です。看護師は患者さんのニーズに応じた個別のケアを提供し、患者さんとの関係性を深めます。プライマリーナーシングの主な特徴は、看護師が患者さん一人ひとりに責任を持つことで、看護の質が向上することです。
プライマリーナーシングは、経験豊富な看護師が独自の知識や技術を活かすことができる働き方です。看護師は患者さんのニーズを綿密に把握し、適切なケアを提供することが求められます。そのため、専門知識やスキルを持つ看護師にとって、充実感を得られる職場環境です。
プライマリーナーシングでは、看護師が患者さんとの関係性を深めることができます。患者さんの状態やニーズを綿密に把握し、信頼関係を築くことで、より良いケアが提供されます。患者さんとの関係性を重視する看護師にとって、満足度の高い職場環境です。
2 看護師としての経験が浅い、コミュニケーションが苦ではないならチームナーシングがオススメ
チームナーシング最大のメリットは、ワークライフバランスを保ちやすく、チームで受け持つ患者さんに対して、ある一定水準の看護を提供できるという点です。若手のような経験が浅い看護師は経験豊富な看護師から学ぶ機会が多く、チームナーシングがあっていると言えるでしょう。
一定水準の看護というのは、チーム内の看護師に看護能力の違いがあってもそれをチーム全体で補填できるということです。
一方でチームナーシングでは、チーム全体での看護ケアとなるため「この患者さんのケアに私が一番関与できた」という責任感や達成感が持ちにくいこと、それに伴うモチベーション維持が難しいことなどが挙げられます。
また、情報の受け渡しが多く、プライマリーナーシングに比べてコミュニケーションの量が多いという特徴があります。
さらに、患者さんや患者さんのご家族にとってはプライマリーナースのような担当看護師がいないため、入院中のことや退院後のことを気軽に相談できる人を持ちにくいこともあるでしょう。
いずれも経験豊富な看護師の方が影響が大きいため、経験豊富な方は次にあげるプライマリーナーシングがあうでしょう。
3 看護師として経験豊富で患者さん1人1人に寄り添った看護をしたいならプライマリーナーシングがオススメ
プライマリーナーシングが採用される最大の理由は、患者さんに対しての看護ケアを入院から退院まで一貫した継続性を持って提供できるということです。そのため、看護師は独自の知識や技術を活かすことができます。経験豊富な看護師は、自分の専門性を生かして、患者さんに適切なケアを提供できるでしょう。担当看護師として入院患者さんを退院時まで最後まで支えるモチベーションも維持でき、看護師のやりがいにも直結します。
患者さん目線からすると、経験豊富な看護師に一貫して継続して看てもらえるということは、入院の満足度も上がりやすくなるといえるでしょう。
また、プライマリーナースがつくために、看護の責任の所在も明確になり、患者さん側も何か不安や困ったことがあれば誰に聞けばいいのかが分かりやすくなります。
このように、プライマリーナーシングは経験豊富な看護師と相性が良い看護方式です。
4 メリットvsデメリットから自分にあった看護方式を見つけよう
チームナーシングとプライマリーナーシングのメリット・デメリットは相反するものとなります。そのため、どちらの看護方式で働くことがご自身にあっているかという視点でメリット・デメリットを吟味するようにしましょう。
4-1 医療の質の均一性vs看護の継続性のどちらを求めるか
チームナーシングは医療の質の均一性を重視する一方で、プライマリーナーシングは看護の継続性を重視します。チームナーシングでは、看護師同士が情報や知識を共有し、患者さんに対して一貫したケアが提供されます。一方、プライマリーナーシングでは、一人の看護師が患者さんと長期的な関係を築くことで、継続的なケアが実現されます。自分がどちらの価値観を重視するかによって、適した看護方式が異なります。
4-2 仕事とワークワイフバランスのどちらを重視するか
チームナーシングでは、看護師同士が協力し合うことで、仕事の負担が分散される可能性があります。そのため、ワークワイフバランスを重視する看護師に向いています。一方、プライマリーナーシングでは、看護師は患者さん一人ひとりに責任を持つため、仕事の負担が大きくなることがあります。しかし、患者さんとの継続的な関係を築くことで、やりがいや充実感を感じることができます。
例えば、育児がひと段落し、仕事に打ち込みたいと考えている方はそれまでの経験も活かしてプライマリーナーシングを採用する病院で働くと相性が良いでしょう。他方、これから育児と仕事の両立をしたいと考えている方はチームナーシングを採用する病院で働くことが相性が良いといえるでしょう。
5 まとめ
チームナーシングとプライマリーナーシングは、看護の提供方法に大きな違いがあります。どちらの方式が自分に合っているかは、自分の価値観や求める職場環境によって異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分に合った看護方式を選ぶことが重要です。
5-1. 転職先の選び方についてのアドバイス
転職を検討する際には、自分が働きたい看護方式が実践されているかどうかを確認することが大切です。また、職場の雰囲気や働く仲間、教育体制なども転職先の選び方に影響します。転職活動を行う際には、自分のニーズや価値観に合った職場を見つけることを目指しましょう。
5-2. 転職サポートや看護師専門の転職エージェントの活用
看護師専門の転職エージェントや転職サポートサービスを活用することで、自分に合った職場を見つけやすくなります。エージェントは、あなたの経験やスキル、希望条件を考慮して、適切な求人情報を提供してくれます。また、面接対策や履歴書の添削などのサポートも受けられるため、転職活動がスムーズに進むでしょう。
5-3. 自分のキャリアプランや将来の目標を考慮した転職活動
転職を検討する際には、自分のキャリアプランや将来の目標を考慮して、職場を選ぶことが重要です。どのようなスキルを身につけたいか、どのような働き方を求めているかを明確にし、それに合った職場を選ぶことで、自己成長やキャリアアップが期待できます。
最終的には、チームナーシングとプライマリーナーシングの違いを理解し、自分に合った看護方式や職場環境を見つけることが、転職を成功させるための鍵となります。転職エージェントやサポートサービスを活用し、自分のキャリアプランや将来の目標を考慮した転職活動を行ってください。
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