訪問看護ステーションにおけるオンコールの実態を1年かけて調査した結果【調査対象:1000名以上】
訪問看護ステーションの業務においてオンコール業務は重要業務の一つです。病院ではあまり馴染みのない業務であり、実際の回数や内容が、ステーションによっても違い、ブラックボックスな業務になります。そのため、訪問看護をしたいと思っていても、転職を躊躇ってしまうことが多いです。
現在1万ステーション以上があり、80~90%が緊急時の対応を行っているため、必要不可欠な状況です。今回訪問看護ステーションリカバリーでは「訪問看護に飛び込めない看護師」、「実態が掴めずチャレンジできない看護師」に向けて1年間のオンコール実績をまとめました。
500名以上の患者さんがいても実際の出動は3日に1度、70%以上が療養相談の電話など、実際数字で現れなかったものを今回まとめさせていただきました。著者が訪問看護に転職希望の看護師と話をした際に、かなり驚かれる数字であり、転職を検討している方にも、意外な数字ではないでしょうか?
なかなかイメージがしにくかったり、まだ人数が少ない業界ではあります。今回の記事が、看護師のキャリア形成や、一つの重要指標を是非客観的に見てもらえれば幸いです。
目次
1 訪問看護におけるオンコールとは
訪問看護におけるオンコールとは、利用者様の急変時の訪問に備え、夜間や休日といった勤務時間外に呼出に応じられるように待機することをいいます。オンコールは勤務時間という扱いは一般的にはされていませんが、電話があればいつでも訪問に行けるように自宅で待機している必要があります。
訪問看護ステーションは厚生労働省の届け出によると80~90%が、緊急時加算の届け出を出し対応ステーションとなっております。また全利用者の半数が加算の同意があり、15%の方が緊急の訪問看護を利用しています。
実際の訪問看護ステーションでの例を年間の数字を元に説明していきます。
2 訪問看護ステーションにおけるオンコールの出動は意外に少ない
都内にある「訪問看護ステーションリカバリー」では、500名以上のご利用者様と訪問看護の契約を結んでおります。その内緊急時などの加算契約を結んでいる利用者様の数は200名以上となります。今回2019年4月~2020年3月までのオンコールの実働割合と実際の電話時間を集計しました。
2-1 オンコール実働は3日に1回、電話の90%以上が10分以内
1年間の緊急連絡回数は910回であり、その内122回が出動回数になります。200名以上の加算算定者がいる状況であっても、緊急時の訪問は3日に1回程度でした。また電話も90%以上が10分以内で終わるものでありました。
<訪問看護実働割合> <訪問看護電話時間>
厚生労働省の算出する1人当たりの緊急回数3回は非常に多い数字であり、日中の訪問看護や運営での体制により緊急での実働が減らすことができます。
2-2 電話内容は療養相談が7割で、精神疾患関連が半数以上
訪問看護ステーションでの緊急連絡は実際は「療養相談」が70%以上を占めていました。
・眠る前の薬を何時に飲んだらいいのか?
・不安があるから話を聞いてほしい
・家族からの療養相談
上記が大半を占めております。また半数以上が精神疾患関連の電話があり、不定愁訴や内服関連の相談が多かったです。
3 0時~7時の深夜時間帯は緊急は10%程度
0時~7時の深夜時間帯での電話は10%程度になりました。ターミナルや転倒などでの緊急以外ほとんどがかかってくることはありませんでした。訪問看護ステーションでは緊急を多く対応しないといけないと感じていた看護師にとっては、意外な結果になったのではないのでしょうか。
4 まとめ
訪問看護ステーションで務める上で、オンコール業務は必要不可欠になります。実態がつかめない中、転職を検討している方は多いのではないのでしょうか。あるいは、転職活動において訪問看護をしたくても、検討を除外する方もいるのではないでしょうか?
実際500名以上患者さんがいても、実働は3日に1回程度、70%以上が療養相談、深夜時間帯は電話が少ないというのが実情です。訪問看護ステーションリカバリーは7年以上の実績があり、多くの従事者で運営しています。今回2019年4月~2020年3月の実数値を見て頂くことで、ひとりでも多くの看護師さんがオンコールに関して知り、訪問看護にチャレンジできるきっかけになれば嬉しく思っております。
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